落葉松亭日記

ニュース・評論スクラップ、凡夫の日々雑感、山歩記など

「放射線は身体にいい」?

2011年04月18日 | 原発
難しいことは素人にはわからないが、「ラジウム温泉、ラドン温泉など、自然的な微量のものなら身体にいいかも知れない」という程度だ。
Wikipedia
ホルミシス効果(ホルミシスこうか、英: hormesis)は、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用をいい、特に自然放射線の人体への健康効果を指す。放射線ホルミシス効果、また放射線ホルミシス学説ともいう[1]。ホルメシスとも表記される。

原発事故から発生する放射線汚染物質は避けた方がよいのは当然だろう。
飛散は数ヶ月と長引く。被爆は累積するので最初防ぐことが肝心と学習した。

武田教授の見解
http://takedanet.com/2011/04/post_ec43.html
原発と生活  強い人はその通り

放射線をご研究になっている先生方で「放射線は体に良い」と言われている方がおられます.
これについての私の見解を書きます.

・・・・・・・・・
生物の歴史は6億年前(単細胞なら37億年前)からですが、その歴史は「放射線との戦い」でした。
ですから生物は放射線に対して何重もの防御をしています。別の表現をすれば、「放射線に対する防御ができる生物だけが生き残り、その中で人間はもっとも放射線に強い生き物」と言えます.
私は生物の「自己修復」という機能を人工的な材料に適合しようという研究をしてきましたので、そのことはよく知っています.
だから、「放射線をあびると健康になる」というのも確かです.
しかし、問題は2つあります。

1) 統計的には、放射線の量が増えると「過剰発がん」が増える。

2) 幼児、妊婦、妊娠可能な女性などに障害者がでる。

という現実があります。つまり強いものは体が防御してくれるのですが、弱いものはやられてしまうということがあるからです.
これは人によって判断が分かれるのですが、私は「弱い人を中心にして、強い人は弱い人がやられなければ大丈夫」という考え方です.
1年に1ミリシーベルトで、過剰発がんは「たった」1億人に5000人ですから、集団としてはたいした事はないかも知れませんが、幼くしてガンになる人は「その人、一人」だから可哀想に思います.
それも、しばらく汚染された土地を離れたり、汚染された食材を売らなければ回避できるのですから、私はそちらの方が良いと思っています.

読者の方で「放射線は本当に危険か」と迷っておられる人が多いのですが、
1) 強い人は大丈夫、
2) 弱い人は危ない、
3) 確率で起こる、
ということを知って、後はご自分で判断してください。

その点で、政府の要人や知事(いずれも50才以上の男性)が放射線に汚染された食材を食べて「平気です」と言っているのを見ると、無性に怒りがこみ上げてきます.
違うだろう!
(平成23年4月17日 午後11時 執筆)武田邦彦

「カイワレ効果よもう一度」とパフォーマンスを行ったが・・・・
魔力に期待?菅首相が風評被害のイチゴに舌鼓 2011年4月15日(金)19:34 (読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20110415-567-OYT1T00943.html

 菅首相は15日、東京電力福島第一原子力発電所の事故で風評被害が出ている福島県の農産物を報道陣の前で食べ、安全性をアピールした。

 首相が食べたのは同県産のイチゴとキュウリで、JA福島中央会の庄條徳一会長が首相官邸に持参した。庄條氏は「かつて首相は、カイワレ大根を食べて風評被害を飛ばした魔力を持っている」と、首相が厚相時代に病原性大腸菌O157による食中毒の広がりに対応した際のエピソードを持ち出してハッパをかけ、首相もおいしそうにイチゴをほおばった。
 また、庄條氏は原発事故の早期収束を求め、首相は「農作物が市場に出せない事態になっていることは大変申し訳ない」と述べた。


原発事故近況(takedanet.comより)

2011年04月18日 | 原発
武田教授のHP(4月16日)より
http://takedanet.com/2011/04/post_651c.html
原発短信  原発の近況など

国がデータを隠しているので、いろいろな憶測が乱れ飛んでいますが、私は今、次のように見ています.

1.福島原発は異常な状態ながら安定していて、徐々に放射性物質の漏洩も少なくなっていく.もう少し我慢する。

2.爆発の可能性はまだあるけれど、それほど危険ではない。しかし、今、被ばくを避けておけば、万が一の時にも「被ばくの貯金(事故が起こって少し被ばくしても、それまでの被曝量が少ないと余裕がある。)」で安心。

3.核爆発でも水蒸気、水素爆発でも、チェルノブイリの経験からはそれほど大きな違いはない.

4.メルトダウンを起こしたとしても、これまでと同じぐらいの放射性物質がでるに止まる.このブログにメルトダウンは解説してあります.

5.従って、原発から福島市までの帯状の地域、原発から茨城北端までの帯状の地域は待避する方が良い(子供は絶対に待避.郡山などでは、水、マスク、洋服を拭く、運動は止めるなど最大限の注意)、東京、仙台などは注意して生活し(水、雨に濡れる、食材)、青森、岩手、秋田、新潟、長野、山梨、静岡とその外側は普通通りの生活で大丈夫。

6.「半径何キロ以内」は無関係です.福島原発を目(光)で見ることができないところは福島原発からの直接の放射線は来ません。

7.東京、群馬、栃木、会津、山形、宮城、福島、茨城では、できるだけ早く家、玄関、道路の清掃(水を使う。拭く)が有効。絨毯や畳も可能なら頑張ってかなり湿ったぞうきんで丹念に拭く.3月に着ていた服は外でブラシをかける。連休までに怪しいものは洗濯などをしておく.特に子供のものは注意する.

8.運動場、スポーツ施設、ビルの屋上、学校の校庭、畑は可能な限り表土を薄く取り、どこかに積み上げてビニールをかぶせておく(放射性物質を拡散させない)。

9.お子さんも、1度や2度、雨に濡れても、水を飲んでも大丈夫(放射線障害は「被ばくの合計」だから、1)最初に待避、2)少しでも放射性物質に接しない、3)一時的に接したら、後は余計に注意する、4)余裕があれば汚染されていない場所に2,3日でも遊ばせる、などで大丈夫です.)

10.福島と茨城の野菜や酪農品を出荷しない.(もし、売られていたら、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムの量を聞いてから買う)。

11.宮城、福島、茨城、千葉の海産物を出荷しない(どうしても買わなければならなければ、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムの量を聞いて買う.大人は少しは良いが子供に与えない)。

12.海洋の汚染(特にストロンチウム)を測定しない間は、魚は、北海道、日本海、九州沖縄、四国のものに限定して買う.ほとんど測定されていないので、かなり危険。

13.連休明けまでだから、頑張る。

14.福島原発は連休明けに一段落して、その後、秋まで「原発の作業」が続く。しかし、庶民にはあまり影響はなくなる.秋になると本格的な「終焉作業」が始まる.

15.福島、茨城はできるだけ、除洗作業を進めた方が良い。もし除洗しないと本当に10年ぐらい畑が使えなくなるし、生活している人も長期に被ばくすることになるので、放射性物質がこびりつかない内に、洗い落とすのが福島の人にとってはとても大切。「放射線は健康に影響が無い」などということは今までの学問にまったく反対なので、それは今後の課題にした方が良い。

16.郷土を愛している人たちは「たいした事はない」と思いたいのは判るし、「福島が汚れていると言ってもらっては困る」という気持ちも分かるが、勇気を持って事実を直視することが、子供達のためになる。除洗を急いで欲しい。その方が福島の郷土を守ることになる!!まして、福島の人を避難しているのではない.福島の人は被害者だが、事実は事実だから東電に負けるな!!汚したのは東電だから、それで子供を被ばくさせないで欲しい。

17.原発は10年ぐらい経ったら解体が始まる。チェルノブイリは26年経ってもそのままだが、福島原発は解体が早いと考えられる.あまりコンクリートなどで固めない方がよいと私は思う。


放射線は目に見えません。また急性の病気は250ミリシーベルト以上の「急性白血球減少」ですが、それより低い被ばくでガンなどの症状がでることが知られています。
あまり「常識」や「大丈夫だよ.これぐらい」と考えずに、一生に一度しか起こらないので、後、数週間だけ頑張ってください。特に未来のある子供に注意。


(平成23年4月16日 午後10時 執筆)武田邦彦