心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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整然と並んでいる自転車の中に

2016年06月19日 | ほんのすこし
ウォーキング。今朝は少し足を伸ばしていつものコースからはずれた場所も歩いてみました。
駅すぐそばに駐輪場があります。ここには電車通学する高校生が置いている自転車が並んでいます。日曜なので今日はこの自転車はこのままです。
まあ、ずらりと綺麗に並んでいて・・・、と思ったら。



たった一台だけ向きが違って置かれた自転車がありました。慌てておいていったのか、並んだ列よりはみ出しています。

誰が置いていったのでしょうね。
高校生でしょうか。黒い傘も一緒にあります。
なんだかみんなが揃って同じ方向に向いているのに、この子だけが逆向きになっていて、そこからあれこれ想像してしまいました。

※※※
この持ち主は入れる場所がなくて場所を探してうろうろ、ようやく置こうとしたけど電車がやってくる。ええい、仕方がないここに置いていこう!友達が呼んでいる。電車が来るぞ~!

※※※
この持ち主は発車ぎりぎりまで彼女と立ち話。彼女は歩きだ。この夏休みにどこかへ行きたいのだが、果たして彼女は一緒に行くって言ってくれるだろうか。楽しそうにドラマの話をしている彼女の目がくりくりしている、可愛いと思う。
「お~い、乗り遅れるぞ!」友人が彼を呼ぶ。慌てて自転車を置き、彼女に手を振る。彼女は彼の夏休み計画など知りもしないまま。

※※※
この持ち主は周りから変な奴だと思われている。自分がそういう目で見られていることはわかっているが、これが自分なのだからしょうがない。彼が変わっているのは、他のみんなはこの駐輪場に自転車を置くときに、最初に置いてある自転車に倣い順に置いていくことに違和感を覚えることだろう。なんで皆同じことをしなくてはならないのだ? 自分は好きな場所に好きな方向で置きたいが。だが、皆が縦に並べているのに自分の自転車が横に一台入ると出し入れするのに自分が非常にやりにくい、この縦並びにすっきり置いていくというのも理にかなっているな。などと考える、そういう所が周りから変な奴だと思われるところだ。そして彼は最後の抵抗で同じ縦並びでも皆とは逆の向きに少し道路にはみ出して置くということで自分の気持ちを満足させて駅に向かう。

※※※
この持ち主はこの間からショックなことばかり続いている。ずっと片思いをしてきた相手に最近彼女が出来たと知った。しかも追い打ちをかけるように中間テストの結果は惨憺たるものだった。ダブルショックに隣でペチャクチャ話す友人たちの声も遠くに聞こえる。
「ねぇ、最近元気ないよ。どうしたのさ」「そうだよ、なんか変」「絶対なんかあったでしょ?」
顔をのぞき込むようにして言う友人たちの目に意地の悪さを感じてしまった。
「ごめん、学校に忘れ物してきた。先帰って。もう一本後ので帰るから」
「えー、もう一本って一時間も先だよ!」
ごめーん、と言いながら急いで自転車に乗り、彼女たちが騒ぐ声を後ろに聞いた。本当は忘れ物なんてない。あの場にいたくなかったのだ。
町中にあるショッピングセンターで時間をつぶして、駅に戻る。もう日は落ちて暗い。彼女らが置いていった自転車が並んでいる。なんとなく自分はそこに一緒に置けない気がした。
待合室で少し勉強しよう。

※※※

歩きながらとりとめなく自転車のことを考えていた。一体誰が乗っている自転車なのか、自転車物語はどこに繋がるのか。
部屋にばかりいるとこんな自転車物語など考えることもないが、ウォーキングというありがたい行動にはこんな楽しみもある。

さて、今日はゴスペル練習日。先回お休みしてしまったので、今日は忘れないで参加しようっと♪


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