かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

年の瀬にヴォカリーズを聴いた海を想う

2023-12-31 07:33:55 | 日記

数年前の12月の日曜日だったか。石垣島の東海岸をNHKFM「きらクラ」を聴きながら歩いているとき、あのアメリカのソプラノ歌手アンナ・モッフォが歌うラフマニノフの「ヴォカリーズ」がリクエスト曲として流された。

なにものかに打ちのめされたように立ち止まって、遠い水平線を見ながら、暖かな12月の風に吹かれてこの歌を聴いた。それまであらゆる歌手や演奏でこの小曲を聴いてきたがアンナ・モッフォの歌うのが最良と思いながら、歌が終わってもMCたちの声がすぐには届いてこなかった。それほどの余韻を残した彼女の「ヴォカリーズ」だった。「この歌には海の風がよく似合う。」

 

そういえば、「きらクラ」の後継番組「かけクラ」でも12月に入っ「ヴォカリーズ」が流されたが、キャスリーン・バトルの歌うものだったか、やはりアンナほどしっくりこなかった。

とはいえ、この曲は年の瀬の12月に聞く歌としては最良のものと感じるようになった。リクエストがあるのも年の瀬に聴きたいと思うヒト(多分同世代)が多いのだろう。

もう「第九」のエネルギーは必要としないし、定番として聞いていた「メサイヤ」も今年はNHKBSで一度聞いただけ。

今朝は4時の眼ざめ、聞き逃しでラフマニノフのピアノ協奏曲やチェロソナタを聴いた。ことしは、彼の生誕150年、没後80年のアニーバーサルイヤーだったからだろうか、彼の多くの曲を聴いたような気がするが、歳行けば行くほどますます彼の哀愁が肉体化されていると感じるが、年の瀬はまさにこの歌で極まると言える。こんな感覚は「老の鬱」というものだろうか。

さて、明日は新年。吹っ切れるものが何かあるのだろうか。ニューイヤーコンサートがその触媒となってくれるか。

 

 

 

    

          2017年12月のブログから この頃聞いたのかな

 

 

 

 

 

sarorun kamuy さん提供 アンナ・モッフォの歌うヴォカリーズ

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コールドムーン・13回目の望月に凍えながら

2023-12-28 15:20:26 | 日記

 

「コールドムーン」という言葉は、いかにも寒々しい。12月の、今年最後の満月をいうのだそうだ。正確に日27日の夜に昇ってくる月を「コールドムーン」として名残りの月を愛でるそうだ。

添付のforbes JapanのHPによれば、朔望月(さくぼうげつ)すなわち月の年齢は29.5日であるから、暦によって1年で満月が12回ある年と13回ある年があり、今年2023年の「コールドムーン」は、13回目の月だ。13という数字もなにか寒々しいが、何やら得をしたような気分だ。

その13回目の「コールドムーン」を愛でようと昨夜は9時頃までベランダに出てみたが、いまだ南東の空に現れなかったので、風邪気味なのと酒酔いもあって就寝。

翌朝の4時過ぎに目覚めたので、震えながら外に出てみたら、西の空高く冷たい冷たい「コールドムーン」が虚空に輝いていた。雲も明るい星もなくさみしそうに輝いていた。

13回目の「コールドムーン」は来年は見られない。1月11日まで満月の陽が来ないと13回という周期がこないようだ。再来年のカレンダーをみても13回の月は来ないようだ。

もう2年以上見られない13回目の月だったかと思うと、何だか寒々しい月だと思うともっと名残を惜しみたかったが、氷点下となった朝の寒さゆえ、四五枚撮って家に入った。

年が明けて、新年最初の満月は「ウルフムーン」というのだそうだ。冬の満月に向かって狼たちが遠吠えする光景が浮かんで、なんとも力がみなぎるような呼称だ。

買って来た2024年版「天体観測手帳」をみると、日本では1月26日2時54分だ。タイマーをセットして「ウルフムーン」を仰ぎ見よう。そして、ウルフのパワーをインプットしたいな。

 

    

        2023年12月28日AⅯ5:00 名残りの13回目「コールドムーン」の残照

 

コールドムーン

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年の瀬のモミの木の森で

2023-12-26 17:28:22 | 日記

日曜日NHKFM「×(かける)クラッシック」で、ピアニスト館野泉さんの左手が奏でるシベリウスの「樅の木」が流れていた。

この曲、シベリウスの作品で最もメランコリーな作品で、北欧というより日本的な愁いをたずさえた抒情曲だ。

そんなメロディーを頭に巡らせながら、年の瀬の青葉の森を歩く。なかでも鈎取地区はモミの大木が多く、樹齢は二百年を優に超えているものもありそうな巨木が繁っている。冬のモミの森は、あるいは北欧のような雪を頂いた姿が似合うのだろう。当地では、先週積もった雪がすっかり消えている。

 

     

 

     

 

広葉樹はすっかり葉を落とし、目に映るのはエバーグリーンのモミやマツたちだ。

色を落とした広葉樹の木立にわずかだが、イイギリの真っ赤な実がいまだ房をたわわに垂れている。

あまりおいしくないのか、カラたちはやってこないようだが、何でも屋のヒヨドリくんたちがにぎやかにその赤い実をうれしそうにひと粒ずつついばんでいた。

厳冬を迎えてもたくさんの実をつけているから、ヒヨドリたちは食うに困らないだろう。

     

 

     

 

 

広葉樹の森の入り口で、群れで枝を飛び交うグループがいた。

カメラでようやく確認された姿かたちから、冬鳥として渡来するアトリさんたちだとわかる。彼らはどんな木の実を食べているんだろう。写っていたのは♀のほうだ。

      

 

雪のあまりふらないこの地方では、まだまだ十分すぎるエサを確保できるのだろう。アトリ以外の冬鳥たちはもうやって来ているのだろうか。

森の看板には、ジョウビタキ、ツグミ、アオジ、マヒワ、カシラダカ、ヒガラ、コガラ、キクイタダキなどが案内されているが、前にミヤマホオジロも来ているよ教えてくれたバードウォッチャーがいたので足繁く通いたい。

クリスマスも過ぎたというのに、わがザックにはいまだクマ鈴が取り付けられていて、静かな冬の森にチリンチリンと澄んだ音を響かせる。場違いかもしれないが、今年は特別にオッカナイ年だったので、尾をひいている。

クマさんたちは、もう冬眠穴で眠りについたのだろうか。クマ鈴が彼らの眠りを誘うヒーリング音になってくれればと願うばかりだ。

腹ペコのクマさんたち、よいお年を!

 

   

 

 

      

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野鳥たちの知能について

2023-12-25 17:51:59 | 日記

買い物帰りに、一羽のカラスが道の真ん中にいて、向こうからやってくる車を避けようとピョンピョンと跳ねながら路肩に向かい、その場所に立ち止まって過ぎ去る車を見ているカラスくんに出会った。

何をしているんだろうと見ていたら、路上に1個の黒いオニグルミの実が放置されていた。

「はは~ん、またやってるな。」とすぐに状況を把握した。近所の森のカラスくんたちのこの行動は、これまでに何度か目撃している。

カラスくんは、自分の力で割ることができないかたい殻をもったクルミの実をどこからかクチバシにくわえて来て、車が走ってくる路上にその実を放置し、車のタイヤの力を借りてクルミの殻を割ってもらおうとしているのだ。

野鳥の知能は様々だというが、カラスは野鳥の中でもトップクラスだと言われ、ヒトにしたら7歳の子供程度だとのことであるが、はたして今の都会に暮らす子供たちにそのような術でクルミの殻らを割ることができるのだろうか。あるいは、大きな石を落として殻を割ろうとすることはできるかもしれないが、自分ではできないことを他人、それもおそろしいヒトの運転する車に依存して目的を遂げようとする知能は、7歳の子供レベルでは思い浮かばないのかもしれない。

野鳥の知能は脳の大きさと体重との相関関係にあるそうだが、それに関した計算式を当てはめればカラスが7歳なのに対してスズメは2歳程度なのだという。果たしてそうなのだろうか。スズメとほぼ同じ大きさのカラ系のシジュウカラやヤマガラたちは「言葉」を話して、さまざまなコミュニケーションをとっているという研究結果もあり、毎日ベランダに遊びに来ている(というよりは、時々撒いてやる玄米目当てにやってくる)スズメたちを観察していると、彼らも何かを「オシャベリ」しているようだし、常に周囲を気にして危険から身を守ろうとする所作はとてもヒトの2歳の行動様式には思えない。

冬にベランダに米を撒いて彼らの食事行動を観察していると、ときどき不思議な光景に出会う。10羽ほどやってくる冬の仲間たちが8割方米をたべているころ、誰かが危険を察知したようなしぐさで飛びたつと、残りの仲間も一斉に飛びたちお米は少しだけ残される。

はじめ、お腹がいっぱいになったから後で食べようと飛んでいくかと思っていた。

だが、カラ系の野鳥研究者がTVで話されていたカラ系の仲間のある行動のことを思い出した。

それは、集団でえさをついばんでいるとき、ある個体が「天敵が近づいている!」とニセ情報を仲間に知らせ、仲間がみんな逃げ去るのを待ってから、残ったエサを独占するという行動をとっていたそうだ。

もしかしたら、ベランダにやってくるスズメたちにもこのようなずる賢い個体がいて、米が残り少なくなる頃合いに、何者かに襲われるようにわざと飛んで、それにつられて仲間が逃げた後に、こっそりまたやってきて残りの米を独占しようとしているのかもしれない。

残った米は1時間も経たぬ間にすっかりなくなっているのも分かっているし、それを食べに来るのは少数の個体であることも、あるいはカラ系にみられる高等戦術と同レベルの行動もスズメたちがやっているのかもしれない。

もしそうだとすれば、スズメにも個体差もあるだろうが、とてもヒトの2歳児のずる賢さではない。野鳥たちには、人知の及ばない高レベルの知能が備わっているのだろうか。

 

 

 

    

 いつもやってくるスズメ君たちの一羽。理知的な表情をしているので、ずる賢いのはこの子かもしれない。それにしても丸々としているなと思うが、スズメは冬になると羽根の間に空気を入れた防寒着の着ぶくれスタイルになるということだ。誰に教わるのだろう。

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クリスマスソングを英語で歌おう

2023-12-21 18:50:18 | 日記

この時季讃美歌もいいけど、クリスマスソングっていい歌多いよね。YouTubeからオルゴールやピアノのメドレーを選択して寝ながら聞けば、いい夢も見れるかもしれない。

2年前から朝ドラの影響でラジオの基礎英語を聞いて朝を迎えることが日課になったが、今日の「基礎英語レベル2」のエンデイングで講師スタッフさんたちが「ホワイトクリスマス」を歌ってくれていた。なんて素敵な歌なんだろう「ホワイトクリスマス」って。

歌詞がよく聞きとれなかったのでYouTubeを開いて「ホワイトクリスマス」と検索したら、出てくるわ出てくるわ、世界中のYouTuberさんたちが素敵な動画をアップしてくれている。

下に貼り付けたYANNIEさんの動画で、まず歌詞の意味、発音を学んでからビングクロスビーになりきって歌ってみたり、ゴスペル調の演奏で歌い手と合唱したりしてみる。

気づいたんだが、クリスマスソングって子供たちも歌うもんだから、比較的優しい歌詞で作られている者が多いような気がする。英語の学びなおしにぴったりである。

もうすぐクリスマスか。基礎英語の中学生たちの会話やこうしたクリスマスソングの動画たちが「幼児のころの一瞬抱いたクリスマスの夢見ごこち」を何やらよみがえらせてくれる。お酒を飲んだ時のようないい気分だ。

この1週間、ノートパソコンのモニターくんとお見合いしながら声を出して歌って、老いのさみしさを少しでも忘れよう。

 

8823macaronさんのYouTubeから ビング・クロスビーが歌うホワイトアルバム

peace of mind さんのYouTubeから ゴスペル調のホワイトアルバム

 

YANNIEさんのYouTubeから 発音レッスン

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