かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

春夏秋冬 Bach で事足りるのではないだろうか

2020-06-30 05:14:34 | 日記

何気なく、読書のBGMにバッハを流したくて、Youtubeの「バッハのピアノ曲」を選択したら、聞き覚えのある「舞曲」が流れていた。どこかのキリスト教団体作成による作品と思われるが、誰の奏でるピアノか分からなかったが、ゆっくりとしたテンポにあわせるかのように鮮やかな紅葉に彩られたヨーロッパの森か公園の写真が次々と映し出され、オイラは読書よりも、そちらの映像をしげしげと見入っていた。

映し出される秋の彩りとさみしさに、あまりにも、その「舞曲」がとけこんで、すこし涙ぐむほどになってしまったが、どうしてBachの音楽というものは、こうも自然の風景とマッチするのだろうと、いまさらながら、そのような気持ちになった。

ネットの便利さに救われて、聴いたことのある「舞曲」は、ほどなくバッハの「フランス組曲4番の冒頭のアルマンド」だと分かったので、読書をやめて、Youtubeからいろいろなピアニストの弾くフランス組曲を引っ張り出して、それらを聴きながら、野草園などで撮った花の写真の整理作業にきりかえた。

なぜ、バッハ(J.S.Bach)は、こうも自然の風景になじむのか。

バッハの音楽は、太陽の運行や、地球の自転、時間の推移によってもたらされる自然のあらゆる事象、それを森羅万象という四字熟語で言ってもいいが、そのような宇宙の事象によってもたされる四季の変化とあらゆる生命体の盛衰、これらにヒトが受ける感受性、それを喜怒哀楽という四字熟語で表わしてもいいが、そんな感情が網羅されているような気がしてならない。いわば、はかなく移ろうものへの共感という感受性。

バッハは、宗教家でもあったので、「死と復活」や「愛」いうキリスト教の根本理念を、ひたすら古典音楽の粋をあつめた「音」で追及した作家にちがいない。。そのような「音」だからこそ、キリスト教徒であれ、仏教徒であれ、はかない物への共感と再生への希求という何らかの宗教心を抱き、自然を貴ぶものにとっては、心を打つのにちがいない。

敬愛する日本生まれのピアニスト内田光子さんは、

――もし、離れ島へ行くとすれば持っていくレコードはバッハです。(1989年3月毎日新聞)

とお話になったということだが、僭越だが、オイラもあやかって、

― もし、森に持っていくとすれば持っていく音源はバッハです。

といってもいいのではないだろうか。(遠くの方で、シューベルトさんやモーツァルトさんが、忘れないでねといっています。)

 

 

 

   

 

 

追記

それにしても、内田光子さんはどうしてバッハを録音されないのだろう。70を超えた今でも、これからはショパンとヤナーチェクとお話されているようだ。内田さんで、平均律やフランス組曲を聴きたいのだが。唯一、Youtubeで「フランス組曲5番のサラバンド」を聴けるだけなのは、さみしいな。

内田光子語録

 

6月29日野草園点描

*Youtubeを聴きながら、自作スライドショーをみることは、著作権法にかからないBGMの聴き方だろう。

 

フランス組曲4番アルマンドをマレーペライアさんで(Youtube)

 

フランス組曲5番サラバンドを内田光子さんで(Youtube)

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実るほど頭(コウベ)を垂れるトチボウズ

2020-06-27 11:23:37 | 日記

4月、彩りよく飾られたクリスマスツリーのようだったトチノキの花は、製造(受粉)担当の両性花とミツバチやハナバチを呼び込む営業担当だった雄花の共同作業により、めでたく受粉を成功させて、花弁やシベは美しく散って地に融けていった。

トチの子らは、5月のあたたかな風と、大きな葉っぱの呼吸のお陰でどんどん育ち、6月の梅雨空の生あたたかな霧雨に包まれる頃には、すっかりいがぐり頭をパンパンに膨らませている。この時点で、オイラはトチの子のことをトチボウズと名付けた。

やがて、万有引力によりトチボウズの重さに耐えられなくなったクリスマスツリーの枝は、腕を次第に押し下げ、トチボウズらにお辞儀をさせるかのように、低くそのイガグリ頭を垂れさせる。

「今年も、実らせてくれてありがとう。」

トチ親の大地に対するお礼なのである。

「こら!もっと頭を下げなさい!」

 

 

   

 

 

 

   

 

 

 

   

 

 

 

   

 


5月にトチの花を観察しに言った頃、川沿いに美しい赤みがかった若葉をながめて、何の木なのかとギモンにおもっていたが、6月26日にすっかり青葉となった葉っぱを確認したら、ヤマブドウのような分裂葉と不分裂葉が交じっていた。新芽が赤いことと合わせて

トウダイグサ科アカメガシワ

であることを知った。

アカメガシワの薬効

 

胃潰瘍や痔に効くらしい。こんど、大きな葉を4,5枚いただいて、試してみよう。

 

 

   

    5月11日

 

   

    6月26日

 

 

 

 

 

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❝生態学的❞ お散歩のススメ 備忘録 

2020-06-26 19:07:49 | 日記

植物学者多田多恵子さんの「野に咲く花の生態図鑑」(河出書房新社)を借りてきて読んでいる。

多田さんのことは、以前、NHKラジオ「山カフェ」で知った。

多田さんは、一般向けにたくさんの図鑑やエッセイを出しており、今読んでいる本は、学者ぶった難解な記

述はなく、すらすら読み込めて、かといって単純な分かり切ったお話ということでもなく、目からウロコ!

ような植物の必死さと懸命さと賢さがつたわってきて、かつ、おもしろく、詩情があふれているので、ほ

の本もたくさん読んで、いろいろと教えてもらおうという気持ちになった。

この本の巻末に❝生態学的❞ お散歩のススメ というコーナーがあり、13項目の身近な自然の学べるヒント

が書かれていたので、備忘録として、このブログに書きとどめておこう。

牧野博士の植物記は、植物となかよしになるには「採取と標本」をすすめているが、今日の一般人には、採

取は盗掘、森林法違反とみなされるおそれがあるので、ススメられないのだろう。(ちぎったり、食べてみるくらいは許してもらえる範囲なのだろう。)

今日の一般人は、「採取と標本」ではなくカメラの静止画や動画での「撮影とログによるサンプル保存」で対応していこう。

とにもかくにも、花を知ることで、虫も、動物も知ることができて、さらに、花も、虫も、動物も、地球の

お天気や季節や土や水とつながっていることも知ることができ、そんな授業時間をこれから過ごすだけで、

人生の後半戦、目いっぱいなのだろう。

 


1 立ち止まって見る

  * 山を歩くのも散歩するのも、時間がかかってしまい、ちっとも運動にならないが。


2 しゃがんでみる

  * イヌもネコもしゃがんで接すると近寄ってくる。


3 さわってみる

  * トリカブトやウルシの仲間だけは、ちよつと。


4 裏返してみる 透かしてみる

  * 夏ミカンやユズの葉を透かすと満天の星空が見えるって、どういうこと?


5 ちぎってみる

  * ヨモギやサンショウの葉をちぎって匂いを嗅ぐのが好きです。


6 虫眼鏡で見る

  * ヨドバシカメラで、ルーペを探してみようと思います。いまは、双眼鏡を逆にしてみていますが物足りない。


7 拾ってみる

  * 海岸で貝殻やサンゴのかけらを拾った、あの感覚で木の実や落ち葉を拾ってみよう。


8 飾ってみる

  * そのへんのセンスがないのを自覚しているが、挑戦してみましょう。


9 遊んでみる

  * 昔ながらの草花遊び?知らねえな。


10 食べてみる

  * この秋、どんぐりのコーヒーとオニグルミ入りアブラみそにチャレンジしよう。


11 描いてみる

  * 拾ってきた宝物を色鉛筆で描いてみよう。


12 「フィールド」をつくろう

  * 青葉山と蔵王に決めました。


13 記録してみる

  * オシベとメシベにピントを合わせる落ち着きをもって、カメラを使いましょう。


 ひさびさマクロレンズを持ち出したが、やはり手持ちではピントをとらえにくい。

 

シソ科 ムラサキシキブ

 

 

ブドウ科 ヤマブドウ

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梅雨どき散歩点描

2020-06-24 10:28:14 | 日記

ネムノキの目覚めは遅い。河畔に生えたまわりの樹々が、もうすっかり花を終え、青い実を膨らませようとしている5月の半ば過ぎにやっと木の枝から、「2回偶数羽状複葉」の細かな葉を現し始め、やっと葉がそろうと、あちこちにぽつぽつとした頭を乗せたアンテナが10個から20個伸びだし、どうやらそれらのアンテナ集団が花として現れるようだが。その過程が観察してもよく分からない。

現地に行って観察してみれば、あちらこちらに咲いていた花(といってもたくさんのおしべと数本のめしべによって構成された扇状のピンクに埋もれてそこにある漏斗状の花はよく見えない。)は、しおれ始めているが、次々と開花すると予想された芽は、まだ大半青いままだ。

ネムノキの名の由来は、夜になると眠るように閉じる複葉にあるが、その理由は現代の科学者をもってしても正しく説明できないのだという。

目覚めの遅いこと、

花が咲く過程がよくわからないこと、

花がおしべやめしべに比べてまるで小さいこと、

夜の眠ること(脳がないので眠るとは言わないらしいが)、

漢字の合歓は男女の交わりだというが、中国人はどのような観察をして名をつけたのだろう、

美しくも謎だらけの木なのである。

 

    

 

経ヶ峰の神社の近くに細かなピンクの花が咲いていた。

シソ科ムラサキシキブ属 ムラサキシキブ とみた。

ムラサキシキブ属には、ほかにヤブムラサキとコムラサキという低木があって、みんな似ているが

葉っぱの毛が少ないので、ヤブと区別がつき、葉っぱのギザギザが下の方まで残っていないのがコムラサキなので、区別がつくのだという。写真の葉っぱは、ギザギザが下まであるよ。

あの秋になると、紫色の宝石のような丸い実をつけるムラサキシキブだが、花だっておしゃれで美しい。

おしべの黄色い葯が薄紫の花弁や花糸に愛らしいアクセントを見せている。

この花をいっぺんに好きになったが、ピントが合わないので、一眼マクロをもって撮り直してこよう。

ムラサキシキブは、あの源氏の作者紫式部だとのこと。花や実の紫を「高貴なお方」とみたようだが、

美しいのにオオイヌノフグリやカラスノエンドウなどと名付けられた花たちとの差別に、植物学者の

発想力について理解に苦しむ。

 

 

   

 

 

   

 

 

 

   

 

 

 

   

 

 

ドクダミ科のドクダミ(十薬)

美しい十字の白い花と思っていたのは、総苞片という花を包む葉っぱの一種なのだという穂のように伸びているのは、おしべとめしべだけ。花びらというのはないようだ。

ドクダミの咲く草むらを踏むと、独特のの匂いにつつまれ、そこにいるだけで、「効きそう」だ。図鑑には、「悪臭」とあるが、オイラの個人的感想では、「芳香」だ。

 

 

   

 

   

 

甘い香りがただようモクセイ科オオバイボタの花に、先週烏帽子岳の小道で出会ったミドリヒョウモン♂が飛び交っていた。

この蝶は、6月から10月まで生き延びて、夏は夏休みで休眠するのだという。

♀は、秋に樹間に卵を産み、春に生まれた幼虫はスミレ類を食べて育つのだという。あの小さないたいけなスミレに、この大型の蝶の幼虫が、どのようにまとわりつくのか、見てみたいところである。幼虫や成虫も花なしでは生き延びられない。そのような、微妙な世界に生きているのだ。このものたちは。

 

   

 

5月に、薄緑色の雄花と雌花と株を分けて咲いていたツルウメモドキの雌株は、青いクリクリとした実をつけていた。秋になると真っ赤に熟れて、美味しいのか小鳥やサルなどの哺乳類まで食べるのだという。

河原に咲いているのは、山から流されてきたのか。まさか、街中の広瀬川まではサルは来ないだろう。どんな野鳥が飛び交うのか観察してみよう。

 

 

   

   

 

 

オニグルミの実は大きくなったが、ラグビーボールのようなかたちのものと、ほぼ真ん丸なかたちのものとあるが、細長い子房が膨らんでクルミの実になるのだから、ラグビーボール→真ん丸クルミに短期間に移行するのだrとみていいだろう。

この時期の、クルミの実、触ってはいけません。ベタベタ。→ アブやハチに侵入を防いでいるかのか、蠅取り紙みたいだ。

 

 

 

   

 

   

 

 

   ホオジロ♂くんが、相変わらずいい声で鳴いていた。

   

 

 

河原の枯れ木に、日本で一番小さなキツツキの仲間、コゲラがせわしなくエサを探していた。頭に赤い羽根が少し生えているのが♂だということだが、見た目ではよくわからなかった。

この鳥は、静かな山で耳を澄ますと「ギィー~」と鳴いているので、存在が確認できる。「ねじまき鳥」と呼びたい。

 

 

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祈りの音楽集 ストリーミングコンサート

2020-06-23 18:33:42 | 日記

ソプラノ歌手森麻季さんと鈴木優人さんのピアノによるコンサート、初体験のストリーミングによるライブ中継であった。チューハイを飲みながら、畳に足を伸ばしてという無作法な態度ではあったが、まさにスペシャルシートでの1時間15分、オーデオテクニカ製の5000円程度のイヤホンとノートパソコンという貧弱な音響機器であれ、1000円という料金以上の、満足を得られた。チャットという機能で、「ブラボー」と声をかけたかったが、なんだか田舎者の野次馬的なのでやめた。洒落た言葉が出てこない。

今回のコロナ禍による自粛だけではなく、経済的事情や、交通事情でなかなかコンサートに足を運ぶことのできない地方在住の庶民に向けて、今後ともどんどんこのようなコンサートを実施してほしい。

プログラムの内容は、今回のコロナ禍でさまざまな苦難にあったヒトビトへの共感と再生への祈りに満ち溢れ、ラストは、やっぱりモーツァルトの元気印「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」で結ばれていた。再生の兆しが見えてきた今という世相、おふたりの気持ちがよく伝わる内容だった。

「終わり良ければ総て良し」

人生においても、そのような音楽を準備しておかねばならないのだろうか。

 

       

 

 

         


2020.6.22 eプラス ストリーミングコンサートプログラム

 ソプラノ 森麻季 ピアノ 鈴木優人

 

1.シューベルト「アベマリア」

2.グノー「アベマリア」

3.マスカーニ「アベマリア」

4.ヘンデル 歌劇ジュリアスシーザーから「つらい運命に涙は流れ」

5.ヘンデル 歌劇リナウドから 「涙の流れるままに」

6.バッハ 平均律クラーヴィア曲集第1巻から ヘ短調 「前奏曲とフーガ」(鈴木優人さん独奏)

7.バッハ マタイ受難曲から 58曲アリア 「Aus Liebe」」

8.フォーレ レクイエムから 「ピエ・イエス」

9. レイナルド アーン  「クロリスに」

10. モーツァルト モテット「エクスルターデ・ユビラーテ」


森麻季さんのYoutube

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