最低気温は4℃をきった。あと3日もすると師走である。青葉山は、有終の美を迎えようとしている。ハウチワカエデ、コハウチワカエデ、イタヤカエデ、イロハカエデ(モミジ)の葉たちが、最後の輝きを見せている。
北国とはいえ、太平洋側に位置するため、根雪にはならず、何度か降雪があるものの、降っては融け、融けては降りを繰り返し、やがて、3月ともなると、マンサクの控えめな黄花が森に滲み出すのだろう。偽かけの沈黙世界から脱するように、木の芽や草の芽、虫の卵が陽に照らされて踊りだし、それを目当てに、また小鳥たちも歌いだすのだろう。
年を重ねるごとに、季節の循環が短くなるのは、「ときめき」がないからだとか。この年、春から夏にかけては遠く長い時間だったような気はするが、それは、それなりに旅をしていたからだろう。輪行や山旅。が、11月は、旅から離れて、日々モミジの葉を覚えたり、北国からの来客の名を確かめたり、「ルーティンワーク」の日々が続いた。そのため、冬が、年の瀬があっという間に訪れたようだ。これではいけないのだ。気を入れなおそう。
12月は、初頭の岩手・賢治の旅からはじまって、10日になると「18きっぷ」の世界がやってくる。銀世界が恋しくなったので、この冬は、津軽や、男鹿といったみちのくの未知数世界も歩いてみようか。もちろん湯けむりスポットを欠かさずにいれてと。春や夏ならば輪行とテントなのだが、さてと、雪国はどうする?地吹雪ウォーキングと湯治場か。雪道のどこをどれぐらい歩けるか。ああだこうだと、計画するだけでたのしみなのである。ホワイトアウトとなって野垂れ死にだけはすまい。
有終の美