【花が幹から直接咲いて結実する“幹生花”】
パナマなど中南米の熱帯地域原産のノウゼンカズラ科ロウソクノキ属の常緑樹。高さは6~7mにもなる。花の後に細長いツヤのある果実がぶら下がって実る。長さは30㎝ほど。原産地では1m前後にもなるという。その姿形から英語名が「candle tree(キャンドル・ツリー)」となり、和名もその直訳で「ロウソクノキ」と名付けられた。
大きな特徴は花や実が太い幹や枝に直接付く“幹生花(かんせいか)”であること(果実を指す場合は“幹生果”)。幹生花は熱帯の樹木に多い。ロウソクノキのほかにもカカオやパパイヤ、ドリアン、パンノキ、タコノキ、ソーセージノキ、ホウガンノキなどがある。日本では枝にびっしり花を付けるハナモモやハナズオウなど。桜のソメイヨシノもしばしば古木の幹に直接愛らしい花を数輪付ける。これは“胴吹き桜”と呼ばれている。
花は直径5㎝ほどの筒状花。黄みを帯びた乳白色で、花びらの縁はフリル状に波打つ。夜に咲いてコウモリなどに花粉を媒介してもらう。学名は「Parmentiera cereifera(パルメンティエラ・ケレイフェラ)」。属名はフランスの農学者A.A.Parmentier(パルメンティエ、1737~1813)の名前に因む。種小名は「ワックスを持つ」「蝋を有する」を意味し、果実の特徴を表す。果実は原産地で主に家畜の飼料として利用されているという。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストには絶滅危惧種(EN)として登録されているそうだ。
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