「白い割烹着」
陽だまりの中で わたしを呼ぶ声がする
振り返ると そこにまぶしく光る白い割烹着
そこだけ浮かび上がる記憶のワンシーン
あなたはきらきら輝いていた
まるでそこだけ光が集まったみたいに白く白く光っていた
天気がいいと外に たらいを置き
洗濯板でごしごしと汚れものを洗っていた
白い割烹着にはじき飛ぶ水も
まぶしい光の中で やがては消えていった
今では便利な世の中になり
あの頃あんなに時間がかかったお洗濯も
放り込めば勝手にやってくれるようになり
だけど ふと思い出す
あのときの白い割烹着 なんだか輝いてみえた
ある日 台所に立つ母の背中を見ていたら
母がそっと割烹着でぬぐっていた
隠すようにぬぐった その涙に
一体どんな意味があったのか
幼すぎるわたしにはわからなかった
だけど 今でも目に浮かぶ
母の涙をすくいとった あの白い割烹着
あの白さがなぜか悲しかったことを
代わりに台所に立つわたしの背に
母の生きた時代が寄り添っている
今ではすっかり年老いて
白い割烹着をすることもない母だけど
あなたはいつまでも わたしの前にいて
陽だまりの中で わたしを呼ぶ声がする
振り返ると そこにまぶしく光る白い割烹着
そこだけ浮かび上がる記憶のワンシーン
あなたはきらきら輝いていた
まるでそこだけ光が集まったみたいに白く白く光っていた
天気がいいと外に たらいを置き
洗濯板でごしごしと汚れものを洗っていた
白い割烹着にはじき飛ぶ水も
まぶしい光の中で やがては消えていった
今では便利な世の中になり
あの頃あんなに時間がかかったお洗濯も
放り込めば勝手にやってくれるようになり
だけど ふと思い出す
あのときの白い割烹着 なんだか輝いてみえた
ある日 台所に立つ母の背中を見ていたら
母がそっと割烹着でぬぐっていた
隠すようにぬぐった その涙に
一体どんな意味があったのか
幼すぎるわたしにはわからなかった
だけど 今でも目に浮かぶ
母の涙をすくいとった あの白い割烹着
あの白さがなぜか悲しかったことを
代わりに台所に立つわたしの背に
母の生きた時代が寄り添っている
今ではすっかり年老いて
白い割烹着をすることもない母だけど
あなたはいつまでも わたしの前にいて