チケットを送ってくれた人がいて、ダンスを観に行ってきました。
色んなグループが合同で参加するダンスフェスティバルでした。
ダンスといっても、「なんだあれはっ。同じ人間の動きとは思えんっ。」っていう様な激しいのではなくてね(笑)。平均年齢50~60歳は超えているであろう女性の方々達が中心の、アマチュアのダンサーの方々のフェスティバルだったんです。
中には20代、30代の方も一人か二人は混じっていたと思いますが、出演してた総勢百名を超えるであろう方々が、ほんとね、皆さんきっと子育てを終えた、または、もうお孫さんまでいらっしゃるであろう、お母さん方、あるいはおばあちゃん達。そんな皆さんが、楽しそうに踊る、踊る。
プロじゃありません。プロになりたいわけでもないでしょう。
だから踊る目的は・・・、人によってきっと様々。純粋に健康の為だったり、または人生の充実の為だったり、昔立ちたかったステージに立つぞ、なーんて夢を叶える為だったり、色々なんでしょう。
僕は今日、5列目というかなり近い席でしたので、踊る皆さんの表情が見えました。満面の笑みで客席にアピールするおばあちゃんダンサー。真顔で踊りながら、口元では小さく「ワン・・・ツー・・・」ってリズムを確認してるのが見えたおばさん。最後、ちょっとふらついちゃって、「あ・・・」って、一瞬緊張感のある表情になった方(こっちもドキドキしました(笑)、でもオッケーでした)。
でも、皆さん、ほんとに素敵でした。足が頭の上までなんて上がったりすることも無いし、目に見えないような素速い回転も、バック転もしません。どちらかと言えば、ちょっとジャンプしただけでも、「おお、すごい。今、飛んだ!」ってな具合です。・・・んー、でもこれは言い過ぎかな。「じゃあやってごらんよ」って言われたら、僕にはきっと出来ませんから(笑)。
・・・でもとにかく、皆さんとっても楽しそうでした。そして見てる僕ら観客を一生懸命楽しませようとしてくれてるように見えました。「昔の美人」なんて言ったら怒られるでしょうが、皆さん、きっと年に何回もないでしょう、精一杯派手なお化粧をしてね、手作りがほとんどでしょう、綺麗な衣装を着て、まるで・・・少女のような真剣な表情で、笑顔で、踊るおばさんたちを見て・・・、
素直に、「すごいな。かっこいいな」って思ったんです。
男の僕がね、はっきり言ってしまえばおば○ん達の踊りを見て、素敵だとかって、変ですかね。僕もトシをとりましたかね(笑)。
でも・・・、色んな人生を積まれた方々が、こうして、人生の後半の時期を、仲間と一緒になって、ステージで一生懸命踊ってるんですよ。今日まで、どれだけ練習して、汗をかいてきたことか。日々、身体を丁寧に気遣い、弛まず鍛錬をしてきたことか。そして、今日の本番。皆でリハーサルをして、そしていよいよ本番を迎えるという時の気持ちは・・・僕にも解ります。そんなことを考えながら見ていたらね、ちょっと目頭が(笑)。
ショーの最後に、今日踊られた方の中から、70歳を超えられている方々の紹介がありました。13名いらっしゃいました。一人一人がコールされるたびに、会場からはどよめき(「えーあれでー?若いな-」といった)」と共に、多きな拍手が起こりました。「○○△子さん、71歳」「◇◇○代さん、75歳」パチパチパチ~。そして最後に紹介された方は、・・・なんと85歳。素敵なダンスを見せてくれてました。僕なんて、半分にも達してません。ステージの上で、ライトを浴びて、輝いてました。ダンサーおばあさん、堂々と、そして颯爽と客席に手を振ってました。ほんと、かっこよかった。
そして、客席には、今日で24回目になるというこの会の、会長さんがいらっしゃってました。
石井みどりさん。94歳。・・・大正のお生まれ。あの原爆投下、終戦の年を32歳で迎えられたことになりますね。僕が生まれた時、55歳であられた。そして今も、現役の舞踊家でいらっしゃいます。紹介に、手を美しく、柔らかくひらひらとはたつかせ、会場からの拍手に応えておいででした。ほんと、・・・素晴らしいとしか言い様がありません。
キャパが1800もある、大きなホール。決して満員ではなかったけれど・・・。
チケットは有料でしたが、目的はチャリティーで、今回は障害者の支援NPO(非営利団体)に贈呈されたそうです。
いつまでも、皆さんには踊っていて欲しいです。健康で、楽しんで。
僕に「見に来てよ」と、チケットを送ってくれた・・・僕の母親。貴女も、いつまでも元気で踊り続けてね。お疲れでした。まぁなかなか、
・・・かっこよかったかなー。あはは、照れくさー(笑)。
ではー。