震災から二ヶ月ほどの「引越しと鼻から・・・のお鼻し。」という記事で書きましたが、
僕は、CP80M、という電気ピアノを持っております(電子・・・ではなく、電気です)。
ヤマハのCP80というのは、とても有名な電気ピアノで、ほら、八神純子さんとか、小田和正さんが弾きながら歌っていたあのピアノです、と言えば、おそらく(僕と同世代の方々には(笑))、すぐに、なんとなくでも思い浮かぶものかもしれません。
↑これこれ。
ビリージョエルとかも使ってましたし、VOWWOW時代の厚見さんも一時お使いになられてました。
まあ、世界中で大普及したステージ・ピアノだったわけですよ。
中を開ければ、ちゃんと弦が張ってありまして、ハンマーとかも、グランドピアノとほぼ同じ機構のものがついています。なので、電源を入れなくても、弾けば音が鳴ります。
要は、弦の一本一本に対して、ギターみたいにピックアップという音を拾う器具(小さな小さなマイクだと思ってもらってもいいですね)が付いているので、電源を入れてケーブルを繋げば、マイクを立てなくても、そのまますぐにバンドの中で使える、ボリュームだっていくらだってアンプで大きくできる、という革新的なピアノだったわけです。マイクを立てないので、ハウリング(キーンッ!っていうやつね)というトラブルなどとも無縁でしたし、本体も鍵盤部と弦が張ってある部分で二分割できるので、持ち運びも、“グランドと比べたら”(笑)、楽だったのです。
そんなCP80は、“大音量のバンドの中でも気軽に使えるミニ・グランド・ピアノ”といったところでしょうか。
(鍵盤数の少ないCP70(73鍵盤。CP80、80Mは一般的なピアノと同じ88鍵盤。)もありまして、さらには、アップライト型のCP60Mというのもありました。60Mはほとんど普及しなかったんじゃないかなー。やっぱり、CP80、そしてCP70をよく目にします。ちなみに、CP80M、CP70Mは発売期間が短かったということもあって、結構珍しい方かもです。「M」はMIDI付き、という意味です。ちなみにMIDI(ミディ)ってのは、80年代に普及した、この規格を持っている機器同士はメーカー関係なく、専用のケーブル一本で繋げまして、片方を弾くだけで両方の機器の音を同時に鳴らすことができる、という、いわば遠隔操作みたいな音のデータ化のシステムのことです。打ち込みとかも、このMIDIのお陰で簡単にできてるようになったんですね。)
でも、このように、中にはちゃんと弦が張ってあるわけですから、・・・定期的な調律が必要だったりします。
持ち運べば振動で調律は狂いますから、コンサート・ツアーなどでは、調律師の方が同行されていたりね。
最近では、ミスチルさんのプロデューサーの小林武史さんがステージでお使いなられてますが、やはり調律師の方が同行されています。
それだけ手間はかかるわけですが、でも、やっぱり電子ピアノとは違って、弦が張ってあるというのは、気持ちいいのですよ。小林さんも、やはりそういう理由で、今、あえてこの古いCPをお使いになられているのだそうです。
(・・・僕のCP80Mも、この時(震災後に自宅に持って来たとき)は、この小林さんのCPを調律されている方にやっていただきまして、その時にこのお話を伺いました。)
でですね。
弦が張ってあるということは、切れるわけです。(ピアノの弦って切れるんですよー、弾いてると。ギターみたいに頻繁ではありませんが。)
そして、僕のCPは、僕が高校三年生になるときに買ってもらったものですから、それ以来、何本か切れた弦以外は、もう、25年くらい張りっぱなしなわけです。保管状況がよければよかったのですが、実家で全然触っていなかった時期が長すぎて、さすがに、金属の寿命という感じになってしまっており、実は、もうきちんとは調律が合わなくなってしまいました(特に、よく使う中域付近が・・・)。
そんな中、だましだまし弾いていたのですが、先日いよいよ、またしても弦が一本切れてしまったのです。
そこで、考えたのです。
また、この一本だけ張り替えても、また他のも切れるでしょう。もう、金属の寿命なのですから。
となれば。
・・・弦の総張替え。
全部の鍵盤の弦を、全部外して、全部張り替えてもらおう。
そしたら、生き返る。
そして、またこれから長い時間、弾いてあげられる。
よし、やろう。
・・・しかし、困難はあります。
なにせ、もうとっくに生産中止になっている機種なのですから・・・。
果たして、そんなことができるのでしょうか。
・・・。
以下、明日に続きます(全部書くと、もう長くなるので。ってか、タイムリミット・・・(笑))。
という、まったくもってマニアックな話で面白くないかもしれませんが、僕の大切なピアノの記録として、書いておこうかとー。
ではー。