河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

利根川 進先生の『私の履歴書』

2013-10-31 | Private
日経の『私の履歴書』に、10月はノーベル賞受賞者の利根川 進先生が寄稿しており、毎日興味深く読ませていただいた。
今日が最終日である。

研究の話はもちろん興味が尽きなかったが、一番心に残ったのが昨日の記事である。

『家族について少し紹介しましょう。』
で始まり、奥様とのなれそめや子どものことを書かれていたのだが、紙面の多くは次男の知(さと)さんのことで占められていた。

『知は、ずば抜けて才能に恵まれた、ミステリアスなところのある子どもでした。

ピアノのコンペティションで勝ってカーネギーホールで演奏するほど、音楽の才能にも恵まれていました。

知は小さい頃からサイエンティストになると決めていて、3人の子どもの中で唯一、私の知っている世界を目指していました。

夏休みにMITの生物物理研究室で働いてみたいと言うので、彼が教授との面接に行ったのです。

「何を目的にこの研究室で働きたいのかと聞かれた」と。
それに対して
「エデュケーション、インスピレーション&ファン」
と答えたというのです。

かなり真剣に研究したようで、後に「セル」という有名な科学誌の論文に共著者として名前が載ることになっているそうです。

科学を志していた知は、残念ながらMIT一年生の時、誰にも何も告げずに、18歳で夭逝してしまいました。

私は宗教を持たない人間ですが、やはり天は禍福を調整したのではないかと。
もしそうなら、ノーベル賞その他の幸運はいらないから、知を返して欲しいと心から思います。』


音楽の才能もあり、高校生で超一流雑誌Cellに共著者として名前が載るなんて信じられないくらいの才能の持ち主だ。
ノーベル賞もいらないと言う言葉に利根川先生の悲しみが深く表れている。
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