中島みゆきさんが、最後のツァー(地方公演)と位置付けた「中島みゆき2020 ラスト・ツァー 結果オーライ」の2月大阪公演は、中一日の休演を挟んでの3日間行われる予定であったが、初日に開催されたところで、その後の2公演はコロナウィルスによる国の自粛要請を受けて中止となった。3月の愛知での2公演も中止となっている。公演中止は、1月の東京からはじまって、6月の東京で終わる全24公演のうち、8公演目まで開催ところで突然アナウンスされたのである。今の状況からすると、あるいは6月までのすべての公演が困難となる可能性もある。
オイラは、その大阪公演の初日に参加することができた。たしか、水・金・土曜日の3日間のうち水曜日が倍率が低いからだろうとの理由から、第一希望に応募して運よく当たったので、大阪まで出かけたのである。大阪を選んだ理由は、飛行機のマイルがたまっていたので、「タダで」大阪に行きつくことができること、年に一度は奈良や京都の「古寺巡礼」や「観仏三昧」を行いたいこと、なのである。
大阪に出かける前から、コンサート開始時刻まで、みゆきさんのオフィシャルサイトを何べんも開いては、「中止になっていないか」と恐る恐る確認した。幸いに水曜日の公演は、「開催します。コロナの関係で来れない方にはチケット代金を返金します。」とのことだったので、ホッとして会場の席に着くことができた。
今にして思えば、当日午後、政府からコンサート等の自粛要請が出たばかりであり、大阪ドームで予定されていたEXILEの公演が開園3時間前に突然中止されてもおり、みゆきさんのコンサートも中止にされてもよかったが、「なにかしらかの不可思議なちから」が当夜に働いたものと信じざるを得ない。というよりも、そう信じることにする。
ただし、その後の中止によって、楽しみをしていた他のヒトビトや、オイラのせいで抽選に外れたヒト、もしかしたらその後の中止公演に当たっていた「別のオイラ」の落胆を思うと、おのれの幸運ばかり他言してはいいのかと、喜んでばかりもいられない。
公演の後半で、みゆきさんがこのように語ったように記憶している。(正確ではないだろうが)
「 このような状況になると、ヒトを押しのけても、自分だけ生き延びようとするヒトも現れます。
一方、自分はいいからと遠慮し、利益を他人に譲ることばかり考えて、自分が犠牲なってしまうような
人も現れます。どうか皆さま、他の人のことも思いやりながら、与えられた命を大切してください。
また元気でお会いしましょう。」
目頭が熱くなった。現代の観音様だと思った。
コンサート最初に歌った唄、「一期一会」で、出会いの不可思議さを教えられた。
コンサートラストに歌った唄、「誕生」で、生きる貴さと喜びをあらためて教えられた。
アンコールを締めくくった唄、「はじめまして」で、かけがえのない時間ということを教えられ、
帰途についた。
「 はじめまして 明日
はじめまして 明日
あんたと 一度つきあわせてよ (^^♪ 」
Sokoさんの素晴らしい弾き語りcover発見(Youtube)
フェスティバルホールをあとにする結果オーライのヒトビト
昼間立ち寄った奈良公園の国立博物館も、翌日から休館となった。自分の意思ではどうにもならない、きっと、何かの力が働いている。結果は、 all right だ。
中島みゆき 2020ラスト・ツァー結果オーライで、みゆきさんが歌った唄
① 一期一会 ~ I Love You 答えてくれ / 十二単~Singles4~(2007)
② アザミ嬢のララバイ ~ 私の声が聞こえますか /Shingles /元気ですか(1976)
③ 悪女 ~ 寒水魚 / Shingles / 大吟醸 (1982)
④ 浅い眠り ~ EAST ASIA / ShinglesⅡ (1992)
⑤ 糸 ~ EAST ASIA / 大銀幕 / Shingles2000 / 元気ですか(1992)
⑥ ローリング ~ 中島みゆき (1988)
⑦ 流星 ~ LOVE 0R NOTHING(1994)
⑧ 最後の女神 ~ 大吟醸 / SinglesⅡ(1994)
⑨ 齢寿天任せ(よわいことぶきそらまかせ) ~ CONTRALTO (2020)
(休憩)
⑩ 離郷の歌 ~ CONTRALTO (2020)
⑪ この世に二人だけ ~ 予感 / いまのきもち (1983)
⑫ ナイトキャップ・スペシャル ~ 恋文 (2003)
⑬ 宙船 (そらふね) ~ ララバイSINGER (2006)
⑭ あたいの夏休み ~ 36.5℃ / Singles (1986)
⑮ 麦の唄 ~ 問題集 / 前途 (2014)
⑯ 永遠に嘘をついてくれ ~ パラダイス・カフェ(1996)
⑰ 慕情 ~ 相聞(2017)
⑱ 誕生 ~ EAST ASIA / SinglesⅡ / 大吟醸 (1992)
【Encore】
⑲ 人生の素人 ~ 相聞 (2017)
⑳ 土用波 ~ 中島みゆき / いまのきもち (1988)
㉑ はじめまして ~ はじめまして / いまのきもち (1984)
45年間という地層の断面を見る思いだったが、浅い眠り・ローリング・流星・宙船(そらふね)・あたいの夏休み・永遠に嘘をついてくれ・土用波、そして、はじめまして と、サビにパンチを効かせた、元気をいだたく応援歌がちりばめられていたようだ。みゆきさんは、フォークシンガーというよりロックンローラーだ。
帰りの飛行機の窓から、南アルプスの白い高峰。右から聖、赤石、荒川三山か、心が洗われた!
今年は、行くぜよ!