自分の周りの空を写します
北東気流の街に生まれて
中村哲さん「天、共に在り」を読んでの感想
少しずつ他の本も読みながらで読み終わるのに時間がかかってしまいました。
アフガニスタンの復興援助に奮闘した中村哲さん自身が書かれた本です。
机上の理想論と現実との違い。中村さんは現地の人と溶け合い人脈により進めて来たようです。
それぞれの場面で出会った人たちのことが書かれている。それは座して得られたのではない。
本当に私たちに必要なのは何か、不要なものは何か?
人は見ようとするものしか見えない。
「天、共に在り」
他者との関係において自分は成り立っている。
さまざまな人と出会い、それに自分がどう応えていくか。無意味な人などいない。私たちに分からないだけ。
中村さんたちの努力でアフガニスタン医療支援、現地に病院を建てることから始めて干ばつで農業が崩壊している状況を水路を通すことで農業を蘇らせた。
無意味な米国などからの軍事攻撃を避けながらの活動。それには仲間を信じて任せた割り切りがあったのだと僕は思いました。
そして水路を襲う洪水を経験して自然との共存を悟られたのだと僕は思いました。「天、共に在り」
人は食べるためだけに生きているのではない。
今ほど切実に自然と人間との関係が問い直される時はない。
与えられた恵を見出す努力が必要。
知識が増せば利口になるとは限らない。
アフガニスタン情勢に限らず私たちの世界観や常識がフィクションの上に成り立っている。
そして信頼は一朝にして作られるのではない。利害を超え忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さ、これが人々の心に触れる。
私たちはいとも簡単に平和を語り過ぎる。
武力行使によって守られるものは何か、そして本当に守るべきは何か
少なくとも私は「カネさえあれば何でも出来て幸せになる」という迷信、「武力さえあれば身が守られる」という妄信から自由である。
最後に、あらゆる人の営みが、自然と人、人と人の和解を探る以外、我々が生き延びる道はないであろう。それがまっとうな文明だと信じている。と中村さんはこの本で結ばれている。
僕はこの中村哲さんの書かれた本を読んで、実際に自分がその場に居て自分で感じることの大切さを思いました。
ただ流れ出て来るるたくさんの情報を見ているだけでは物事の本当のことはつかめない。自分は分かっていないのだという謙虚さが必要かなと思います。
そして中村さんの現地の人の中に入って生きることの大切さ、そして僕は「裏切られても裏切り返さない」という言葉に今までの僕を思い自戒しました。
それにしても報道されて僕もそう信じて来たアフガニスタン復興と現実との違いに僕はだまされていたと思いました。
現場第一主義だなと思いました。
でも中村哲さんは現地で殺されてしまった。何もして来なかった僕は申し訳なく思いました。
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