今回、転倒予防学会に参加したのは、現在科研費で行っている研究の目的の一つが転倒予防だからなのだが、参加してあらためて転倒予防の重要性を感じた。
厚生労働省「人口動態調査」(平成 26 年~令和2年)
(1) 65 歳以上の不慮の事故による死因のうち「転倒・転落・墜落」及び「交通事故」による死亡者数の推移
「交通事故」による死亡者数は減少傾向に対し、「転倒・転落・墜落」による死亡者数は近年横ばい。
令和2年では、高齢者の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」 の約4倍。
(2) 65 歳以上の家庭における「転倒・転落・墜落」による死亡者数の推移
毎年ほぼ横ばいで推移。
「スリップ,つまづき及びよろめきによる同一平面上の転倒」と 「階段及びステップからの転落及びその上での転倒」を比較すると、80 歳以上のスリップ、つまずき及びよろめきによる同一平面上での転倒が顕著に多い。
厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年)
・ 高齢者の介護が必要となった主な原因
高齢者の介護が必要となった原因として、「骨折・転倒」は、「認知症」、「脳血管疾患(脳 卒中)」、「高齢による衰弱」に次いで4番目に多い(13.0%)。
WHOファクトシート『転倒』
・ 転倒は不測のけがによる死亡原因として第二位となっています。
・ 毎年、世界で推定684,000人が転倒により死亡しており、その80%以上が低・中所得国で発生しています。
・ 致命的となる転倒が最も多いのは60歳以上です。
・ 医療を要するほど重度の転倒は、毎年3730万件に上ります。
・ 予防のための戦略は、教育、訓練、安全な環境の創出、転倒関連研究の優先順位付け、およびリスク低下の効果的な方針の確立に重点を置く必要があります。