今日の神奈川県東部は、冷たい雨の一日でした。
冬は二月が寒いんだよなぁ、とは頭では分ってはいても、やっぱり実際にこの寒さを感じてみると「まじかよー、こんなだっけかー」となります。
あー、ほんっと、寒いなーっ。
・・・言っても仕方ないんですけどね。でも言っちゃう(笑)。
今日は、一年間キーボードを教えたクラスの、最後の授業日でした(まだ他のクラスは残ってるんですけれども)。
この子たちは、昨年度は別な内容のクラスで一年間一緒だった子たちなので、都合二年間、一緒だったことになります。でも、その授業はもっと大人数のクラスだったので、話したと言っても、今年ほどではありませんでした。勿論僕は「この子たちはキーボード専攻なんだよな」とは思っていたので、すぐに名前も顔も覚えた子たちでしたが、やはり多くの子たちの中では、密に付き合うといっても限度があります。
その点、今年は少人数のクラスで、かなりじっくりと話したり、色々と細かくお付き合いできたので、彼らが幾分なりとも成長したのは嬉しかったですし、「めちゃめちゃ勉強になりました!」って言ってくれたのは嬉しかったですけれど(←たぶん、実技というより、主にお喋りの方だと思いますが(笑))、でもね、その分やっぱり、
・・・寂しかったですねぇ。
ほんと、僕にとっては初めて受け持った子たちであるわけですが、彼ら、彼女らからしたら、学校に入ったら居た最初のせんせーのひとりになるわけですよね。それを言うと「ああ、そうなんですかー」って言いますが。いやいや、ほんと不慣れですみませんでしたー(笑)。でも、とにもかくにも、丸二年。僕もとっても勉強になりました。そして、色々ととっても面白かったです。とーっても、いい子たちでしたしね。
その中に、一人の女の子がいまして、その子はこの一年間、一度も休まず、一度の遅刻も無く来ていた子だったんです。その子から今朝、授業の1時間くらい前に「先生すみません!!大幅に遅刻します!!!!」って、ビックリマークだらけの(笑)メールがあったんです。ははあ、めずらしい。寝坊でもしたかな、と思って、でもいつも真面目な子だし「大丈夫だよ。気をつけておいで」と返信して、授業に向かいました。
クラスの子も「・・・あれ?珍しい!彼女、来てないんだ!?」と驚いたくらいで、本当にいつも必ずきちんと居た子だったんです。
で、ハアハア言いながら20分ほど遅れてやってきて「すみません、すみません!」というので、「まぁ、大丈夫だよ。最後の日だし。ゆっくりやろう」と、でも、
一応ね、「○○さん、遅刻ね。あー、ほんっと最後の最後についちゃったねぇ・・・(笑)」って出席簿にバッテンを付けたの。可哀想だけど、でもね、こればっかりは仕方ない(笑)。
そしたら「・・・ああぁ・・・」ってピアノにぐったりしちゃって。
でも、その子は真面目なだけじゃなくて、勉強熱心だったし、教えたことに対する理解も速かったし、なによりも彼女の弾くピアノが好きだったし、「まぁまぁ、この遅刻で落第するわけじゃなし。成績的には何もかわらないから」と慰めてはおきましたよ。
でも、真面目な子って、それでも落ち込むんですよね。「・・・あーあ・・・やっちゃった・・・」って(笑)。真面目すぎです。僕を見なさい(笑)。
で、一応理由を聞いてあげようと思って訊いたんです。「で、どしたの?寝坊でもした?」って。そしたら「いえ、全然起きてたんですけど・・・」って。「そうなの?じゃ、何してたの?」って訊いたら「いやー、あのー、そのー」と口ごもるのです。なので、それ以上は訊かなかったんですけど。
で、もう今日はもう実技の授業というか、どちらかといえば、心の話とか、音楽をやっていく生活の話とか、・・・ミュージシャンの知られざる実態の話とか(笑)、そんなよもやま話をして、時間は過ぎていきました。
そして、じゃあ本当に最後に、これを皆で一緒に聴いて終わりにしようと、キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」から「パート1」を、じっと26分聴きました。これは僕としては、先週から考えていたことだったんですけれども、お喋りが長くなっちゃって(笑)、26分聴くだけで授業時間はオーバーしちゃっってね。でも、みんなじーと、聴いてくれてました。なので、終わってからまたすこし解説をしたり、感想を述べ合ったりもして。彼らも、とっても気に入ってくれたようでした。嬉しかったな。
で、ホントに最後。上着を着て、コートを持って、「えー、じゃあこれで本当におしまいだけど、何か質問ある?大丈夫?じゃ、お互い、これからも頑張っていきましょう。お疲れ様ね!」と帰ろうとすると、
「あ、せんせー、これ」と、さっきの女の子が
チョコレートを。
「作ったの?」と訊くと、「ええ、まあ・・・」とのこと。
「どうもありがとうね」とお礼だけを言って、別にそれ以上は何も訊かなかったので、・・・まぁ、遅刻の理由にはなりませんけれど、ちょっとなんだか、もしかしてそうだったら、かわいいなぁ、なんて思ったり(笑)。
・・・あ、当然、僕だけの為のチョコだなんて、思ってませんよ(笑)。沢山の先生たちや、学生にも配るでしょうからね、きっと、勿論(笑)。
ほんと、お疲れ様でした。あの子たちの未来が明るいものであることを、僕は心から願います。ほんとに。
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で、帰ってから、ちょっとGWのライブの打ち合わせがありまして、出先におられた厚見さんにお会いしに行ったんです。
するとそこには、あの「アックスの奇蹟」のウグイス嬢さん(←第Vl章の最後に)も来ていてね。厚見さんが「ねぇ、川村くんに、渡したいものがあるらしいよ」
「かわむらさん、はい、これ。」
って。あらまー、なんと!
「あけてあけて!」と言うので、「いいのー?あけちゃうよー」と、包みを開けると、なんとまー、見てください、このトップのお写真のチョコレート。
「明日川村くんに会うよ、って言ったら、昨日ずっと作ってたんだよ。」
「いやー、それはもう、ありがとうね!!・・・で、厚見さんはどんなのを、もらったんですか?やっぱり、鍵盤のですか?」
って伺ったら
「・・・ううん。僕のは全然、あれは義理チョコだな(笑)」
ですって。あはは(笑)。まさかそんなことはないでしょうけれども、なんかそんなやり取りがとってもほほえましくて、で、面白くて(笑)、おもわずニコニコしてしまいました。
カメラを向けると、「キャー」って恥ずかしそうに隠れてしまったけれど、「この写真、ブログに載せてもいい?」って訊いたらニコッと頷いてくれましたよ。ちなみにパンダちゃんは「ぶさちゃん」というのだそうです。この日には鬼のお面を被って、ギターを持ってましたね(笑)。
でね、添えてくれていた手紙に「これからも玲衣をよろしくお願いします」って書いてあったから
「・・・ね、ねぇ、これは逆だよ」って言ったら、嬉しそうに笑ってました(笑)。
・・・ってかさ、僕が、厚見玲衣さんの愛娘さんからチョコをもらう日が、来るなんてね。
ちなみに、このチョコを見てお気づきの方。あなたは相当なマニアです(笑)。
そうです、この左端の白黒が反転している部分に注目ですよ。これは、なんとね・・・ちゃんと、ハモンド・オルガンなんですよ(笑)。
ちなみに、僕と厚見さんは「む、この白鍵の一番下がA(ラ)になってる。何故だ」としばし考えることになりました。「ハモンドならC(ド)だし」 と。で、そこで厚見さんが「・・・わかった。なるほど、グランドピアノの一番下がAだからだ!」と。これまた、ちゃんと鍵盤の成り立ちを見てないと、こうはなりませんよ(勿論、彼女はピアノを習ってます)。
ハモンドとピアノが混ざってはいるとはいえ、白黒反転の鍵盤を作ったり、ちゃんとグランドピアノの一番下の鍵盤の造形を真似するなんて、これは・・・(笑)。
こんなマニアックなチョコ作ったのは、世界中でこちらのウグイス嬢さんだけだと思いまーす。きっと、彼女もマニアックになるのだろうなぁ・・・。いや、さすがです(笑)。そして、嬉しいですj。
ではー。