恥ずかしながら、僕はツイッターをやっておりませんので、こちらをお借りしてパーソナルなご連絡をさせて頂きます(ご容赦下さいませ)。
---------------
むっち様
お忙しい中わざわざコメントを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
この度は、本当に素晴らしいレゴによるジオラマセットをご制作頂き、本当に感激しております。何度も、ずっと眺めてしまいました。
また、新たに大変に素敵なお申し出、ありがとうございます。
本当にお忙しい中、度重なるお手数をお掛け致しますことは心苦しく思いますが、
しかしながら、叶うのでしたら、是非、僕の海月とむっち様ご制作の海月の”UNITE”を、この目で見てみたいです。
僕がこちらでご紹介したことでお手数をお掛けすることになってしまっておりましたら申し訳ございませんが、
決して急ぐものではありませんでの、むっち様のお時間のあられるときに、何卒、どうぞよろしくお願いします。
(以降のご連絡は僕のレッスンスクールであります「緑ちゃん倶楽部」のアドレスをご利用頂けましたらと思います。メールアドレスはHPのリンク先にございます。)
川村ケン
----------------
月一回配信の、緑ちゃん倶楽部のメルマガ「みどり通信」では先月号であります第113号から3回の予定で、UNITE#01の僕目線、キーボード目線からの全曲解説を試しみております。僕にとっても本当に一生の思い出に残る素晴らしいこちらの公演の記録を、文字として残しておきたいのです。(ご入会の方にはバックナンバーも全てお送りしています。って、もはや読み切れませんよね・・・)
今回は、お礼というほどのことではないのですが、むっち様がジオラマで再現して下さっておりましたこちらのガッシャンリバーブを使ったこちらの楽曲の解説部分を、一部追記を入れて、下記、掲載させて頂きます。よろしかったら、お読み頂けたらと思います。
--------------------------------
6.LOVE PHANTOM
MCから「それでは、いってみましょうか。……ケン坊!」と、なんと稲葉さんに「ケン坊と呼んで頂いて弾きはじめるという大変にレアな信じられないような状況に、またこれもアワアワしてしまいたいところなのですが、ここはそれは出来ません。なんといっても海月ハモンドの一人ソロプレイから始まるからなのでございます。
元々は、しっかりとオーケストレーションされたアレンジがかっこいいイントロのこの楽曲。しかしリハーサルで、バンドが入るオールインのところから演奏するプランになっていた(コロナの影響で、根底に演奏時間をあまり長くできないという事情もあったようです)ようですが、「本編イントロの(シーケンスピアノの速い)フレーズを、手弾きで、例えばオルガンで弾くことは可能ですか?」という、稲葉さんのアイデアがありまして、「完全な打ち込みのフレーズですので、このままでは難しいですがアレンジしてよろしければ」とお答えしましたら「全然!では、お任せしますので、川村さんのオルガンから始まるのはどうですか?」と。松本さんに「イメージとしては、やはり荘厳だったり重厚な感じでしょうか?」とお訊ねしましたら「そうね(笑)そこそこ荘厳な感じがいいですかね」と。
そんなわけで、リハーサルでは曲のキーでありますBmで、もう少しバロック的といいますかシーケンスっぽい速弾きで弾いたりもしつつ、最終的にどんな形がいいかな、と探っておりました。1~2日アドリブだけでやっていたのですが、さすがにいきなりの大阪城ホール本番でアドリブでコケても嫌だしと(笑)、少なくともコード進行くらい決めた方がいいか、とおもって、家で考えました。
といって、フレーズ、内容は決め過ぎずに。あくまで外枠だけ決めておこうと思っておりました。
プラン
・Bsus4ワンコードでイントロ
メジャーかマイナーかを保留したい
・Bm/A/G/A/
バロック調アルペジオパートここでマイナー確定
・AonG/A/ (AonG
この部分は、四度のコードGのリディアン、Aではミクソリディアンの駆け上がりアルペジオになるのですが、実際には、ルートを移動しても、右手はAadd9とDadd9のアルペジオを交互に弾いているだけなのです。少し難しいかもですが、アッパーストラクチャートライアド的な感覚です。
・C#dim7
ここで「荘厳」というか、ディミニッシュコードで、バロック的な雰囲気を強調ですね。小フーガニ短調(〇〇から牛乳、でお馴染みですかね。※「トッカータとフーガニ短調」の誤りです)のイントロパートのオマージュです。あれは、ベースがDの上でC#dim7を弾くのだったと思いますので、ちょっと違いますが・・・。
ここまではドローバーは「8」一本です。これだでサウンドが“持つ”のは、トーンホイールオルガンならではです。クローンではここまで引っ張れないと思いますね・・・。ここでドローバーの下2本を徐々に出して、サウンドにグラデーションを付けます。
・F#7
ベースを四度上のF#にして、、右手はF#ハーモニックマイナー・パーフェクト・フィフス・ビロウを想定したフレーズを弾きました。これは・・・多分、師匠でもあります厚見さんが何かで演奏されていたフレーズの印象が残っていて、それを再現してみました。弾きながら、「おお、厚見さんっぽいぞ!」と思いながら、弾いていました。すみません、まだまだいちファンなのです・・。
ここのパートの最後を、クロマチックスケールの下行にしたのは、ディープパープルの「スピードキング」へのオマージュでございました。
・グリス~Bsus4→Bm→B△
ここで上鍵盤に移動しました。ドローバーは下4本。いわゆるハードロックの定番スタイルにもどりまして、パームグリスでのクラスターから、Bsus4→Bm。そして、工夫はこの後にB△とメジャーコードに行ったことですね。といっても、これもバッハの小フーガの影響というか、オマージュです。ただ、バッハはマイナーにはいかずに、sus4、sus2からのメジャーですから、マイナーに帰結してからの改めてのメジャーは、その時はオリジナルで考えたと思ったのですが、・・・実は一曲目のUNITEの間奏部分のコード進行からのアイデアの拝借だったようですね。あっという間に、影響されておりました(笑)。
本日追記:
そして、ガッシャンリバーブですが、
Bメジャーのコードを弾き終わって、海月を持ち上げるまでに、一瞬ですが、少しの間を空けています。
これは、持ち上げた時に、コードの余韻がオルガン本体のスプリングに残っていると、スプリングノイズが発生してしまうためです。
実は、リハではこれ(間を空けなければいけないこと)に気づかず、弾き終わってすぐに持ち上げてしまい、遠雷のように「ゴゴン・・・」と、ガッシャンの前に音が鳴ってしまっていたのです。
ですので本番では、一瞬ですが、通常のリバーブと装備されているスプリングリバーブの振動が落ち着くのを待って、よし!そろそろいいか、エイッ、と持ち上げて、落として(笑)いたのです。
(以上追記でした)
本編、これは結構に忙しい曲でして、イントロではピアノの低音をオクターブで、その後、歌の入りと同時にオルガン、そしてAメロでは歌メロに合わたシンセブラス(これが結構難しくも楽しいのです(笑))、そしてまたオルガンでサビを弾いたら、すぐにミニモーグで間奏1。ここは本番ではラップが乗っていましたが、松本さんのギターのハモリを弾いておりました。最初は「ここ、一緒に弾いてもらえますか?」と松本さんにいわれたのですが、「半分からハモってみましょうか」とご提案しますと「是非」とのことでしたので、このような形になりました。そこからまたシンセブラス。セッティング的に両サイドになりますので、物理的な移動が慣れるまで大変でした。これはなかなか難易度が高くて、一番ちゃんとできたのが、本番でした(笑)。
またオルガンでのサビを挟んで、元曲ではクワイアのメロディなのですが、これをミニモーグでなぞって弾いてみました。最後に一オクターブアップさせるのは僕のアイデアでしたが、ここは映像でも抜いてもらっていましたね(嬉しかった)!その直後に、シンセストリングスで四部刻み、その後はまた反対サイドのオルガンに戻って、あとは最後までです。
・・・と、書いていても忙しいですね。でも、メロディ、構成、全てが本当に、本当にかっこいい曲です。弾いていても、「凄いなあ」と感心しておりました。こんな凄い曲のイントロを海月で自由に弾かせてもらえたなんて、一生の宝物です。
ちなみに、リハの時に「どのくらいの長さ、弾いていいのですか?」と稲葉さんにたずねたのですが「全然、お好きにどうぞ」と仰って頂いたのでした。凄い事ですよね・・・。
-------------------------
以上となります。
ありがとうございました!
ではー。