く~にゃん雑記帳

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<ピラカンサ> 赤や橙色の実が小枝にびっしり

2015年12月10日 | 花の四季

【南欧~中国原産、実には青酸配糖体という毒成分!】

 バラ科ピラカンサ属(トキワサンザシ属)の常緑低木。「ピラカンサス」や「ピラカンタ」とも呼ばれる。春に白い小さな5弁花を開き、晩秋から冬にかけて果実が赤や橙色に熟す。枝には鋭い刺がある。ピラカンサの「ピラ」はギリシャ語で「火・炎」を意味する「ピュル」から。果実の色鮮やかな色を表す。それに「刺」を意味する「アカンサ」が合わさってピラカンサという属名が生まれた。

 ピラカンサ属の植物はヨーロッパから西アジア、中国にかけて6種あるといわれる。その中で日本で多く栽培されているのはトキワサンザシ(常盤山査子)、ヒマラヤトキワサンザシ、タチバナモドキ(橘擬)の3種。いずれも耐寒・耐暑性があり剪定にも強いことから、庭木や生垣、鉢植え、花材などとして人気がある。実は日当たりがいい場所ほど多くつくそうだ。

 日本でピラカンサという場合、一般的にはトキワサンザシを指すことが多い。ヒマラヤトキワサンザシは葉や実が一回り小さいが、より多く実をつけるのが特徴。インドトキワサンザシ、カザンデマリ(華山手毬)とも呼ばれる。タチバナモドキは実が橙色で、トキワサンザシより葉幅が狭いことからホソバトキワサンザシという別名を持つ。

 ピラカンサは実に青酸配糖体という毒成分を含む。1997年に長野県で渡り鳥レンジャクの大量死があった。その鳥たちの食道や胃からピラカンサの実が見つかり、胃の内容物からシアンが検出された。そのため検査機関は青酸配糖体によるシアン中毒が原因ではないかと推測した。ヒヨドリなどは中毒が起きない程度に少しずつ食べるという。また毒成分は実の熟成とともに消失していくともいわれる。鳥たちもそのことを知っていて年明けを待っているのかもしれない。「海に珊瑚庭にピラカンサスの土佐」(伊藤敬子)。

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