心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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花開く季節

2020年04月04日 | 母のこと
母の庭で、つぼみが花開く。
ときどきフェイントで雪が舞い散ったりすることもあったけど、土の上に降った雪は跡形も無く消える。
春なのだ。

むくむくとその茎を伸ばしたものは着実につぼみをつけ、やがて花を咲かせる。



歩くのが難しい母でも家の周りだけはなんとか行って、花が咲いたか確認したくなるらしい。玄関に行くのも大変だった冬の日々が、今は少しずつ玄関まで。
そして風除室に置いてある籐椅子に腰掛け、外を見る。しばらく落ち着いたら、ようやく腰をあげ、外に出る。
家の外壁に手をかけながら、裏庭まで歩を進める。
角まで行くと、体をかしげ奥を覗く。

「ほら!」と指さす向こうに花が見える。
小さく咲いた薄紫の花をしばし眺めて満足したように戻る。
転ばないように母の手を取り、一歩ずつ歩く。

風除室に戻るとまた椅子に腰掛けて休む。息を整えてゆっくり立ち上がると玄関に足を入れる。
玄関まで来ると、もう大丈夫、お前は先に入ってと言う。

外に出るのはまだ数日に一度だけだが、これからはもっと増えるだろう。冬と違って、元気が出てきたなと思う。これも新しいリュウマチの薬が効いているのからかもしれないと思ったりする。
そういう外に出ることもなかなか出来ない母だが、こと髪の事に関しては、我慢出来ないらしい。数日前から美容院に行きたい旨をチラチラ話していた。
まさか今日がそうだとは思わずにいたわたしに朝ご飯を食べ終えたあと
「美容院に電話してくれないか」と頼んだ。
えっ今日なの? とびっくりしたが、そういえば今日は天気もいいし。
早速連絡してみると、ひとりお客様がいるので、9時半頃にと言われた。9時半前にいそいそと美容院の階段を登る母。といってもわたしがお尻を押して、一段一段上るのもかなり時間がかかる。それでも行きたいのよね、母さんは(笑)

ということで、ただいま「出来たよ」のお迎えコール待ち。
そろそろ行く準備をしておかないとね。
こんなご時勢でも何か楽しみを見つけないと♪