普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

おーい、アメリカ!?

2016-11-12 23:33:09 | 極端な人々<的>な
反トランプ・デモがあちこちで行われているアメリカ。

木村太郎と、共和党の熱狂的トランプ支持者以外、ほとんど誰も予想すらしていなかったトランプ大統領の誕生。

今から考えてみれば、なるほどさもあらん的な納得の仕方はできる。

いくつかの要素の内、ボクがつくづく思うのは以下のこと。

大統領はエスタブリッシュメントの代表、あるいはエスタブリッシュメントそのものでなければならないという、勝手な思い込みが招いた結果だということ。

少しは頭が良さ気で、何か聞かれたら立て板に水、気の利いた答えが即座に口をついて出る。そんな人間にしか物事は任せられないと勝手に思い込んでいること。ことにメディアのそうした思い込みが顕著だった。

実際は、そういう奴は鼻持ちならない。もういい加減「俺」より「私」より優れている的なアピールにはうんざりだ、と労働者階層の白人たちは思っただろうが、実はそう思ったのはこれまで民主党支持者然としていたリベラル、高学歴、移民支持、寛容性の高さをもった連中も同様だった。WASPはもちろんのことだ。

クリントンが嫌われたのは、政策に瑕疵があるからでも不安を感じさせる要素があったからでもない。ただただ、鼻持ちならずうんざりさせられただけ。

ボクはクリントンが勝つと思っていた。だが、投票日の朝ふと「クリントンがなったら、アメリカはどこに向かうと言っていたのだっけ?」と思った。よく考えたら、そうした指針は何もなかった気がした。むしろ頭も悪い、金のことにしか頭の働かない、女好きのスケベおやじで、思ったことをつい口走ってしまうろくでもないトランプの言っているの方が、内容の良し悪しは別にして確実にこちら側に届いているという事実に思い至り「ひょっとするとトランプが勝つかも」と奥さんに言ったのだった。

アメリカは、抜けることのできないカオスに突入したように思う。

どう考えても、トランプの政治力は低次元で、国家を壟断するということになりそうな気がする。

だが民主国家アメリカは、まぎれもなくトランプを自分たちのやり方で選んだのだ。

はたから見ていると「アメリカ人の阿保さ加減にはつける薬はない」と思うのだが、そうも言っていられない。なにしろこれまでのアメリカは「世界の警察」「世界経済の牽引役」だったのだから、そのレベルに至らない大統領の誕生は、世界を混乱に陥れるしかない。

ISIS、アルカイーダ、ボコ・ハラム、タリバン……イスラム過激派は大喜びだろう。打てば何かが返ってきそうだから。テロのやりがいもあろうというもの。

どちらかといえば、アメリカ人をボクは好きだ。だが、つくづく阿保だと思う。その落とし前は、自分でつけるしかないのだが、おそらく周りには思いもかけない大迷惑をかける結果になるだろう。

アメリカの大統領選挙。

世界の何かが、変わった日だった。