渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

鉄製ボディを持つ二輪

2024年11月21日 | open


私のこのイタリアンは鉄製。
パイプフレームが存在せず、
鉄のモノコックフレームだ。
旧式と異なり、樹脂パーツ
も多用されている4ストロー
クエンジンを搭載した現代
版だが、フレームは鉄製の
ままだ。
乗り味は独特で、ある場面
では剛性感を出し、ある場
面ではしなやかなシルキー
さを醸し出す。
運転していて実に味のある
スクーターだ。
さすが、戦後直後に地球上
のスクーターのスタンダー
ドを作り出したメーカーだ
けあると感じる。
元々は航空機の部品を作る
会社で軍事転用されていた
が、戦後は平和産業の旗手
としてスクーターを手掛け
た。
フレーム造形は従前の航空
機産業に属した時代の技術
が活きた。
以降、戦後、地球上ではス
クーターといえばイタリア
のピアッジオ製が定番とな
り、世界のスクーター作り
のお手本となった。


ただし、現行の新型4ストロ
ークベスパと
なってからは、
日本のホンダ
が開発した駆動
方式を参考に
製作されるよう
になった。

プーリー内のウエイトローラ
ーによってクラッチを自動的
に移動させて変速させる無段
変速機構だ。加速はアクセ
ルの操作
のみで前進する。
この駆動方式は、タウンコミュ
ニティモータービークルとし
て非常に利便性が高い。
それらの基礎は日本人が築い
た。

最高傑作映画『ローマの休日』
(1954)。
現代はRoman Holiday であり、
「ローマの休日」という意味
と「残酷な休日」という意味
を両方含んでいる。
絶対に結ばれないほのかな恋。
それに全世界の鑑賞者が心打
たれた。結ばれぬ二人がひと
時の恋の時間で乗ったのは、
ピアッジオ社のベスパだった。


 




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