ライブの前の日だし、もっと明るい話題でも、と思えば思うほど、どうも自分に無理がでてきます。
ご覧になった方も多いかと思いますが、日本人ジャーナリスト長井健司さんが、ミャンマーで銃撃された瞬間の映像が公開されました。至近距離、背中から、一発。弾丸か貫通し、即死に近い状態だったのでは、と推測されていますが、倒れてそれでもなお、取材カメラを廻し続けている様子が克明に記録されていました。
「石油の値段を5倍にする。」という一方的な発表に対して、僧侶が先頭になって「生活できない。軍部はいいかげんにしろ!」と、行った抗議運動、そしてそれを鎮圧させようとする軍事政権、その様子の取材の中での出来事でした。
いきなり5倍になんてなったら、公共機関だって値上げせざるおえなくなりますよね。市民の月平均3000円の収入のうち、6分の5、2500円が交通費に消えることになるのだそうです。誰がどうみても、政権はめちゃくちゃなことを言っていると思います。貧困層が多く、ただでさえ子供にまともに教育もいきとどかないような国です。子供に教育がされなければ、国の未来だって見えません。
そして、この軍事政権はアウン・サン・スーチーさんという非暴力民主化運動の指導者を、11年にも渡って軟禁しています。この方は、91年にノーベル平和賞まで受賞している人ですが、我々日本を始め、世界はこのような異常な事態を知っていて、放置しつづけているのです。ちなみに現在、ミャンマーの他に、タイ、フィジー、リビア、パキスタンが軍事政権に統治されています。
ミャンマー、日本では小説「ビルマの竪琴」で有名ですよね。ビルマ、はミャンマーの旧国名です。この小説以外にあまり馴染みがないかもしれませんが、実はミャンマーに対しては、日本が一番多くの無償の資金援助をを行っている国なんです。
ただ、これについてはスーチーさんも過去のインタビューで、「資金援助は、国民に対して責任感や信頼性のある政府がある時にこそ有効なのです」と言っています。つまり日本は、現状、この軍事政権に対してお金を渡し続けてしまっている、ということなのです。この是非は大いに議論されるべきですが、つまり日本は、それだけミャンマーに対して、影響力、発言力を持っているはずだ、ということなのです。
ミャンマーは天然ガスが豊富に出ます。この資源をめぐって、中国、インド、そしてやはりアメリカの思惑がぶつかり合っているようです。中国は例えばこの軍事政権に大量に武器を売っているような(つまりそれなりに良好な)関係ですし、逆に民主化させてやがては資源の利権をその手中に収めようとするアメリカと対立しています。興味のある方は調べてみてほしいのですが、とにかくここでもやっぱり(いつの世も一緒ですね)、資源をめぐる大国の影が、色濃く見えてきます。大国がけん制しあって、解決の為に手出しできない状態なんです。結局苦しむのは、弱い国民なのですよね。今回の抗議運動でも、また結局、民衆は軍事政権に押さえ込まれてしまった形になっているようですし。
国連のガンバリ特使が事態の打開に向けて、ミャンマーへ入り、スーチーさんとも会談したそうです。各国の思惑が難しく絡み合ってしまっている現状、こういった国連の「平和的な第三者」としての動きには注目したいと思っています。
ご存知でしょうか。国連というのは加盟各国がお金を出し合って運営されていますが、日本はアメリカに次いで、二番目に多い資金をその運営の為に出している国なのです。勿論、日本は世界第二位の経済大国ですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、これはすごいことですよ(ちなみにアメリカは大分滞納していますが、日本は毎年、きっちり払っています。)。「私たち日本人は英語も話せないからねー、世界のことは良くわからないんですよね」などと言っている場合でもないというか、もっと色々と積極的に発言しても良いと思うんですよね。いつもいつもアメリカの顔色を伺うばかりじゃなくてね。
ミャンマー政権側から渡された長井さん遺品の中に、あのカメラが無かったそうです。渡さない、つまり、渡せない、とういうことですよね。こんなこと、許されていいわけはないですよね。ここはきっちり、日本政府にも責任をもって、話をつけてもらわないといけません。長井さんが、泣いています。いや、強い人だったでしょうから、カンカンに憤っている、のではないでしょうか。
戦争の反対は、平和、ではありません。「戦争」の反対は、「話し合い」です。そして、「平和」の反対は、「混沌」です。
今、ミャンマーは混沌としています。そして、一人の日本人が政権を握る軍によって、殺されました。
日本でも、外国人の方が命を落とすことがあります。日本人も、各国で色々な事件に巻き込まれたりして命を落とすことはあります。でも、政府の手によって殺されることは、ないですよね。戦争をしているわけでもありませんし、ましてや長井さんは、民間人です。民間人は例え戦時下であっても殺していけないという、『国際戦時法』があります(しばしば破られますが)。つまり、どうしたってあってはいけないことが起きたのです。
長井さんのご冥福を心よりお祈りいたします。しかし・・・それで終わりには出来ません。長井さんの為にも、苦しんでいるミャンマーの人々の為にも、目を離すことはできないと思います。そして、話し合いをするべきです。
このニュースが、日本ではあまり報道されていない、と知りました。もっと色々知りたいのに!テレビをつけても、今日も相変わらず芸能人やタレントが楽しそうに、メディアを使って、お金をもらって遊んでいます。見る人が見たら、日本は変わった国に映ることでしょうね。
・・・と。
少し難しい話になりましたが、読んでくださってありがとうございます。なんだか、どうしても自分の中でスルーできなくて。まだまだ知らないことだらけですが、それでも今日なりに、それなりに書いておこうと思いまして。
---------
さて、明日はライブです!楽しい時間にしましょうね!楽しみです。
では-。