アメリカンナイフメイキングにはこの耐水ペーパーのスペーサー
が欠かせない。
何に使うかというと、ハンドル部のブレードへの圧着のためと、
デザインを引き締めるためだ。前者の意味が強い。
実はこれは日本刀の金具装着にもとても有効なのだ。
なぜならば金属同士をいくら密着させても、必ず隙間ができて
しまうことが挙げられる。また、摩擦係数の関係から滑りやすく
動きやすくなってしまう。極端な話、ティッシュ一枚でも金属同士
の間に噛ませると密着度は抜群に向上する。
色が目立たない薄紙を日本刀金具の切羽と鍔の間に噛ませる
ことは、武用刀剣の実用的見地からは非常に堅牢性が高い
組み立て方法であるといえるのだ。私はそれを実行している。
紙は薄い黒色を用いているので、まったく目立たない。
このナイフ製作専用の耐水紙のスペーサーなどは日本刀にも
使える。しかも武用刀剣としての実用性はアップする。
スペーサーの紙の厚みは各種あるので適宜選択できる。
ナイフ製作の神様ラブレスもこの固定用スペーサー紙を使用している。
まあ、しかし、ボブ・ラブレスという人が造ったナイフは、どうして
これほどまでに美しいのだろう。ナイフであるのに、まるで日本刀
を観る時のように釘づけになる。