今日は雪が降りましたね。
交通機関の乱れが大変だったようですが、皆様、大丈夫でしたでしょうか。
どうか、お転びになっておられませんように。
もし転んでも、
「七転び八起き」
ですよ。
・・・そんなに転んでも大変ですね(笑)。
お気を付け下さいね。
昨年暮れに、「川村さん、来年の1月18日に、特別授業をやりたいので、協力してくれませんか?」
T京音大の堀井教授から連絡がございました。
きけば、作曲をする過程、曲ができる過程をそのまま学生に見せる、そして出来上がった曲を、個々の学生に一週間ほどでアレンジさせる、という授業だそうで、
僕には、その作曲作業を、ピアノでお手伝いをしてもらいたい、というお話だったのです。
そして特別講師としてお呼びするのが、なんと、あの
中西圭三さん。
皆さん、ご存じですよね。
僕は、・・・僕が大学1年生の時ですから、
かれこれ、29年前から、圭三さんのことを存じ上げているのです。
というか、当時、圭三さんのアパート(本当にまだ、”アパート”でしたね・・・)にお邪魔したこともある、という。
僕も圭三さんも、同じ日本大学。
圭三さんは経済学部、僕は芸術学部と、学部は違うのですがこの学校には「総合サークル」のようなものが存在していて、
各学部の有志が集まって、色々と活動している中に、「総合軽音楽部」のようなものがあったのです。
圭三さんは、当時4年生。そのサークルの大スター。
なんたって、歌が上手い。
とてもじゃないけれども、当時から、学生レベルではなかったのです。
僕はまだ大学に入りたての1年生、18歳でした。
入部した軽音も、思う所あって、1カ月ほどで辞めて、自分でバンド活動を初めていました(≒半分、遊んでいました)。
ある日、僕がわずか一カ月だけ在籍していた軽音の4年の先輩のNさんというギターの先輩から呼び出され、
「経済学部に、岡山の同郷から来ている、すごいボーカリストがいるんだ。俺、こんど、その人とバンドを組むから、川村も一緒にやらないか」
こんなお誘いを頂いたのです。
そして渡されたのが一本のカセットテープ。
そこには「FLOWER LEI(フラワーレイ)」という総合軽音サークルの、ライブの音源が入っていました。
「(・・・うわ、歌、うめーっ!)」
そのテープから聴こえてきたのが、まさに、あの圭三さんの歌声。
バックを務めるバンドも上手でしたし、まだ1年生のペーペーの僕などには、まあ、まったくもって夢のようなお話でございました。
ともあれ、それから一週間ほどしたある日、僕とN先輩は西東京方面、某、学生さんが多く住むので有名なある街におりました(一人暮らしにはとっても良いところです)。
駅から少し入った、住宅街の細い道沿いに扉のあるアパート。
「(この扉の向こうに、あの圭三さんがいるのか)」
果たして、そこに圭三さんがおられたのです。
「どうも、はじめまして」
・・・あの声、でした。
N先輩と持ち寄った自作曲のテープを圭三さんに聴いてもらったり、
・・・って、あとは何をお話したのかさっぱり覚えておりません(笑)。
夜になり、「お腹減ったね」ということになって、
僕は、当時バイクに乗っていたので、買い出しにいくことに。
牛丼、三つ。
バイクのハンドルにぶら下げて(バイクは3台ほど乗り継ぎましたが、あの時乗っていたのは2代目で、YAMAHAのFEZERという250ccのバイクだったと思います)、
アパートへ。
改めて、一人扉の前に立ち、
「(この扉の向こうに、圭三さんが、いるんだなあ)」
と、牛丼片手に思ったのを、覚えています。
牛丼を食べ終わった時でしたでしょうか
「実は今度、池田聡さんのツアーにコーラスとして参加させてもらうことになったんだよね」
池田聡さんは、当時大ヒットを飛ばしていた、やはり日大の先輩ミュージシャンでした。
「はあ、ツアーですか。すごいなあ」
そんなこともあって、バンドを組む、という話はそれで立ち消えになったのでしたが、
以来、
「俺、中西圭三さんの家にいったことあんだぜー」
は、ずーっと僕の自慢の一つでした。
ほどなく、圭三さんも、デビュー。
勿論、あの「ChooChooTRAIN」などのほかにも「Woman」などの大ヒットも飛ばされ、
僕の自慢話は、
「今さら恥ずかしくて言えないね・・・」
という話となっていったのでした。
そして、この自慢話を、昨年の電話の時に堀井先生に何十年かぶりでしたのです!(笑)
「なんとそれは!縁は繋がりますねえ。では、是非やりましょう!決定で!」
ということで、迎えた今日だったのでした。
雪の中でございましたが、圭三さんと29年ぶりの再会。
事前のメールで、上のお話はしておりましたが、
今日、「お久しぶりです」とお会いした瞬間、
「あ、そうだ!そうだ!覚えてるよ!」
と仰って下さったのでした。
「へえ、川村さんは、今はこちらで教えてるんですねー」
「いえいえ、教わることばっかりでー」
今、僕が毎週行っている学校に、「あ、こちらです」などと、圭三さんをお招きするようなかたちで、
今日はスタジオにて、学生たちが輪になって見(守ってくれ)ている中、二人での曲作り&録音が行われたのでした。
堀井先生も、僕たちの演奏と歌に合わせて、即興ドラム打ち込みしてくれて(作業が早いんですよ、これがほんとに)、
僕も、ピアノの後に、ベース、エレピ、オルガンをさくさくっとダビングして(全部、即興のワンテイク演奏でございましたが)、
圭三さんもかっこいいハモを入れて下さって、あっという間に、デモが完成したのでした。
一週間後には、学生が、色々なアイデアでこのデモを曲に仕上げてくるわけです。
いやあ、楽しみー!
・・・って、最後に言ったら、真顔で聞いていた学生の眉がピクピクッ・・・ってしてました(笑)。
大丈夫です。楽しんでやって下さい。
だって、音楽はこんなに楽しいんですから。
音楽をやっていると、こんなに楽しいことが、起こるんですから。
ではー。