2019年から歩きだした蔵王古道。
宮城の遠刈田温泉刈田峰神社(約360m)から刈田岳山頂の刈田峰神社(1757.8m)までの「宮城蔵王古道」と、山形の宝沢集落蔵王大権現(約500m)から熊野岳熊野神社(1841m)の「山形蔵王古道」、いずれも「蔵王権現様」が祀られていて、奈良の熊野、吉野と通じるいにしえの信仰の道。
各古道とも、標高差が1300m程度であるが、山形側は、ドッコ沼を過ぎると広大なスキー場に古道が飲み込まれ少々シラケるし、かたや宮城側は、刈田岳の直下まで蔵王エコーラインと並行する道で、ときおりバイクや車の騒音を聴くなど、どちらもいささか趣にかける面があるが、しかしこの時代になっても古人(と言っても江戸から戦前までと比較的新しいが)が歩いたという小道が、土地の有志によって整備、復活されていることに感激し、オイラは毎年、宮城古道、山形古道どちらも完踏することにしている。
といっても、山形側から1日で熊野岳に達し、遠刈田に下るのは今のオイラの体力では無理筋で、昨年はドッコ沼から蔵王温泉に下って一泊、翌日始発(8:30)の蔵王ロープウェイで地蔵岳(1700m)に一気に到達するという文明の利器のお世話になり、晴れた1日労せずして熊野岳~刈田岳経由で遠刈田温泉に下りて、高速バスで家路についた。
また、数日後、今度は遠刈田のホテルに前泊し、翌日夜明けと同時にスタートし、その日のうちに熊野岳経由で蔵王温泉余裕で下り、山形経由のバスを繋いで家路についている。
遠刈田温泉と蔵王温泉、いずれも下山後の湯とビールも楽しめ、信仰はともかくも、お気に入りのコースとなっている。
今年も、先に遠刈田温泉の素泊まり宿を予約したが、山形県が例のGO TOキャンペーンの地方版をやってくれているとのことで、宮城をキャンセルし、昨年同様蔵王温泉の宿を予約し、山形古道ドッコ沼~蔵王温泉(泊)~ロープウェイ~遠刈田温泉という、二日間コースを選択した。
昨年と同じ宿が半額になり、さらに1泊2000円の「地域限定クーポン」までいただけるということで、ロープウェイ代金が丸々無料となりおつりがくるというのだから、もう飛びつかないわけにはいかなかった。
と、期待はここまで、その宿にあす、あさっての古道歩きのために予約していたが、・・・・何と天気予報は最悪ではないか。(愕然)
明日は、登山者が忌み嫌う「二つ玉低気圧が」が西日本から近づいてきて、さらに大陸から寒気も流れているということで冷たい雨模様(愕然)
さらに、翌日は☀マークとなっているものの、アプリ「登山天気」の情報では、明日、あさってとも山頂付近は暴風並みの風速20m前後の風。ロープウェイも運航中止となる予想。(愕然)
ということで、人間欲を出せば、なにかしら負のご褒美をいただくのが世の常。まあ、キャンセル料払うのもなんだから、とりあえず行ってみよう。雨の露天もまたよし。昼前から雨だという。もう1日目の山形古道はおおかたあきらめていて、2日目の蔵王越えもあきらめて、山形古道を下りながら山菜とりでもして山形蕎麦いただいて帰ろかか・・など信仰とは縁遠いBプラン・Cプランを考えている。
水無月初日、オイラにとっては、暗雲たれこめる夏山シーズンの始まりとなりそうだが、改めて梅雨入り前の穏やかな日を狙って、古道完踏と行こう。欲はほどほどに・・ね。
蔵王権現様、欲深をお許しください…いい天気を!(合掌)