※※※
庭に咲いている花は
母が育てた花で
咲いているのを見るだけで 母は嬉しそうな顔をする
”よく咲いてくれたね”と言いたそうな顔を
花が咲き終わる前に と
小さな花瓶に名残惜しそうに挿した
台所の出窓に置いたその花瓶
ほんの一枝なのに
あなたがそこに在るだけで
空気が揺れた
波がふるふると漂った
優しいね
生きていることが
優しいね
最後の命を見せてくれているって
大事に 最後まで
あなたという命を見ているからね
※※※
どこにも行けない
歩くのも大変だから
車で行くのは病院
家の中も手すりを少し触りながらで
しっかり掴むと痛くなる
そんな痛みとの戦いで毎日が暮れていく
それでも母は痛みを和らげようと
私たちの不安を和らげようと
明るく応える
86歳の母に私たちは助けられている
「痛いんでちゅ~」
え~!
痛い! っていわないんだ
最後に「ちゅ~」とわざとつけて茶化す
それが場をどんなに和ませてくれているか
母はすごいなと思う瞬間だ
果たしてわたしはそんな風にできるかな・・・
痛かったら叫びそうな気がする
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庭に咲いている花は
母が育てた花で
咲いているのを見るだけで 母は嬉しそうな顔をする
”よく咲いてくれたね”と言いたそうな顔を
花が咲き終わる前に と
小さな花瓶に名残惜しそうに挿した
台所の出窓に置いたその花瓶
ほんの一枝なのに
あなたがそこに在るだけで
空気が揺れた
波がふるふると漂った
優しいね
生きていることが
優しいね
最後の命を見せてくれているって
大事に 最後まで
あなたという命を見ているからね
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どこにも行けない
歩くのも大変だから
車で行くのは病院
家の中も手すりを少し触りながらで
しっかり掴むと痛くなる
そんな痛みとの戦いで毎日が暮れていく
それでも母は痛みを和らげようと
私たちの不安を和らげようと
明るく応える
86歳の母に私たちは助けられている
「痛いんでちゅ~」
え~!
痛い! っていわないんだ
最後に「ちゅ~」とわざとつけて茶化す
それが場をどんなに和ませてくれているか
母はすごいなと思う瞬間だ
果たしてわたしはそんな風にできるかな・・・
痛かったら叫びそうな気がする
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