河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

大学は改革要請に疲れ切っている

2015-07-20 | 大学
今日の日経に元新潟県知事で新潟国際情報大学学長の平山征夫氏の論説が掲載されていて、非常に興味深く読ませて頂いた。

『大学改革は学生側の視点で』という論説で、国の過剰介入が問題であるとしている。

文科省が示す要項に沿って各大学が一斉に頑張り、同じ方向の改革を進めることが現在求められている。
これで個性ある大学づくりができるのか、そもそも改革とは自分の責任と工夫で進めるものではないか。

こういったことを述べておられるのだが、大学関係者の多くは賛成するだろう。
しかし、思っていてもなかなか言えないことである。
なんだかんだと言っても、国からの補助金なしには大学はやっていけないからである。


平山氏が触れているが、社会で求められている役に立つ人材の育成という文科省の高等教育の目標は、国や企業側のニーズであって学生側の視点が抜け落ちている。


平山征夫氏の論説に関連して、先日、録画していたカンブリア宮殿【“元ニート”若手経営者が挑む「地方元気化計画」】というテレビ番組を見て、大いに考えさせられた。

この番組で取り上げられた経営者は、大学時代は授業には出ずにパチンコにのめり込んで、卒業後も就職もせず株にのめり込んでいたのだそうだ。
ところが、今では旅館・ホテルの経営に始まり、「今治タオル」専門店、さらに「愛媛ミカン」や陶磁器「砥部焼」のブランドを立ち上げるなど、愛媛にこだわった10以上の事業を生み出し成功させている。
テレビで見た印象では脱力系の優男で、何とも捉えどころのない一風変わった人である。

そう言えば、ライブドアを立ち上げたホリエモンは、東大に現役で入ったものの駒場寮で麻雀ばかりしていたという。
彼は塀の中に入ることとなったが、現在は宇宙開発のベンチャーを立ち上げようとしている。

こうした事例を見ると、日本全国の大学が文科省の示す同じ目標に向かって一斉に走り出すという今の有り様はかなり異常に思える。

最低限の基準を満たしていれば、いろいろな大学の在り方があってしかるべきだし、学生の大学生活の送り方もいろいろあって良いのではないか。
変化に富む現代を生き抜くには単一の思考に絡め取られた人材ばかりでは不十分である。

進化論のダーウィンが言ったとされる下記の箴言も考えるべきだろう。

「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。
最も頭のいいものか。そうでもない。
それは、変化に対応できる生き物だ。」
コメント
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