く~にゃん雑記帳

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<奈良・霊山寺> 華やかに薔薇会式・えと祭り

2018年05月21日 | 祭り

【世界平和を祈念し本尊と八体仏にバラをお供え】

 内外の多彩なバラを集めたバラ園で有名な奈良市中町の古刹霊山寺(りょうせんじ)で20日「薔薇会式・えと祭り」が開かれた。バラ園では約200種・2000株という色とりどりの花がちょうど見ごろを迎え園内はまさに春爛漫。鼓笛隊を先頭にした約100人の行列がその庭園から出発し、干支守りの八体仏と本尊の薬師如来にバラの花をお供えして世界平和と参拝者の健康、幸福を祈念した。

 霊山寺の開山は奈良時代の仏僧行基と菩提僊那と伝わる。本堂は国宝、本尊薬師如来は重要文化財。バラ園はシベリア抑留の体験がある先々代の住職がバラの花に世界平和の思いを込め1957年に開園した。薔薇会式は若い世代に平和への祈りを伝えていきたいと、開園30周年に当たる1987年から始まった。普段秘仏となっている本尊もこの日には開帳される。

 

 午後1時にバラ園を出発した行列は天平装束姿の鼓笛隊「まつぼっくり少年少女合唱団」に、十二支のお面を着けた干支面者、バラで飾った御輿、一山の僧、お稚児さんなどが続いた。最初に法要が行われたのは境内のほぼ中央に位置する「八体仏霊場」。生まれ年の十二支に生まれ星座十二宮を加えて、千手観音(子年、水瓶座)から阿弥陀如来(戌・亥年、牡羊・魚座)まで8体の守り本尊がずらりと並ぶ。その前で僧侶が読経を唱え稚児がバラの花を供えた。八体仏のそばにある開山行基の銅像にもバラの花が供えられていた。この後、一行は再び行列を作って本堂に向かった。

 

 バラ園は広さ約4000㎡で「人生輪廻」をテーマとして造園された。入り口から奥に向かってまず母子像のオブジェが置かれた子どもの世界、次にバラの女神を中心とした成人の世界、そして人生を顧みるばらの館がある老人の世界が広がる。京都大学農学部の造園学研究室(監督新田伸三氏)が造園を担当した。新田氏は当時、大阪府営服部緑地の大花壇、奈良の壷阪寺香りの園、神奈川県立フラワーセンター大船植物園なども手掛けている。

 園内では第二次世界大戦が終結した1945年に命名されたという大輪・八重咲き品種の「ピース」をはじめ様々なバラの花が今が盛りと咲き誇っていた。その中でもとりわけ人気を集めていたのがかわいいピンクの小花をびっしり付けた「夢乙女」。その前では写真を撮る人が引きも切らなかった。咲き始めの黄色が日光によって朱色に変化する「絵日傘」というバラの花にもじっと見入る人が多かった。この2品種はいずれも日本で作出されたそうだ。

 

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