■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 002 雨の日でもバイクに乗れる
経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。
■ 002 雨の日でもバイクに乗れる
私は、若い頃、バイクに乗って処々を旅行していました。バイクといいましても50 cc、しかも中古のバイクで、今やそのメーカーもとっくの昔に消滅してしまっています。
関東一円、地図に掲載されているお寺や観光地などを、気が向けば訪れる貧乏旅行でした。高校を卒業した年の春休み、思い切って能登半島まで行ってみようと決意し、約一週間の大まかなスケジュールを決めて出かけました。
途中、強い雨に何度か遭っているうちに、エンジンに雨水が染みこみ、力が出ません。今では、考えられないことです。
その度に、エンジンをクリーニングし、また走り出すと言うことの繰り返しでした。その時、つくづく思ったのが、バイクに雨よけがあれば助かるのにと言うことです。フードくらいは当時もありましたが、今日のように運転者の前面から頭上まで覆うようなフードはありませんでした。
その経験がありますので、株式会社トリーテクノとの出会いは、「これはいける!」と確信しました。バイクやスクータにカスタムメイドの屋根がつくのです。
もちろんバイクに雨よけ屋根をオプションで付けられることは私も知っています。しかし、どのメーカーのものも結構な価格です。しかも、どの車種にも取り付けられるというわけではありません。
同社の商品は、カスタムメイドでありながら、市販品よりやすいだけではなく、例えばイルミネーションを付けることもできます。イルミネーションを付けたバイクが街中を走り回れば、話題になるでしょう。想定外の宣伝効果を引き出すことができます。
2014年9月30日には、国の「平成25年度補正 中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業」において、「カスタマイズした屋根付きスクータへの変身化プロジェクト」が採択され、その成果をもとにスクータ用屋根装置の開発に拍車がかかりました。
同社の鳥海社長は、公立大学の修士課程を修了後、某大手総合電機メーカーに入社し、研究畑や関連企業などの道を歩んできました。ロンドン大学に留学したり、台湾などでの海外経験も豊富であったりします。
その経験が、現在のビジネスでも滲み出ています。「ローテク商品なのでまねされやすい」ということで、海外に意匠登録をするなど、地道な経営姿勢が、カスタムメイドの商品にも活かされているように感じます。
本社は横浜ですが、なぜか工場や倉庫は東京の西部福生(ふっさ)市にあります。その理由を問うたときに、人間としての魅力を感じました。
若い頃お父さんを亡くされ、今は福生のお母さんがいらっしゃいます。そばにいてあげたいという気持ちからのようです。今は、横浜と福生の間を行き来しているそうです。
私が「なぜ、工場を本社から離れたところに置いているのですか?」と訊いたときのことです。「工場と言えるようなところではなく、”作業場”です」とまず答えてくれました。
「ドラえもんの“ひみつ道具”のように、身の回りにある道具や器具へ“こんなこといいな”と思われる機能の追加が“できたらいいな”と思っています」とニコニコしながら話していました。
経営者としての真面目な姿勢、謙虚さを持った人と好感できました。
まだまだミニチュアのベンチャー企業ですが、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営するウェブ展示会「新価値創造(WEB展示会)」に出展されています。2017年12月には、東京ビッグサイトの展示会に出展しますし、できれば今後もいろいろな展示会に出展したいと、前向きな言葉も出てきました。人なつこさと真面目な姿勢が非常に印象的でした。
同社ウェブサイト
http://www.tory.co.jp/