■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 変革の時代に求められるチャレンジ精神 3419-4a15
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
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■ 変革の時代に求められるチャレンジ精神 3419-4a15
自動車のテクノロジーの進歩には本当に驚かされる。最新機能を搭載した新車を運転する機会があったのだが、実際にハンドルを握って、そのすごさを実感した。まず驚いたのは、サイドブレーキのレバーがなくなっていたこと。電子化されてボタンがあるだけ。別に操作の必要がないという。フロントガラスには、スピードメーターが映し出される。
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高速道路でクルーズコントロール機能を作動させると、加速や減速だけでなく、カーブも自動で曲がる。心配で手は離せなかったが、軽く握ったハンドルが勝手に動く感覚は衝撃的だった。すでに運転している人からすれば、「何をいまさら」という機能かもしれないが、10年前に購入した車しか知らない身からすると、すべてが新鮮だった。
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自動運転の技術が進化し、運転手が必要なくなる時代はすぐそこまで来ている。安全で便利な乗り物に進化する中、車検や修理などを行う自動車整備業者はハイテク化への対応が求められている。整備工場が電子制御装置を持つ車を整備するには2024年から新たな「自動車特定整備」の認証を取得しなくてはならなくなる。スキャンツールとよばれる装置の整備や整備主任者の配置といった、新たな要件をクリアする必要がある。
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千葉県木更津市で自動車整備業を営むI社は、従業員4人の小さな整備工場だが、将来を見据えて認証を取得した。旗振り役となったのは、I社長の娘であるW取締役だった。高齢の父に請われ、2016年から工場を手伝うようになった。保険代行や事務の仕事を担当していたが、「会社をもっとよくしたい」と考えるようになり、木更津商工会議所のサポートを受けて、本格的な事業改革に乗り出した。
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「工場の機械類は古いまま。こんな状態ではとても無理だと思っていた」とW氏は振り返る。だが、補助金を積極活用して老朽化した機器などを更新。さらに従業員一丸で特定整備の認証取得に取り組んだ。認証取得に向けて、社員の一人が整備主任者の資格を取得。もともと自動車整備の技術を持っていなかったW取締役自身も2級整備士の資格を取った。
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電子制御装置を搭載した自動車が急速に普及する中、その整備ができる自動車特定整備認証を取得するのは、自動車整備会社にとって今後の事業に大きな影響を与える。制度が令和2年4月スタートしましたが、認証の取得が進んでいないのが実情だ。自動車業界をとりまく大きな変革の中で、前を向いて事業に取り組むI社からチャレンジ精神の大切さを学ばせてもらった。
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出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成