今日が一番素敵

丁寧な暮らしを心がけながら、日々、折々のの心模様を素直に語ります。
今が一番素敵との思いを込めて。

葬儀後の私 

2016-01-31 07:50:35 | 家族

葬儀後、何日経過しても、旦那さまのお位牌と遺骨の前に座ると、涙が溢れてしまって・・・・・・。

夫を失うことで、これほどの喪失感とやるせなさがわが身を襲うとは。

当然なこと、と思いはすれど、私の予想を超えて、遥かに大きなものです。

特に寝室に入ると堪えられません。

夫の闘病生活の苦労の跡がそこかしこに。

目もまともに見えず、最後の数か月間は、骨転移の痛みで苦しみ抜いた夫でした。

それにしては、本当に良く堪え、辛抱してくれたと思います。

 

私は、夫の辛さを心から理解し、常に寄り添ってあげられたでしょうか。

もっともっとやれることは一杯あったのでは、と今反省ばかり。

そのような心境になると、涙が一番よく溢れます。

 

 

Yさんのもとに嫁ぐ前は、むろんときめきもありましたが、余りに天才肌の寡黙な人だったゆえ、不安も大きかった私です。

結婚して、Yさんの事を知り尽くした(?)年齢になると、その不安は消えました。

けれど、妻としての多少の物足りなさを常に感じていました。。

だって優しい言葉なんて、全くかけてくれない人でしたもの。

 

けれど亭主関白とも違いました。

喪主の挨拶でも述べましたが、子供たちを叱ったことが一度もなく、私も小言を言われた覚えがほとんどありません。

空のような広い心と、冷静な精神力で、私たち家族を養い支えてくれた人です。

 

私は、言葉で優しさを表してくれない旦那さまに、時に文句を言いました。

けれど、今更ながら、それは私が夫の性格を本当に理解していなかったことによる、勝手な言い分であったと。

旦那さまは私が何を言っても、反論しない人でした。

けれど、内心はさぞ、私の無理解に心を痛めていたに違いありません。

文句ひとつ言わず、私のほとんどすべての言動を受け入れ、自由に伸び伸びと家庭生活を送らせてくれた人です。

それは、何にも勝る「最大の優しさ」であった、と。

今はそのことに、言葉では表し尽くせないほど、感謝しています。

 

 

娘たちが葬儀場の隅に飾るために選んでくれた写真は、この二枚ですべてです。

 

亡くなる前の一月、私は連日一時間半かけて、夫の許に行き、半日を病室で共に過ごしましたが、

その時の旦那さまの態度は、いつもとは違いました。

Yさんの思いがけない言動の数々は、今の私の宝物。

夫婦の絆を一層確信し、幸せを噛みしめることができた日々でした。

新婚当時のようなときめきを胸に抱いて、病院に連日通ったものです。

 

或る方が、私の身を心配してのご忠告だったのでしょう。

「自分を犠牲にしてまで、介護に没頭していては虚しくありませんか」と問いかけられました。

人は、それぞれ思いが違って当然です。

その言葉、他に、ちょっぴり傷つきましたけれど・・・・・・。

 

その頃の私は雨が降ろうと槍が降ろうと、毎日通い詰めて、旦那さまに寄り添おうとの心境でいました。

夫は私を、心底必要としていましたから。

私が支えてあげなければ、すぐダメになってしまいそうなほど、辛い日々と向き合っていましたから。

まだまだ大丈夫といった、楽観視はしていませんでしたが、少しでも長い間、旦那さまに添い遂げたい、との篤い思いでいました。

その願いが容赦なく断ち切られ、今は悲しくてならない日々です。

 

この当時の事で、切なくも温かな思い出、不運な出来事、病院の治療への苛立ち、と書きたいことはいろいろあります。

今後、その話題に触れるかどうかは、私の気持ち次第で、今は何とも言えません。

心を整理するために、恐らくしばらくは綴ることになるのかもしれません。

 

けれど、いつまでもめそめそすることなく、どこかで潔く思いを変え、前を向いて明るく元気に過ごしたく願っています。

それが何よりの旦那さまの供養になるでしょうから。

一昨日、訃報に接した、私が敬愛して止まなかった大切な友、Uさんが、ご主人様を亡くなれた時の気丈さ、優しさ、明るさを見習いたいと・・・・・・。

 

 

最近、お線香を上げに来てくださった訪問看護士さんのお話によると、旦那さまが一人身になる私の事を、とても心配していたとの事。

他にも、お料理その他色々ほめ、私の体調を気遣ってくれていたようでした。

私には優しい言葉など、一度もかけてくれませんでしたのにね。

 

旦那さまが間接的に私に残してくれた温かなメッセージの数々を聞き、夫が亡くなった日と同じくらい泣きました。

「また泣かせてごめんなさいね」と訪問看護士さん。

「美しい夫婦愛を感じながら訪問看護ができて、私たちも幸せでした」と過分な嬉しいお言葉までいただきました。

 

私が死んだら、三途の川まで迎えに来てくれるでしょうか。

その日まで、旦那さまに心配をかけないように元気に過ごそうと、新たに心に誓っているこの頃です。

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