庭にフキが育っている。
このフキは昔、母の義姉の親戚から送っていただいたものだという。この辺で売られている蕗よりずっとさわさわした感じで、とても美味しいのだそうだ。それなのに昨年はほとんど口にしないままに終わってしまった。
今、目に見える場所に植え替えたので毎日成長がよくわかる。そんな蕗を見ていた母から業務命令が・・・
「あの蕗、5・6本 切ってきて。切るときに周りの蕗を倒さないようにね」
ご丁寧にわたしがしそうな失敗を前もって指摘してくれた。ほぉ~、周りの蕗を倒すってこともあるのね。
で、蕗のそばにいき、大きめなものを下からはさみでチョッキンと。
5本か6本と言われたけど、切るのが面白くて10本ぐらいも切ってしまったけど。まあ、いいでしょ。
切った蕗はすぐ茹でないで、少し置いておけばしなってくるから、そうしたら茹でるそうだ。
二三日でしなってきた。わたしが母のところに行くと、母がすでに茹でておいてくれていた。
「茹でたけど、皮をむいていないから」と言う母。はい、わたしがむきますよ。
で、皮をむいて水にさらしておいた。母が言うにはそんなに晒さなくても料理に使えるくらいの蕗だとか。でも念のために次の日に料理することにした。
次の日、母が
「お前が片方だけしか皮をむいていなかったから、反対側をむいておいたよ」と言った。
えっ? そうだっけ?
そういえば、片方だけに切り込みを入れてぎゅーーっと皮をむいたんだった。なんたる不覚。
といっても、蕗の皮むきなんて年に一度やるかやらないかだから、もうすっかり忘れているのよ~。
そんな感じで斜めに薄く切り、ごま油で炒め煮。赤唐辛子をパラパラッと入れてね。
ところが・・・この日はなんだかいつもの味付けじゃなくて別のめんつゆを足してみた。母が食べたとたん、う~んと顔をしかめた。
わたしは「塩辛い」と言った。
「しょっぱいんじゃなくて、なんだか味がいつもと違うんだよ」と。
しまった、ばれたか。
母の口はとても肥えていて、味付けの微妙な違いをすぐわかる。いらぬことを付け足してしまったのがバレバレだった。
いい蕗を使っても最後の味付けがこうじゃね~
だから、今朝、リベンジのつもりでまた蕗を切ろうと思って玄関を出た。なのに、なのに雨!
リベンジは晴れてからにすることにした。トホホ。
しょっぱい蕗はわたしが責任を持って食べまする。