原発事故から早一月。事故修復は一進一退を続け、長引くと思われる。
残念ながら、放射能汚染物質の飛散は続き、気象庁HPにも状況が表示されるようになった。
「大したことはない」と許容値をいじくってみたところで、刻々と汚染が続いている現実が好転するわけでない。
一刻も早い事故の終息と、農水畜産業者のこれからの生活再建と補償を充分に行い、消費者には安全な食品を提供されることが最重要だ。
武田教授のHPより
http://takedanet.com/
残念ながら、放射能汚染物質の飛散は続き、気象庁HPにも状況が表示されるようになった。
「大したことはない」と許容値をいじくってみたところで、刻々と汚染が続いている現実が好転するわけでない。
一刻も早い事故の終息と、農水畜産業者のこれからの生活再建と補償を充分に行い、消費者には安全な食品を提供されることが最重要だ。
武田教授のHPより
http://takedanet.com/
原発 小さい疑問 なぜ、原発近くの野菜は買ってはいけないのか?
http://takedanet.com/2011/04/post_b463.html
農業の人には悪いのですが、農業の人も「消費者に安心して食べてもらう食材」の生産に励んでおられたと思います.それが前提です.
・・・・・・
ホウレンソウが汚染されていたとします.普段なら「ホウレンソウだけが放射線で汚染されている」という事なので、「そのホウレンソウが基準値を超えていなければ食べて良い」のです。
しかし、現在のように空気(外部線量)、それを吸い込んでの内部被曝、野菜、魚、水、土壌など全てが汚れていると、ホウレンソウも他の被曝に足さなければなりません.
たとえば、次のようなことです。
【普通の時】
空気 0
水 0
内部 0
ホウレンソウ 10
小松菜 0
大根 0
牛乳 0
こうなご 0
合計 10
となりますから、ホウレンソウは規制値以下なら大丈夫です.
ところが、「環境が汚染されているとき」(時期は1年ぐらい)は、状態が違います.
【汚染時】
空気 10
水 2
内部 10
ホウレンソウ 10
小松菜 3
大根 1
牛乳 5
こうなご 10
合計 51
となります。つまり一つ一つは「規制値内」でも「足し算」をしなければなりません。
少し前に「かけ算のできない東大教授」と書きましたが、先日の東電の魚汚染の発表は「足し算のできない東電」ということです。
むやみに怖がる必要はありませんが、ここ半年ぐらいは、「基準値以下でも、できるだけ被曝を避ける生活」が大切です.
個人の事情、体力などに合わせて、できる範囲で被曝を減らすこと、これが放射線防御の基本です.
(農業、漁業の方の考え方はまた別の機会にします)
(平成23年4月9日 午前9時 執筆)武田邦彦
原発 大地は泣いている・・・
http://takedanet.com/2011/04/post_7445.html
大気と大地と海・・・言うまでもなく人間の母である。
そこからの恵みによって、私たちは命を授かり、愛する人と出会い、苦楽を共にし、そしてやがて終わりを迎える.
これまで数万年、私たちの祖先は日本列島の大気と大地、そして海を頼りにしてきたが、それは汚れてしまった。
今、そこに働く人たち、大地と海の恵みを私たちに代わってもたらしてくれる人たち・・・農業と漁業・・・は汚れを前にして呆然としている。
でも、それは現実なのだ。かつて、B29の爆撃を受けて焦土と化したように、大地は焦土になった。
・・・・・・・・・
今、私たちは何をするべきだろう?
そこから何も採ってはいけない。昨日まで凍えるてで藁を綯え、朝の暗闇に出帆していたとしても、今日は何もしてはいけない。明日もしてはいけない。
そこからとれるものは、たとえ「規制値以下」であっても、もはやそれは「自然の恵み」ではない。
流通はキャンペーンなどやってはいけない、自治体は地産地消を唱えてはいけない、知事は規制値を上げてはいけない・・・すでに大気と大地と海は汚れてしまったのだ。
・・・・・・・・・
「俺たちの生活を判っているのか!」と怒鳴られるのは判っている。でも、大地と海から採れるものは神聖である.でも、汚れたものは神聖ではなく、災厄をもたらすものだ.
振り返ってみれば、これまで日本の農業も漁業も「食べる人に喜ばれるものを」と頑張ってきた。日本の流通も「消費者を裏切らない」ことを第一にしてきた。
それを、今、数ヶ月のことで無にするのはいかにも残念だ。放射性物質の量を明示しないで「放射性物質を食べても大丈夫」などと言って売る人がいる。
大地と海に恵みを受ける人の誇りを取り戻して欲しい.
(平成23年4月9日 12時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/04/post_b463.html
農業の人には悪いのですが、農業の人も「消費者に安心して食べてもらう食材」の生産に励んでおられたと思います.それが前提です.
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ホウレンソウが汚染されていたとします.普段なら「ホウレンソウだけが放射線で汚染されている」という事なので、「そのホウレンソウが基準値を超えていなければ食べて良い」のです。
しかし、現在のように空気(外部線量)、それを吸い込んでの内部被曝、野菜、魚、水、土壌など全てが汚れていると、ホウレンソウも他の被曝に足さなければなりません.
たとえば、次のようなことです。
【普通の時】
空気 0
水 0
内部 0
ホウレンソウ 10
小松菜 0
大根 0
牛乳 0
こうなご 0
合計 10
となりますから、ホウレンソウは規制値以下なら大丈夫です.
ところが、「環境が汚染されているとき」(時期は1年ぐらい)は、状態が違います.
【汚染時】
空気 10
水 2
内部 10
ホウレンソウ 10
小松菜 3
大根 1
牛乳 5
こうなご 10
合計 51
となります。つまり一つ一つは「規制値内」でも「足し算」をしなければなりません。
少し前に「かけ算のできない東大教授」と書きましたが、先日の東電の魚汚染の発表は「足し算のできない東電」ということです。
むやみに怖がる必要はありませんが、ここ半年ぐらいは、「基準値以下でも、できるだけ被曝を避ける生活」が大切です.
個人の事情、体力などに合わせて、できる範囲で被曝を減らすこと、これが放射線防御の基本です.
(農業、漁業の方の考え方はまた別の機会にします)
(平成23年4月9日 午前9時 執筆)武田邦彦
原発 大地は泣いている・・・
http://takedanet.com/2011/04/post_7445.html
大気と大地と海・・・言うまでもなく人間の母である。
そこからの恵みによって、私たちは命を授かり、愛する人と出会い、苦楽を共にし、そしてやがて終わりを迎える.
これまで数万年、私たちの祖先は日本列島の大気と大地、そして海を頼りにしてきたが、それは汚れてしまった。
今、そこに働く人たち、大地と海の恵みを私たちに代わってもたらしてくれる人たち・・・農業と漁業・・・は汚れを前にして呆然としている。
でも、それは現実なのだ。かつて、B29の爆撃を受けて焦土と化したように、大地は焦土になった。
・・・・・・・・・
今、私たちは何をするべきだろう?
そこから何も採ってはいけない。昨日まで凍えるてで藁を綯え、朝の暗闇に出帆していたとしても、今日は何もしてはいけない。明日もしてはいけない。
そこからとれるものは、たとえ「規制値以下」であっても、もはやそれは「自然の恵み」ではない。
流通はキャンペーンなどやってはいけない、自治体は地産地消を唱えてはいけない、知事は規制値を上げてはいけない・・・すでに大気と大地と海は汚れてしまったのだ。
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「俺たちの生活を判っているのか!」と怒鳴られるのは判っている。でも、大地と海から採れるものは神聖である.でも、汚れたものは神聖ではなく、災厄をもたらすものだ.
振り返ってみれば、これまで日本の農業も漁業も「食べる人に喜ばれるものを」と頑張ってきた。日本の流通も「消費者を裏切らない」ことを第一にしてきた。
それを、今、数ヶ月のことで無にするのはいかにも残念だ。放射性物質の量を明示しないで「放射性物質を食べても大丈夫」などと言って売る人がいる。
大地と海に恵みを受ける人の誇りを取り戻して欲しい.
(平成23年4月9日 12時 執筆)武田邦彦