※※※
新しい夜明け
新しいときが目覚める
まだ誰も目を覚まさずとも
ときは足音を忍ばせて
眠るこどもの横顔をそっと撫でていく
「ほら、もうすぐ朝だよ」
眠りをむさぼった子は
昨日とは違う一日がやってきたことを
目をこすりこすり窓の向こうから見える景色に
すっかり覚醒する
少し冷え込んだ空気が
辺り一面を白く染めていることに
ようやく気がつくのだ
眠りの中にいた頃
音もなくしんしんと降り続いたであろう
この見事な白い世界に
何ということもなく胸が膨らむのを感じるのだ
子供にとっては
この雪もまた
新しい一日に華を添えるのだと
朝は軽くくしゃみをしてみせた
※※※
一面の菜の花が続くさまを描いた人がいた
一面の白い雪を描くのは難しい気がする
この足跡ひとつない世界を
光が反射するさまを
どんな風に描くのだろうか
菜の花を描いた人は
白い雪だけがある世界
ただただ
白い
それだけで
何ひとつ無い世界
今はこの世界に踏み込むのをためらいながら
ただただ
見ているだけだ
ためらいと
ほんの少しの勇気との狭間で
※※※
新しい夜明け
新しいときが目覚める
まだ誰も目を覚まさずとも
ときは足音を忍ばせて
眠るこどもの横顔をそっと撫でていく
「ほら、もうすぐ朝だよ」
眠りをむさぼった子は
昨日とは違う一日がやってきたことを
目をこすりこすり窓の向こうから見える景色に
すっかり覚醒する
少し冷え込んだ空気が
辺り一面を白く染めていることに
ようやく気がつくのだ
眠りの中にいた頃
音もなくしんしんと降り続いたであろう
この見事な白い世界に
何ということもなく胸が膨らむのを感じるのだ
子供にとっては
この雪もまた
新しい一日に華を添えるのだと
朝は軽くくしゃみをしてみせた
※※※
一面の菜の花が続くさまを描いた人がいた
一面の白い雪を描くのは難しい気がする
この足跡ひとつない世界を
光が反射するさまを
どんな風に描くのだろうか
菜の花を描いた人は
白い雪だけがある世界
ただただ
白い
それだけで
何ひとつ無い世界
今はこの世界に踏み込むのをためらいながら
ただただ
見ているだけだ
ためらいと
ほんの少しの勇気との狭間で
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