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中井久夫「最終講義」の感想

NHK Eテレの「100分で名著」で取り上げられた精神科医、中井久夫さんの最終講義を収録した本を読みました。
僕は中井先生は統合失調症研究の権威らしいですが、それでも一人一人の患者のことを考えて一緒に生きてくれた先生なのだろうなと思いました。
よい体験をつみ重ねることで病気、障害の重みが減る。
病気というのは人生の仕切り直し。
患者の就労にしても君に合わなかったことが分かったから実験は成功だと、実験というアプローチが良いと書かれていた。
僕は分かってくれているなと思いました。こういう気持ち立ち位置がうれしいなと思いました。

そして中井先生の発見したこととして臨界期というのがあると言う。
急性期から回復期に移る時に不安定に成り暴れたり体が不調に成ったりする時期がある。
でもそれは次のステージに移る過渡期の症状で良い反応なのだと言う。この時が大切でこの時に寄り沿い何か守られていると感じられるのが大切と書かれていた。
僕はそうだな、これだよなと思いました。

僕は精神科の治療、ケアには気持ちが大切だよなといつも思っています。
僕のことを思ってくれている気にしてくれていると感じられると嫌なことがあっても踏ん張れると思います。これが有るか無いかがとても大きいと思います。
僕も精神の患者歴40年、それなりに分かったこともある。そんな僕が偉そうですが中井先生はいいな、ツボをおさえているなと思いました。
本は半分ぐらい読みましたが専門的な話に成って来たのでこの辺りで読むのを終わらせます。でもこういう先生がいいなと僕は思いました。
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