鍔を刀の茎(なかご)にぴったりとフィットさせるために
鍔の茎孔(なかごあな)に噛ませる銅のスペーサーの
ことを「責金」という。
これは二つの読み方が刀剣界にはある。「せきがね」と
「せめがね」だ。
「責」という漢字の意味は以下。小学校5年の学習漢字だ。
刀装具の鍔のスペーサーの責金は「せきがね」であろうと
「せめがね」であろうと間違いではない。
ただ、私は個人的には「せめがね」だろう、という思いがある。
それは「切先(きっさき)」のことを「せっさき」とは読まないから
という意識が働いている。
「切羽(せっぱ)」も「責金(せきがね)」も重箱読みで、そういう
音訓ちゃんぽん読みも刀剣用語には存在するのだが、私個人
は「責」も「金」もどちらも訓読みで「せめがね」と読むことが自分
自身はシックリとくる。なので私個人は「せめがね」と呼んでいる。
なお、「責」は「シャク」とも読むが、「責金」を「しゃっきん」とは
読まないのはあたりまえ(笑)。
「鐡(かね=金属の王なり)」という漢字は「鉄」という漢字に変化
した。
しかし、鉄という漢字を見たら、どうにも金属を失うのではなく、
金(かね=money)を失うに思えてならないということが、刀剣
世界にハマると多く出てくる伝染症状のようなので、みなさん、
どうかお大事になさってください(笑)。
御刀、刀装具等のご利用は計画的に(笑)。
刀友と鍔談義をしていて、私がこの鍔を指して「この甲冑師風
の鍔がさぁ」と私が言うと「甲冑師に見えないけど」とのことだった。
そりゃそーだ。それは刀匠鍔やった。
甲冑師鍔とはこういう物どした。
つまり、これがあるのが甲冑師鍔とか呼ばれてるんだな。
マサオ、ほんまのこと教えたろか。(映画『道頓堀川』)
「甲冑師鍔」とか「刀匠鍔」とか刀剣界で呼ばれている作は、
実は本当に甲冑師や刀工が余技で製作したのかどうかは
確定していない。「だろう」ということでそのように呼称して
いる。しかも、かな~りいい加減なところで。
ほんまのこと言うと、それが実態なんやで。いや、まじで。
ということは、おいらのこのとても薄い鍔は何だろう。
応仁鍔か?
いや、ちゃうな。応仁鍔とも違う。あえて言うなら鎌倉鍔かな。
桃山時代の鎌倉鍔や。
でも確定はできない。
ちゅうことはだ。これは金工鍔だな。
それならばオーロブゼンで、間違いない(≧∀≦)
刀鍛冶だろうと甲冑師だろうと鍔師だろうと、鍔を作る時は
みんな金工や。
これこそ確定事項やで。
知らんけど。