■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編3-44 PDCAを実務にさらに活用するポイント
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部3章 【管理編】 プロの管理職のための”新たな”PDCAと活用法
これまで第2章として、ホンモノのリーダーシップについてお話して参りました。
そのリーダーシップと不可分にあるのがPDCAです。
「いまさら、PDCAについて学ぼうとする人間なんていないよ」 「もう、PDCAは古い!」
このような声を聞くような時代になりました。それほど、PDCAが言い古されてきているのです。しかし、本当にPDCAが実行されているのでしょうか。そして、PDCAの効果が出ているのでしょうか。
多くの方が、知識として知っていても、実行に移せていない人が多いのが「PDCA」です。
一方で、「PDCAを常に意識しています」、という人もいます。ところが、本当にPDCAにより効果を上げられているのでしょうか?大半の方が、「効果を上げている”つもり”」であって、実際には、PDCAが適正に実行されていないがために、機会損失を起こしているのです。
正しいPDCAとは何か? 正しいPDCAの使い方とは?
謙虚に、再度、PDCAに取り組んでみては如何でしょうか。あなたのPDCAとは違ったPDCAがあるかもしれません。
■ 3-44 PDCAを実務にさらに活用するポイント
経営管理にPDCAを適用すると言うことで、PDCAの変遷について見てきました。PDCAを正しく理解し、実務に適切に利用するために、別項でも述べておりますが、論理思考上からも必要な階層思考を忘れてはなりません。 PDCAにおきましても、伸縮スパイラルPDCAを理解するためには、階層思考が必要です。 経営理念や基本経営戦略など、最上位概念をトップと位置づけた階層もよく知られています。この階層の概念を、PDCAにも取り込んで、利用しますと、実践に活かす効果を高めることができるのです。
PDCAや目的と手段の考え方を実務に活かすには、別項でもご紹介しています、「共通目標・共通認識・共通行動」の考え方がついて回ります。重複しますが、ここで改めて理解を深めていただきたいと思います。 ここでも上位概念整合性という、目的と手段の考え方が取り入れられています。 目的を明確にするために、目的の徹底により、全社員が金太郎飴的に目的を理解し、共通認識しなければなりません。 その結果、「実行(Do)」しますと、全社員が同じベクトルに向かって共通行動をとることができるのです。 ベクトルがそろえば、持っている力を充分に発揮できますので、業績への寄与も大きくなることは言うまでもありません。
温かい管理の基本は、共通目標・共通認識・共通行動の精神が根底にあります。これを通じて、ノウハウの蓄積を図ってゆきますと、企業は成長してゆきます。 「蓄積は力なり」ということを取り入れた経営管理を行い、あたり前のことがあたり前にできますと、企業の基礎体力は堅固になり、将来の展望が持てるようになるでしょう。 ビジネス・パーソンであれば誰もが知っているPDCAです。あまりにもあたりまえすぎて、逆に油断をしてはならないと思います。これを機に、謙虚になって考えてみることも必要ではないでしょうか。
【 注 】 PDCA詳細情報
「ロジカル・シンキングがよくわかる本」(今井信行著 秀和システム刊 1,760円)の第3章5節で詳しく説明しています。
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