植物学者牧野富太郎と妻の嘉衛(すえ)をモデルとしたNHK朝ドラ「らんまん」は、今朝の回で最終回を迎えた。昭和3年の妻の死を直接描かず、ドラマは昭和2年に念願の牧野植物図鑑完成し、その最終ページに牧野博士が仙台で発見して妻の名をつけた「スエコザサ」の図譜を眺めながら、縁側の二人が「永遠の愛」を誓うという大団円で幕を閉じるという後味の良い終わり方だった。牧野図鑑は、もうすこしあとに完成(昭和15年)したので、まさにドラマなのであるが、それはそれでいいと思います。
1862年(文久2年)生まれの博士は、長命で1957年(昭和32年)まで活躍されたお方なので、昭和2年は1927年だから、何とこのドラマの終了から30年も存命したわけで、その間だけでも別のドラマがつくれそうだが、55歳でも美しい?浜辺美波さんと「永遠の愛」を交わした終わりで皆が満足しただろう。若いってとにかくすばらしいのだ。
仙台野草園にその「スエコザサ」の植え込みがあることは前から知っていたが、最終回の記念に今日野草園にいって「スエコザサ」の写真に撮って、そのササの葉に触れてきた。図鑑での説明のとおり、やや細いササの葉は、真ん中から下方にやや折れぎみになっていて葉の表面も裏もほんの少しだけ毛が生えていて他の種と明らかに違うササなのだと納得した。なんでもアズマササという種の変異とかで、仙台以北の東北地方の限られた場所に生えているのだという。
なんだか、これから野草園に行ってスエコザサの区画を通るたびに浜辺さんのお顔立ちが浮かんできそうで、なにやらいい気持ちになるのだろう。ドラマ効果というものだろう。(オマエとの永遠の愛ではない)
葉の表面がすこし産毛のような粒々があります
「らんまん」で気にかけていて、この夏何度も通った矢田部良吉博士(ドラマでは田邊教授)のキレンゲショウマはどうなっているのだろ、と「スエコザサ」を後にして野草園の一画に足を運んだ。
おお咲いているではないか。たしか7月頃から黄色いツボミをつけていて、いつまでも咲かないので、「今年の暑さにやられたかな」とあきらめていたのだが、9月の末になって朝晩涼しくなったら、それを待ち望んでいたように、うつむき加減な美しい黄色の花片を一つ二つを開かせていた。まるで「らんまん」最終回にあわせたような開花であった。「田邊教授よかったですね。」と思わず顔がほころんだ。
牧野の命名になる多くの花も、スエ子のササも、矢田部の花もこの野草園に末永くその命をつないでほしい、と願いを込めながら今日の野草園を後にした。(これが朝ドラ効果というものだろうか)