かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

遅い秋

2024-11-27 17:29:33 | 日記
もう30年以上前の和歌山県田辺在住時、たしか12月の初めだつたか、山奥の湯の峰温泉に車で移動する際、あざやかに色づいた山肌を目のあたりにして、目を疑った記憶がある。それまで長年住んでいた北国は12月ともなれば、すでに落葉樹はすっかり葉を落とし、小雪も舞いはじめる頃合なので、「さすが南紀、秋が遅いよな」と改めて南国に住んでいるという自覚を覚えた。
2024年、いまその北国にまた住んでいて、もうあと三日もすれば12月だというのに、今朝市内の公園を歩いたら、モミジ、カエデ、イチョウなど秋色の主役たちが色鮮やかに錦を織りなしているではないか!
北緯38度のこの地方も、とうとう南の国の一角を占めるようになったか。
秋が遅いの正しいことなのか。この地方も、いずれは南紀のような照葉樹林帯になってしまうのか、少し高いところに登ったり、内奥にたどり着かないと秋の彩りに巡り逢えないのか、そこまでは生きていたくないな。










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青葉の森・晩秋の捧げもの

2024-11-22 18:27:04 | 日記

通い続けている青葉の森も2024年の晩秋を迎えた。

 

昨年秋から、キノコたちとの出会いを求めることで地上に眼をやりすぎて、空を仰いで樹々の色づきを愛でる風流はどこかに行った感がするが、キノコは木の子、冬を前にした樹々の子供たちに好感を抱いてもいいのかもしれない。

 

古い切り株に数えられないほど「なめこ」の幼菌がきらめいていた。きらきらとまん丸かさが輝いてまるで宝石だ。切り株にびっしり生えていたが、、三分の一ほどをいただいて帰ったが、。それでもボウル二杯をみたすほど数えきれない数が収穫できた。

 

 

 

半分は、今週の朝のナメコの味噌汁用に、半分は冷凍保存して後の楽しみとした。天然ナメコの幼菌のぬめり様は市場のものと比較にならぬほどで、まったく癖もなく、あらためて山に感謝したい。

 

昨年より、少し遅いのかもしれないが、昨年生えていた場所に美しい薄紫のムラサキシメジが生えていた。この菌は一定個所に縦に群生するという習性があるようだが、この場所は小群生という具合なので、群生の半分以下、10本ほどいただいて帰る。独特の「埃り臭さ」で敬遠する向きもあるようだが、西洋では人気の菌種だとかで、西洋料理に向くということで、ネットで学習して、オリーブオイルやバターでよく炒めパスタやピクルスにしてみたら確かにうなずける食感で、敬遠するほどではない。

 

落ち葉色の地上に美しいうす紫色のムラサキシメジ

 

 

ちいさな「スギエダダケ」は、小さいがなかなかの食感で、パスタなら柄も一緒にいためる。汁の実ならカサだけでいただきたい。ムラサキシメジの半分は冷凍保存。今度はクリームシチューの具材にしてみようか。

 

 

パスタにはこの日収穫した「スギエダタケ」、「クリタケ」、「ハタケシメジ」、「ムキタケ」などもいれて秋山の豊潤を寿いだ。

 

クリタケ。こんなにかさが開いても虫に食われていなければおししいままです。

ハタケシメジ 初めてだが抜群にうまい

オリーブオイルとバター、マヨネーズ、白ワイン、塩コショウなどでいよいよ豊かなキノコパスタの味に。黒いのはナス。チタケ汁だけではなく、キノコパスタにもいい活躍をしてくれる秋ナス君。

 

 

 

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野の花のように生きた男たちに哀悼の意をささげます

2024-11-20 18:46:42 | 日記

今日の正午すぎ、晩秋のキノコたちとの出会いを求めて青葉の森の乾いた尾根筋を歩いていた。山にいても電波の届くところで、入ってきたニュースをスマホで確認する癖がある。

画面の導入部、最近入ったニュースやメールのテキストが数行みられるが、「火野正平・・・」のテキストに気が付いて、何だろうと気にしながらyahooニュースを開く。

「腰の不調で体調を崩していた火野正平さん(75)、11月14日逝去。」の報。わが目を疑った。外傷が癒えて、てっきり来春からはNHKBSの「こころ旅」に元気な姿で登場してくるものと信じていた。

何かの間違いかと思ったが、NHKプラスの昼のニュースを見て、中山果奈アナウンサーのアナウンスと火野さんの映像を確認して、「あ、ほんとなんだ」と落胆した。なにかこう、こみ上げてきた。

少し齢は離れているが、同世代であることは間違いないし、春と秋に繰り出される視聴者からのお手紙によって誘われる全国各地の自転車旅のユーモアとペーソスに、この14年間、あるいは一緒に笑い、あるいは一緒に泣いた。

今朝は、朝刊で詩人の谷川俊太郎さんの訃報に接したばかり。まあ、谷川さんは大往生といっていいが、火野さんの場合は、同世代であるからにして、「今日の火野さん、明日は我が身」を実感せざるを得ない、行ってみれば突然死に近いのでショックの度合いが異なる。

でも、今から見れば、晩年の火野さん、NHKのこころ旅によって、あるいは、幸福に人生を終結させることができたのではないだろうか。14年間、全国津々浦々、市井の名もない人たちと出会って笑い、うまいものをみんなで食べ、お手紙のタイムマシンによって千を超える他者との人生を共有できたのだから。

そして、視聴者のわれわれも、番組を通してほんの一部ではあろうが火野さんと時間を共有し幸福感を味わった。

火野さんにはありがとうと言いたいし、幸福な番組を作り上げてきたスタッフにもお礼を言いたい。2024年秋の旅は、代役たちがつつがなく旅してくれているので、どうか最後までやり遂げてほしいし、できれば2011年からの全放映分を何らかの機会に再放送してほしい。NHKさまへ。

ああ、2024年こう来たか・・・火野さんも、谷川さんも、今年の夏はるかカラコルムK2峰で命を落とした中島健郎さんも平出和也さんも野の花のように天真爛漫にこの世を生き抜いた生きた男たち。あこがれずにはいられない。

今日、青葉の森で写してきた野の花を手向けて哀悼をささげるとともに、今宵、今日録画した「こころ旅蔵出しスペシャル202211月佐賀県」と中島さんが登場している「地球トラベラー錦秋の劔岳 撮影日誌」を観ながら酔いつぶれて眠ろう。

その前に、谷川さんの作詞した「死んだ男の残したものは」を聴いて・・・・

小室等さんの歌う、谷川俊太郎作詞・武満徹作曲「死んだ男の残したものは」

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乳頭温泉への道すじ、スマホをかざす懐かしい山々

2024-11-19 10:00:57 | 日記

週末の金曜日、大人の休日パス最終日は、やはりというか、おきまりのと言っていいか、田沢湖温泉を日帰りの乳頭温泉行とした。

当日は、露天風呂が気に入って、このところ連続して入湯している「蟹場温泉・がにばおんせん」としばらくぶりの「休暇村乳頭温泉郷」を訪問。

「休暇村」の湯は、かつてトレランをやっていたころ秋田駒の笹森山から乳頭温泉までのブナの森の気持ちのいいほど緩やかなくだり道を駆けおりて、バス時刻に間に合わせるため忙しく大浴場に入った記憶があるが、ゆっくり入湯したのは初めてだった。

ぬるめの炭酸水素泉とやや熱い単純硫黄泉、そして同じ硫黄泉のブナ林に囲まれた気持ちの良い露天風呂が設けられていて、とくに炭酸水素戦泉はあまりにも肌になじみ気持ちよく、時間が許せばいつまでも入っていたくなるような湯であった。もしかしたら、乳頭温泉中ベストなのかもしれない。(現在休暇村の湯は建物の三階にあるが、どうも過去に入った大浴場のイメージと異なるので、あるいはこの十〇年の間に改装されたのかもしれない。ホームページには「近年リニューアルされた」とある。)

乳頭温泉、これで七湯、すなわち「鶴の湯」、「蟹場温泉」、「大釜温泉」、「妙の湯」、「休暇村」、「孫六の湯」、「黒湯温泉」とすべて体感したが、今後も大人の休日パス専属温泉エリアとして季節を変えて年に一、二度訪問するのだろうが、「ミシュラン何とか」に選出されたとか、今年になってインバウンドのヒトビトが目立つようになった。

まあ、オイラはいつも日帰りだからあまり気にしないが、静かな湯がいつまで続くか心配である。(「鶴の湯」は日本人だけで混雑していて落ち着いては入れないので、最近は敬遠しているが、ほかの湯も混雑してくるのでは・・)

この日も、乳頭温泉への道すじ、車内から盛岡近郊の南昌山、田沢湖駅前から和賀岳の山並み、乳頭温泉から秋田駒(男女岳と男岳)が見えたので、すかさずスマホをかざした。

あれら山々に登って、ふもとの温泉で汗ばんだ体を流し、疲れをいやしてから帰途につくといった日々を思い出す。今は山は眺めるだけにして、湯にだけ入るのが旅の目的となってきた。

廃れるのはまだ早い、と自分に言い聞かせてはいるが・・・

 

コロナのころ、「おでっせ岩手」なるクーポン券もらって、ふもとの矢巾温泉に二泊もして登った賢治さんの大好きなとんがり山の南昌山。直登コース、きびしかったぜ!

 

 

八戸在住時代に高下(こうげ)川からと薬師岳側から二度登った和賀岳は、盛岡近郊の鶯宿温泉などに入って帰ったな。

 

 

つい十数年前はあの山頂から乳頭温泉に走って下る元気があった・・・

 

 

 

 

 

 

 

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旅の日は、山菜そばときのこ汁で過ごす

2024-11-17 19:03:57 | 日記

大人の休日4日目は、中休み?のつもりで、今年になって覚えた「チタケ汁」の味を求め宇都宮にゆく。

栃木県民が「チタケ」と呼んでいるベニタケ科の「チチタケ」は、何も栃木県にだけ生えているわけではなく、わが県の近隣の山にも9月頃に地面から茶色の饅頭型のカサをのぞかせており、二本指で柄を地面からゆっくり抜くとカサの表面やヒダに細かな白い乳を吹き出してくるので、すぐにこのキノコと判別できる。

 

           

 

この「チチタケ」が、栃木県民だけが郷土料理としてこよなく愛するという話は、昨年あたりからキノコに興味をもってから知ったのであり、悲しいかなわが郷土はこのキノコを好んで採取し料理にする伝統がなかった。

そんなこの年になるまでなじみのないキノコだったが、この秋、二度ほど採取した「チチタケ」をネットなどの情報をもとに自己流に汁にして食べてみてその出汁の風味を覚え、10月になってから本場の宇都宮に行き、専門店の「チタケ蕎麦・うどん」をいただいて、その味の良さを堪能したわけである。

栃木では、そばやうどんをつけ麺のように熱い汁につけて食べるのが流儀のようで、食感がいまいちのチチタケの本体をナスと炒めた濃い目の甘辛い醬油味のチタケ汁は、つるっとしたナスの食感と濃い目の汁につけた麺、とくにやや太い讃岐風のうどんによく絡んで格別の味だった。

そしてこの度、宇都宮市内のとある蕎麦屋風居酒屋に「チタケ汁」という紅いのぼりがはためいていたので、つけ麺風のそばやうどんではなくのぼりに従って「チタケ汁」だけ単品で注文した。(他に生ビールと餃子を注文しているが)

が、このオーダーは失敗だった。あまりに濃くてつけ麺のつけ汁そのものだった。メニューにあるそばも注文すればよかったが、800円と高価だったため塩分過剰摂取を覚悟して全部飲み干した。なお、この店の汁はチタケの出汁は出ていたが、ナスが前回の店と比較し細切りだったため食べごたえがなく、それもつまらなかった。前回の店はナスを三分の一程度に厚く切ったものがしっかり油とチタケの味が染みていたのでナスのうまみを十分堪能できた。やはり、チタケ汁はナスが準主役でなければならないと思った。

 

 

 

宇都宮の、このチタケ汁のほか、前日までの二日間で、オイラは、燕温泉の食堂で「キノコ汁」をいただき、越後湯沢駅構内と新幹線長野駅のプラットフォームで、立ち食いの「山菜そば」をいただいた。

「キノコ汁」は、ナラタケ・ナメコ・クリタケ・ヒラタケ・ムキタケなどが沢山入った豚汁であったが、味が濃くご飯が(あるいは日本酒)欲しいと思った。(湯に入る前だったため遠慮)

 

 

    

 

新潟も長野も比較的に立ちそばの蕎麦は上等で、とくに越後湯沢駅の「山菜そば」は、これまでいただいた中で格別にうまいなと思った。

 

旅の日は、「山菜そば」に「きのこ汁」、そしてときどき「カレー南蛮そば」。これがただ今のオイラの志向であるが、チチタケをはじめとするキノコ汁の味は自分でも再現できると、ひそかに思っている。

「チチタケ」は冷凍保存をすれば、1年は楽しめるという。冷凍庫は狭いが、来年以降チチタケだけは、自分で採取し、冷凍保存し、自分で栃木の味を再現してみよう。やればできそうだ。ナスさえあれば。

 

 

越後湯沢駅構内の「山菜そば」に生卵トッピング。麺の感触はピカ一だった。

 

 

長野駅新幹線ホームの山菜そば、面が太くうまかったが待ち時間が短く早食いになった。

 

 

 

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