新宿コニカミノルタギャラリーで開催中の『ソーシャルデザインアワード』。会期終了までいよいよあと一週間となりました。
大体週一回作品の状態を見に行ってるのですが、行く度に片手袋想像ノートに綴られた物語が増えているので本当に嬉しいです。現在までに、既に50人位の方が参加して下さっています(もっと多いかも)。
もう一度僕の作品、『手から手』の簡単な説明を。
壁には20枚の片手袋写真。その前に置かれた机の上に一冊のノート。好きな片手袋写真を一枚選んで、その片手袋を落とした人や拾った人や通り掛かった人、もしくは片手袋そのものの物語を想像してノートに綴って貰う、という作品です。
つまり鑑賞者の方々が参加して下さらないと作品は成り立たない訳で、会期が始まる前はその事を一番心配していました。ところが始まってみたら本当に沢山の方が、片手袋研究家の僕でも思いつかないような物語を想像してくれているのです。
ノートには年齢や名前、性別なんかを書く欄を設けませんでした。我々はどんな人が片手袋を落としたのか知る事は出来ず、想像するしかない訳です。ノートに綴った人も実際にはどんな人なのか分からない方が面白いと思ったのです。
個人情報などを知る手掛かりは何もないので、今日は幾つか物語例をお見せしたいと思います(万が一、「あ、これ私の!勝手に載せないで!」という方がいましたら申し訳ありません。ご連絡下さいませ)。
まずはこちら。左が片手袋写真。右がそれを見て綴られた物語です。
綴られた物語も面白いですが、段落ごとに色が変えてあるのも興味深いです。この片手袋写真は二枚の片手袋が映っていますが、手前の片手袋はとても目を引くカラフルなものです。なんかそれと呼応しているようですし、これを書いて下さった方の性格なんかも想像出来るようで。
お次はこちら。
なんと絵だけで表現してくれています。信号待ちで並んだ二台の車。それぞれを運転する男女の間に生まれた、一瞬の恋物語。う~ん、凄いです。僕なんかはこの片手袋、「車に踏まれてかわいそうだな」と思っていたんですが、(失恋物語ながら)こんなに楽しい物語を導き出してくれるとは。
記入欄の右下に「from FR」の文字が見えますが、もしかしたらフランスの方なのかもしれませんね。一応英語でも作品説明を書いておきましたが、片手袋は軽く国境を越えていきます。
このように沢山の物語が詰まったノートです。もし会場に行かれる方は、物語を綴って欲しいというのは勿論、他の方の物語もじっくり読んでみて下さい。とても興味深いですよ!
『ソーシャルデザインアワード』は、6/22(月)まで開催中です。僕の作品以外にも社会に対する様々な提案を含んだ作品が並んでいます。是非ご覧下さい!
※なお毎日19時までオープンしていますが、最終日だけは15時までだそうです。
http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2015june/social_design_award/index.html