【地名の日向、それとも明智日向守光秀から? 由来に諸説】
若葉を展開する前に、枝先や節々に淡黄色の小花を無数に付ける。マンサク科トサミズキ属で、同じ仲間にトサミズキやキリシマミズキ、コウヤミズキなど。樹高は2~3mぐらい。それほど華があるとはいえないが、春の訪れを告げる庭木として人気が高い。
トサミズキに比べると樹高はやや低く、花や葉も少し小さめ。このため「ヒメ(姫)ミズキ」の別名もある。トサミズキが1つの花序に7~8個の小花を穂状に付けるのに対し、ヒュウガミズキは1~3個と清楚で控えめなため、区別もつきやすい。
「日向水木」というからには日向地方(宮崎県)に多いと思われがちだが、日向では長く自生が確認されていなかったため疑問符付き。戦国時代、明智日向守光秀の所領だった丹波地方に多く自生していたことに由来するとの説もある。他に「ヒメミズキ」の訛り説も。
ヒュウガミズキなどのトサミズキ属と、ミズキ科のミズキは全く別の種類。ミズキは樹高が10~15mと大きく、地中から多量の水を吸い上げる。春先に枝を切ったり傷つけたりすると、樹液が滴り落ちるため、その名があるという。それならヒュウガミズキも樹液を出すかもしれない。そう思って小枝を切り、しばらくたって確認したが、残念ながら樹液は全く出ていなかった。
では、なぜ地名などの後にミズキとあるのか? トサミズキ属は科名にもなっているマンサク(満作)と同じように黄花を多く付ける。このため豊年満作を意味する「満木(ミタスキ)」と呼ばれ、それが訛って「ミズキ」になったのではないか。そう言われている。
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