駅前のTOHOで、いま封切り中の東宝映画「ゴジラ-1.0」を見てくる。ゴジラくん1954年のご誕生だからカゾエ70歳になるのか。オイラと同世代だ。
劇場でのゴジラ鑑賞は子供のころの、いわば少年向け的娯楽作品(モスラ対ゴジラなど)以来途絶えていたが、いい歳となってからは、CG化され大人向けエンターテインメント傾向となって来た1998年のハリウッド版[GODZILLA」や2016年「シン・ゴジラ」を鑑賞するようになり、今回も、もういいジジイとなったのだが、同世代のゴジラくんに誘われるように劇場を訪れる。
ほとんど予習せず映画館に飛び込んだもので、あれれ、主演男優神木隆之介さん、主演女優浜辺美波さん、と、こないだまで毎日お見かけした朝ドラ「らんまん」コンビではないか。そのうえ、取り巻き役者さんたちはNHK大河「麒麟が来る」の佐々木蔵之介さん、同じく大河「鎌倉殿の13人」の青木崇高さん、同じく大河「どうする家康」の山田裕貴さん、いまBSで楽しんでいる2017年朝ドラ「まんぷく」の安藤サクラさん、NHKドラマの金田一君の吉岡秀隆さんなど、すべてここ数年内に目の当たりにしたNHKドラマファミリーばかりではありませんか。なんか、アットホーム感だが、日本の役者って少ないのかな。(個人的感想ですが、浜辺美波さんは、素朴で愛らしい顔立ち、折れそうなほど華奢、でも内奥の強靭なところが大好きです。「らんまんのスエ子」以上にファンになりました。追っかけそうです。)
まあそれはそれとして、みなさん演技派だからゴジラ映画の役になり切って迫力の演技をしてくれていたので違和感がなかったが・・・どうも吉岡さんだけは髪型といいい、この映画監督山崎貴さんの出世作「三丁目の夕日」の芥川竜之介先生のイメージをぬぐえなかったので、少しだけ違和感あり。
まあそれはそれとして、ネタバレになるからあらすじは省略するが、この映画の表題については、米軍に破壊されつくした日本をゴジラがさらに破壊するものだから「無から負へ」なので、それで「-1」だったのかと納得した。が、もう一方のキャチコピーは、「生きて、抗え。」だ。どうやら、こちらが真のテーマだったようだ。
制作者は、かつての日本軍ように「陛下のために命を捧げ軍神となるという特攻精神」や、賢治さんのグスコーブドリのような「冷害に襲われた農民を救うための自己犠牲」という「美しい日本精神」を超克したかったのだろう。
この映画のメッセージは「戦え、そして生きて戻れ」だった。
ラストシーン涙流したね、ジジイらしくもなく。
そして米国の核実験によって生まれた70歳のゴジラくん、これまで観たゴジラの中で一番迫力があり怖かっよ。抗った日本国民の有志により、いつものように、ひとまず終わりを迎えたが・・・・・・まだまだ人類の手から核廃絶がなされない限り、出てくるのだろう。そして、東電が汚染水を海洋に垂れ流している間は、ゴジラは日本をめがけてくるのだろう。
今までのゴジラより泣けた映画だった。
またどなたかいい作品を作ってくれたら・・・また性懲りもなく劇場に出かけるのだろうな。ゴジラ愛。
追記 エンディングテーマに盛られた伊福部さんのオリジナルゴジラ、いまも輝いています。
Youtuberさんの動画挿入させていただきます