本日は平成29年度最終日で、休日であるが平成30年度大学院生オリエンテーションが行われている。
本学が平成25年度に採択された文部科学省「地(知)の拠点(COC)整備事業」である「だれもが役割のある活きいきした地域の創成」の活動も、本日で5年目の最終日を迎えることになる。
私は「地(知)の拠点整備事業」の補助金申請に中心的に関わり、採択後は地域貢献推進センター長としてこの事業をとりまとめてきた。
この5年間様々な活動を行ってきたが、最後に文化財総合研究センターのCOC事業を紹介したいと思う。
平成25年に本学が「地(知)の拠点整備事業」に採択されたときには文化財学部 文化財保存修復国際協力学科が活発に活動を行っており、その時の記録の一部が学科ブログとしてまだ残っている。
ところがその後、文化財学部が閉鎖されることとなり、COC事業は文化財総合研究センターが引き継いで発展させることになった。
文化財総合研究センターの最終年度の事業として、2つの素晴らしいホームページが公開されたので、是非紹介したいと考えた次第である。
まず一つ目は「高梁の仏画—涅槃図を中心に」である。
吉備国際大学は文部科学省が実施する「地(知)の拠点整備事業」に採択されており、文化財学部ではその一環としてとして涅槃図を中心に高梁市の仏画の所在調査を行いました。本ウェブサイトは、その取組の成果の公開を目的に平成29年3月8日〜3月19日に高梁市歴史美術館市民ギャラリーで開催された「高梁の仏画—涅槃図を中心に」展のために制作された図録をもとに制作しました。
市内には100軒を超える仏教寺院が所在しますが、そのほぼ半数近くが禅宗寺院という特徴があり、しかもそのほとんどが曹洞宗であるという県下でも希な構成になっています。ここでは、仏教の全ての宗派が重要視する涅槃図を中心に取り上げました。あわせて国・県・市から重要文化財に指定されている仏画と県下有数の質と量を誇る臨済宗頼久寺の頂相(禅僧の肖像画)を紹介します。ウェブサイトを通じて仏画への理解を深めて頂くと同時に、文化財の保護・保存への関心を深めて頂ければと願っております。
二つ目は「高梁市、南あわじ市公立・小・中高等学校が所有する美術品の調査と保存・修復」である。
吉備国際大学は平成25 年度から文部科学省「地(知)の拠点整備事業」(COC)に「だれもが役割のある活きいきした地域の創造」というテーマで採択されました。本事業は、岡山県高梁市、兵庫県南あわじ市にキャンパスを有する本学が、若年人口の減少や地域経済の 低迷、社会的な弱者の社会参加の困難性などの共通する課題にたいして地域と連携して取り組んでいくものです。
吉備国際大学が多くの学部を有する岡山県高梁市には公立の小・中・高等学校が計31 校、また兵庫県南あわじ市には計25 校あります。これら各学校が所有する美術作品の殆ど全ては、空調設備が完備されていない環境のもとに保管・設置されています。そのまま放置すれ ば当然ながら作品は傷んでいく一方で、いずれはボロボロになり破棄されてしまう運命にあるのが現状です。
平成25 年度に高梁市内の小学校が所蔵する油彩画作品を吉備国際大学の学生と共に調査・修復したのを皮切りに、平成28 年度までに高梁市の作品4 点、南あわじ市の作品4 点、計8 点の作品の修復を完了してきました。
4年に渡り取り組んできた本事業の最終年度として、平成29年度には南あわじ市の小中学校に的を絞り、高梁市の文化財総合研究センターに作品を運ぶことなく現地に赴いてできるかぎりの作品修復を行う試みをいたしました。その結果、計5年間に渡る本事業の作品保存・修復は高梁市の4作品、南あわじ市の13作品、計17作品の修復を完了いたしました。それらの「修復事例」を冊子としてまとめたものを現在まで3回にわたり発行することができました。計5年間のこの取り組みは、公立の小・中・高等学校の作品の保存修復を行ってきましたが、世間一般では作品の価値はその作品の評価額という金銭的価値に重きを置いております。しかし各学校に収蔵されている作品は、その学校の卒業生の作品であったり、あるいはPTAの方々が学校に寄贈した作品でありました。それぞれの学校で学び育った児童生徒にとっては、かけがえのない大きな価値のある作品ばかりでした。このような作品を保存・修復していくことの意義が「地(知)の拠点整備事業」(COC)の取組によって、少しでも皆様にお伝えできれば幸いです。
本学が平成25年度に採択された文部科学省「地(知)の拠点(COC)整備事業」である「だれもが役割のある活きいきした地域の創成」の活動も、本日で5年目の最終日を迎えることになる。
私は「地(知)の拠点整備事業」の補助金申請に中心的に関わり、採択後は地域貢献推進センター長としてこの事業をとりまとめてきた。
この5年間様々な活動を行ってきたが、最後に文化財総合研究センターのCOC事業を紹介したいと思う。
平成25年に本学が「地(知)の拠点整備事業」に採択されたときには文化財学部 文化財保存修復国際協力学科が活発に活動を行っており、その時の記録の一部が学科ブログとしてまだ残っている。
ところがその後、文化財学部が閉鎖されることとなり、COC事業は文化財総合研究センターが引き継いで発展させることになった。
文化財総合研究センターの最終年度の事業として、2つの素晴らしいホームページが公開されたので、是非紹介したいと考えた次第である。
まず一つ目は「高梁の仏画—涅槃図を中心に」である。
吉備国際大学は文部科学省が実施する「地(知)の拠点整備事業」に採択されており、文化財学部ではその一環としてとして涅槃図を中心に高梁市の仏画の所在調査を行いました。本ウェブサイトは、その取組の成果の公開を目的に平成29年3月8日〜3月19日に高梁市歴史美術館市民ギャラリーで開催された「高梁の仏画—涅槃図を中心に」展のために制作された図録をもとに制作しました。
市内には100軒を超える仏教寺院が所在しますが、そのほぼ半数近くが禅宗寺院という特徴があり、しかもそのほとんどが曹洞宗であるという県下でも希な構成になっています。ここでは、仏教の全ての宗派が重要視する涅槃図を中心に取り上げました。あわせて国・県・市から重要文化財に指定されている仏画と県下有数の質と量を誇る臨済宗頼久寺の頂相(禅僧の肖像画)を紹介します。ウェブサイトを通じて仏画への理解を深めて頂くと同時に、文化財の保護・保存への関心を深めて頂ければと願っております。
二つ目は「高梁市、南あわじ市公立・小・中高等学校が所有する美術品の調査と保存・修復」である。
吉備国際大学は平成25 年度から文部科学省「地(知)の拠点整備事業」(COC)に「だれもが役割のある活きいきした地域の創造」というテーマで採択されました。本事業は、岡山県高梁市、兵庫県南あわじ市にキャンパスを有する本学が、若年人口の減少や地域経済の 低迷、社会的な弱者の社会参加の困難性などの共通する課題にたいして地域と連携して取り組んでいくものです。
吉備国際大学が多くの学部を有する岡山県高梁市には公立の小・中・高等学校が計31 校、また兵庫県南あわじ市には計25 校あります。これら各学校が所有する美術作品の殆ど全ては、空調設備が完備されていない環境のもとに保管・設置されています。そのまま放置すれ ば当然ながら作品は傷んでいく一方で、いずれはボロボロになり破棄されてしまう運命にあるのが現状です。
平成25 年度に高梁市内の小学校が所蔵する油彩画作品を吉備国際大学の学生と共に調査・修復したのを皮切りに、平成28 年度までに高梁市の作品4 点、南あわじ市の作品4 点、計8 点の作品の修復を完了してきました。
4年に渡り取り組んできた本事業の最終年度として、平成29年度には南あわじ市の小中学校に的を絞り、高梁市の文化財総合研究センターに作品を運ぶことなく現地に赴いてできるかぎりの作品修復を行う試みをいたしました。その結果、計5年間に渡る本事業の作品保存・修復は高梁市の4作品、南あわじ市の13作品、計17作品の修復を完了いたしました。それらの「修復事例」を冊子としてまとめたものを現在まで3回にわたり発行することができました。計5年間のこの取り組みは、公立の小・中・高等学校の作品の保存修復を行ってきましたが、世間一般では作品の価値はその作品の評価額という金銭的価値に重きを置いております。しかし各学校に収蔵されている作品は、その学校の卒業生の作品であったり、あるいはPTAの方々が学校に寄贈した作品でありました。それぞれの学校で学び育った児童生徒にとっては、かけがえのない大きな価値のある作品ばかりでした。このような作品を保存・修復していくことの意義が「地(知)の拠点整備事業」(COC)の取組によって、少しでも皆様にお伝えできれば幸いです。