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河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

身体運動学実習について思うこと

2012-08-07 | 大学
長年理学療法学科の身体運動学実習を担当してきていろいろと思い悩むことが多い。

始めた頃は実習で使用する器機の操作法を習得するのが大変で、ほとんど1年くらいかけて必死に勉強した。
力学を知らない学生でも理解しやすいように床反力ベクトルをビデオ画像と合成して提示できるようなシステムも導入した。
当初は入学したての1年生に講義を行っていたが、解剖も知らない学生には難しすぎると言うことで2年時に行うようカリキュラムも変更した。

長年やっていると、初期に導入した器機は老朽化して使い物にならなくなる。
そうすると今度は器機の更新のために予算を確保する苦労が出てきた。
幸い、文科省の補助金が取れて数千万円もする動作解析システムや筋力測定装置の更新も何とかやってこられた。

あれやこれやとさんざん苦労してきたのだが、最近悩んでいるのは肝心の学生の理解度がだんだん低下しているように感じることである。
いくら高価な器機を駆使しても、学生が内容を理解してくれないのでは意味がない。

おそらく、高校までに物理学を全く習ったことのない学生が増えているのが原因だろうと思うのだが、筆記試験をしてみるとその結果に愕然とさせられる。

物理を習ったことがない学生にも分かるように実習を工夫しているのだが、本物の実力を身につけさせなければ国家試験で困ることになる。
国家試験の運動学の問題もだんだん難しくなってきているし、何とか力学の実力を学生に身につけさせなくてはならない。

教科書以外に学生にとって分かりやすい力学を中心にした参考書を作る必要があるのかもしれない。
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