ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




B’zさんのUNITE#01、GLAYさんとの横浜公演の配信ライブも、はや明日が最終日。

寂しい!

ですが、本当に素晴らしいライブ、素晴らしい映像ですね。

本当に、何度観ても、グッと熱いものが込み上げてきます。

 

今日は。

今回のB’zさんのライブで、僕を支えてくれた、大切な僕の相棒たちをご紹介いたしますね。

なんといっても、ヴィンテージのハモンドC3(1958年製)をアクリル改造したオルガン、海月

11年前に、安全地帯さんの完全復活ライブに参加させて頂いた時に、武道館公演に間に合うように半年以上かけて制作して頂いた世界でただ一台だけのオルガンです。中身はヴィンテージのハモンド・オルガンですので、僕のルーツの一つでもあります大好きなディープ・パープルのジョン・ロードや、僕の師匠でもあります厚見玲衣さんのオルガンと、基本は同じものです。

作製して下さったのは、名古屋在住のハモンドマニア、Voyagerさん。

(詳しくは上記リンクから特設サイトをご覧くださいませ。ハモンド・メイニアックの世界にお誘いさせて頂きます)。

この海月を、今回、あの武道館公演以来、11年ぶりに、ステージに持ち出すことが出来ました。

どうしても、B’zさんのサウンドには、このオルガンが必要だと、思ったのです。感じたのです。

大阪公演、とある曲の前に、僕が一人でこの海月を一人で弾くシーンがございました。ここでは、内臓のスプリングリバーブを活かした、本体を大きく揺らすとスプリングが揺れて音が出る、俗に言います「ガッシャン・リバーブ」も披露できました。スタンドを入れて約150キロほどの重さですので、リハの初期で、太腿を添えて持ち上げてみたのですが、帰ったら腿に青あざが出来ていました(笑)。

また、横浜公演のある曲では、CD音源でしたらシンセブラスの音色の打ち込みで弾かれていたフレーズを、大きくリアレンジしてやはり海月で弾きました。

実はこの二つのシーンとも、当初はCDのような形の再現ができるように用意して行ったのですが、

リハの中で稲葉さんが「川村さん、今回原曲から離れて、オルガンでというのはいかがでしょう?」とアイデアを下さって、あのようにさせて頂いたものだったのです。他にも、今回のライブでは、海月を使わなかった曲の方が少ないくらい、大活躍をしてくれました。

バンドを始めた高校生の頃から、欲しくて欲しくてたまらなかった、本物のヴィンテージオルガン。

ようやく手に入れたのはもう40歳になってからでした。そして、あれから11年。

なんと、B’zさんのライブで、ハモンドを弾かせて頂ける時が訪れるなんて。

夢のよう、なんて言葉じゃ生ぬるいです。あれ、夢なのかな(笑)。

 

その上に乗っているのはNord Lead3。ノードブランドでも、大変に珍しい機種です。

詳しくは長くなってしまうので、いつかチャンスがございましたらとしますが、今回は、長年の友人でもあるマニュピレーターのM上さんから、お借りした一台でした。これぞアナログ・サウンド、という太い音を出してくれる、本当に貴重なシンセで、今回も何曲もで活躍してくれました。特に僕がNL3で作ったパッド・サウンドの上で、松本さんがギターを弾いて下さるシーンが、大阪、横浜公演共にございました。松本さんのあの太いギターを包めるのは、大抵のシンセでは物足りないのではと思うのですが、しっかりと役割を果たしてくれたNL3には大感謝なのです。

ということで、両公演の映像のスペシャル・サンクスに、僕からということで、海月を作製してくださったVoyagerさん、そして、大元になる僕とハモンドオルガンとの出会い、また購入や改造に関してのアドヴァイザーにもなってくださり、そしてVoyagerさんまで紹介して下さった、師匠・厚見玲衣さん(アルバムにも参加されておられますので、B’zファンの皆様にもお馴染みですよね)、そして、今回快くNL3を貸して下さったM上A久さんのお名前を入れさせて頂いたのです。本当にありがとうございました。

正面には、大好きな大好きな(好きすぎて、後発のMP9500、2台と合わせて5台も持っている(笑))カワイのデジタルピアノMP9000、そして、その上にはKORG TRITON Extreme。そして、TRITONの左には ISHIBASHI Teremin(あのジミー・ペイジが、昔来日時に購入して帰った話はマニアには有名です(笑))。

特にISHIBASHI Treremin(以下、テルミン)に関しては・・・。僕は約20年ほど前から愛用しておりまして、宇都宮隆さん、ゆずさん、KinKiKidsさん、安全地帯さん等でも使ってきたのですが(いずれも発売されているDVDで確認して頂けます)、なんと、現在B’zさんの楽器テックをされているN田さんという方が、30数年前に設計されたものだったということが判明いたしまして(!)、僕もびっくりでしたし、N田さんも「ビックリしました(笑)」とのことだったのです。

そしてこのテルミン、今回のB’zさんのライブでも、なんとオープニングSEから大活躍してくれたのです。

リハーサル時、今回一曲目で演奏された楽曲の中間部のパートで、僕がTRITONで作ったパッド(原曲で演奏されている音色に似せて、パイプオルガンとクワイアのサウンドを組み合わせて作ったものです)と共に、テルミンを演奏してみたのですが、これをお聞きになった稲葉さんが「テルミン、いいですね。はまりますね」と仰って下さったのでした。

その後、これはまた別日にスタッフさんからだったでしょうか「オープニングSEはどうしましょう」と話が出た際に「例えば・・・この曲の中間部を活かすというのは?」と、これは稲葉さんでしたか、松本さんでしたでしょうか、ちょっと失念してしまったのですが、お二方のどちらかがそうアイデアを出されて、受けて、僕が楽曲の中間部分のパッドを片手で弾きながら、片手でテルミンを弾いたのですね。するとお二方が「いいですね、今回、それでいきましょう」と仰って下さって、また別日に、改めて両手でパット(下地になるコードサウンド)を弾いて(やはり低音部が欲しかったので)、その後にテルミンを二回演奏したものをダビングし、マニュピレーターさんにミックスして頂いたのが、あのオープニングSEなのです。

このテルミンは両手で演奏する方がより音域が広くとれるので、楽曲中もパッドはシーケンスに任せてしまうことにして、僕は両手でテルミンを演奏することにしました。このあたりは、映像でもご確認頂けるかと思います。アンテナには決して触らないように、しかしアンテナにいかに手を近づけられるかが、演奏のコツでございます。

 

僕の右手側には、YAMAHA MOTIF XS6(これもとても好きなシンセで同じものを3台、音源と合わせると5台持っています(笑))、上にはMoog Minimoog(ミニモーグ)。

MOTIF XSは安定感のある便利なシンセで、色々と使えるのですが、今回は出番は控えめでしたかね。でも、あると便利、無いと困る、という一台です。そしてミニモーグ。ハモンドオルガンに並んで、これは僕の憧れ中の憧れのシンセ。勿論(笑)、僕のサイト中に、マニアックな特設ページもございます。

20歳の頃に手に入れて、以来、30数年。これもどんな現場でも使っています。上記に挙げたアーティストの他、デビューしたバンドでありますSHADY DOLLS(シェイディー・ドールズ、と読みます)、ZIGGYさん、安室奈美恵さん、清木場俊介さん、GlobeのKEIKOさんのソロツアーなどでも(これもどれもDVD、あるいはCD音源になっているかと思います)、無くてはならない相棒であり続けてくれています。勿論と言いますか、元は厚見さんに憧れて手に入れたもので、本体鍵盤の上の木製部分には、厚見さんのサインが入っています(上記のマニアックサイトでご確認頂けます)。

今回、大阪公演でも横浜公演でも使用しましたが、特に横浜公演ではとある曲で、アドリブソロを弾かせて頂いています。これはリハーサル時も、最初は無かったのです(原曲には無いですものね)。リハーサルが進むうちに、特に松本さんもソロを弾かれている部分ではなかったですし、「もしかして、ここでモーグのソロ弾いてみたらどうかなあ」と思って、・・・試しに弾いてみちゃったのです。

そうしましたら。

なんとなく、いつのまにか・・・採用になってしまった格好になってしまいまして。

特に、じゃあそこは川村さん、ソロね、というようなことや、そういう打ち合わせなどは、一度も、結局最後まで全くなかったのですが、

ドリームフェスティバルの時などは、僕がモーグにいく直前に「ケン坊!」と稲葉さんが僕の名前を呼んでくださるという事態にまで・・・。

「ということは、弾いていいのかな」、なんて本番中に改めて思ったりして、という。

そして、エンディングが終わり、一度全体でバーンとかき回しをした後、僕がひとしきりピロピロピロと弾いて、いいところで振り向くと、松本さんがそれを待っていてくれたようにギターを振り下ろして下さって、また全体で最後のかき回しに入るという、こんな段取りめいたものも、自然に(ほんと、打ち合わせはゼロなのです!)……結果、あの、横浜公演でご覧頂けるような形になっているのです。

最後に、トップの写真で右下にちらりと映っているの(マイクが経っている木製の箱)が、オルガン専用のレスリースピーカー、モデル147です。これは僕も2台もってはいるのですが、今回は、B’zさんチームが所有しているものをお借り致しました。ずっとB’zさんでキーボードをご担当されている増田さん(大先輩です!)も、この147を使われていたと伺っています。やはりオルガンには147が似合います。エフェクターをかましたり、コンボプリで歪みを調整できるのも、147ならではです。

さて、今日は配信が明日で最後ということで、少しキーボード的な内容に関して書かせて頂いてしまいました。配信をご覧になる際に、思い出して頂けたら幸いです。

ではー。



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コメント
 
 
 
Unknown (YOH)
2021-10-17 12:56:40
こんにちは

こんなにメイニアック極まりない
解説読んだらもう 
【確認しなくてはいられない病】に・・・\(^_^)/

元々、観ながら何カ所か
「コレコレ!!」と一人で大興奮しておりましたが
更に興味津々です。

ケンさんの想いがたくさん散りばめられた今回の機材の持ち味やケンさんの演奏をB'zさんのお二方が認めてくださって、なんだか私までとっても嬉しいです。

全ての要素が合体して
あの最高のステージになったのだと
あらためて感動しました。

今からまた、いろいろ確認しながら(笑)
目に耳に焼き付けたいと思います。


ロックキーボーディスト!!ケンさんとケンさん所有の由緒正しい名機たちの勇姿を (*^_^*)
 
 
 
Unknown (翔子)
2021-10-17 18:30:38
ケンさんこんばんは。

配信を見て、気になっていたことが全部書いてあって、ほー!と思うところがあったり、答え合わせのようで、とっても楽しく読ませていただきました^^

ガッシャーンが見られたのは本当に嬉しかったです。めちゃくちゃかっこよかったです。
横浜公演のある曲での海月も、大好きなところの一つです。

今回オープニングからたくさんテルミンを使われていて、そちらも嬉しかったです。
一度でいいので触ってみたい楽器です🤔

ある曲のmoogはアドリブだったのですね。
かっこよくて、嬉しくて、うおー!と思いながら、何度も何度も繰り返し観ました。
自然に、というのがまた素敵ですね。

今日で終わってしまいますが、ケンさんのブログを読みつつ、しっかり最後まで楽しもうと思います🕺🏻✨
 
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