言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

またまた地域商品券で?

2015-08-25 09:35:46 | 空想商店街

こんにちは。
お店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。




朝ゴミ出しで外に出たとき、思わずひと言、「寒い!」
Tシャツ1枚に、短パンスタイル。
昨日までの夏の定番スタイル。

昨夜から涼しく、久しぶりのエアコンなし、というか、窓まで閉じて寝ました。

どういう風の吹き回しか=おそらく台風のせいでしょう。

ちょっと厚めのポロを出してきてきました。

昨日の昼間外に出たときも、暑さはあったのですが、何か吹いている風が秋の気配を漂わせていて、その暑さがあまり気にならなかったんですよね。


さて、本題です。

先日地域商品券のことで、ちょっと嫌みなことを吐いてしまいましたが、あの地域商品券は、利用の仕方でもっと有効なものにできるのはないでしょうか。

批判ばかりじゃしょうがないので、今日はとんでもないことと一笑に付されるのを覚悟で、わたしの思いつきですが、練っていけば有効な利用法になるはずのアイデアを披露します。


たとえば、おなじみシャッター商店街です。

空き店舗を活用させようと躍起(?)になっているようですが、何かうまくいってないようです。

それらの空き店舗も含めた一商店街をひとつの株式会社にまとめあげます。
(なかなかしんどいことでしょうが)

もちろんそれは公共的な団体ではなく、第三セクターでもなく、純然たる株式会社です。

その名称を仮に満天株式会社としましょうか。
(この「満天」はこれを読んでくださっている読者の方はご存知のように、わたしがたまにお送りしているフィクションに出てくる商店街の名称です)

そして満天株式会社(以下、満天)が空き店舗に入る企業主を、入りたいという人ではなくて、こちらから選んで営業して利用そてもらうように務める。

そのためにフォローはもちろん行うことが前提ですが。

満天商店街でもともと営業している店舗は、満天に出資しているという前提で、そのまんま営業し続けてもらい、空き店舗に入ったお店からは地代(とりあえず)をいただく。その地代の一部をもともとの地主に支払う。

ここまではまあ普通のこととしてありそうですが、ここで例の地域商品券が登場してきます。

その地主に渡す地代の一部(50%ぐらい)を、地域商品券として渡すわけです。

そうすると地主は、半ば強制的に、その地域で買物をしなければならないわけです。

それは、空き店舗をずっとシャッターを閉じたまま商店街の景色を悪くしていた罪滅ぼしという意味合いもあります。

まずここでひとつ地域商品券が民間の手で運営され始めます。

ここからです。

そこで活用され始めた地域商品券ですが、その地代の一部だけでは終わらせずに、各店で回り始め、それが少しずつその小さな地域から広がっていく仕組をつくっていくのです。

たとえば、満天に属している個店では、お釣りの一部にその地域商品券を渡すとか、満天に個店を売ってしまいたいというお店の人には販売価格に一部を、負担にならない程度でやはり地域商品券にするとか、どんどんそのアイデアは広がっていくと思います。

そこからはまたフィクションンのような長い物語になりますので、ここらでいったんやめておきますが。


まあ夢物語だからと思う人はそれでいいです。
確かにその通りで、実際にそれをやろうとすると、地元の人間から多分最初は総すかんを食らうでしょうから。

補助金だけを目当てにしてきた人たちは、自分たちの懐からお金が出るのを一番嫌いますからね。


でも地元振興、復興、再興と言いながら、役所が補助金をつぎ込んでいるのに、どうして振興しないのでしょうか?

どうして復興の気配がないのでしょうか?

なぜ、再興できていかないのでしょうか?

そんなことを自分の身になって考えてみたこと、あります?


暴論でしょうか?





それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

「井戸端会議をやろうよ」(その1)

2012-08-06 11:23:30 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



「井戸端会議をやろうよ」(その1)



「おい、今度は何をやらかすんだ?」

ここは満天通り商店街の振興組合事務所だ。

次回のイベントの準備のために事務所に詰めていた理事長の米田さんや他の理事に、たまたま用があって入ってきた商店街で薬局を経営している亀山さんが、
からかうように聞いた。

「あら、亀ちゃん」

そう、亀山さんはその名の通り、みんなからは“亀ちゃん”と呼ばれている。

名は体を表すと言うが、亀ちゃんに関してはその言葉は全然当たっていないように思われる。

むしろ“馬ちゃん”、とでもあだ名をつけたいほど長い顔をしている。

身長のない身体に長い顔が、ちょっと不釣り合いで、それがまあ愛嬌と言えば愛嬌だが、口が悪いのが難点だ。

しかしとりたてて本気で悪いことは言わないので、今はお年寄りだけになってしまった自身の店のお客からは、何とかそっぽを向かれないで、細々とだが、営業を続けられている。

しかし亀ちゃん自身ももうすでに65も過ぎて、店は70歳ぐらいで閉めてしまおうと考えているようだ。

周囲にはそのことは漏らしていないが、ふたりいる子どもも両方とも女で、すでに他家に嫁いでいて、店の跡継ぎがいないからだ。



こういう店が満天通り商店街には実は多い。

いやこれは全国的な傾向で、どの地方でも、後継者がいないとか、子どもが継ぎたくないとか、子どもにこんな店は継がせたくないとか、そんなこんなで代替わりになると、店がシャッターで閉じられてしまう。

店がうまく行かないでやめていくのはむしろ少数派だ。

商工会議所がチャレンジショップと銘打ち、新しい経営者を援助して出店を促して入るが、そこでやろうとする若い人はまれだ。


それは一度でも、土、日曜日に商店街を歩いてみると分かる。

人通りが少ないのだ。

こんなところで店を開いても、よほどでないとお客様がやってくるようには思えないのだ。

だからイベントをやって人を集めようとする。

それがまあ常套手段だ。

しかし、それが常套手段である意味において、すぐにマンネリにもなるということだ。



そうして最近では「イベントやっても、客は来ねえなあ」という嘆き節がそこかしこで聴かれるようになっているというのも、これまたどの地方でも大体同じことではないかと思う。

個店の集客がイベント頼みになっているという時点で、イベントそのものは失敗、とまではいかなくても、マンネリに陥っている。

言ってみればイベント予算の垂れ流しだ。



                                       つづく


<2>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(8)

2012-05-31 11:45:24 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(8)

「母さんの台所」の忙しい時間は一日に4回ある。

まず早朝の準備。そして作りながらのお客様への対応。

そうして午後の夕食用のおかずづくり、最後は戻ってきたお弁当箱の洗浄と炊事場の掃除だ。

昼食時間用のお弁当は朝の流れで作ってしまうので、お昼どきはお客様への対応だけですむ。



当初始めたときは、本田さんのアドバイスではお弁当だけだったが、店は開けていなかったが、昼間にもお弁当を売ってほしいという人がちらほら現れ、余っていると言っては語弊もあるが、余分に作ってあるお弁当を分けていたのだが、少しずつ多めにしているうちに、これぐらいのお客様がコンスタントに来るのなら、お昼もきちんと開けようということになった。

すると今度は、夜にお弁当箱を返却に来たお客様から、もしお昼のものが残っているようなら、これから帰って作ると遅くなってしまうので、夕飯用のおかずに売ってほしいという人も現れ、これもいつしか定番として営業するようになった。

そんなこんなでいつしか「母さんの台所」は、朝から晩まで営業するようになった。



サラリーマンや職人さんを中心に相手にしているので、土、日は今のところ休みだ。

しかしその休んでいる土、日曜日にも開けたいという人が現れた。

その日は、一般のお客様に持ち帰りランチを販売したいという。

しかしはっきり言って、まだこの満天通り商店街の土日の集客はうまく行っていない。

果たして今のままの来店客数で、持ち帰りランチがどの程度出るのか読めないから、と言う理由で、その人に思いとどまらせているところだ。

本当のところはとてもありがたいことで、土日の営業は願ってもないことだが、すぐにダメになるのが目に見えている今の段階ではとても商店街全体でもオーケーしづらいというところが本音で、その本音を差し置いてじゃあすぐにやってくださいとは、理事長も言えないのだ。



もう少し、みんなの努力でお客さんの足がこの商店街に戻ってきてくれたら、一番に推薦で出してもらいたいと考えている。



満天通り商店街の、一新された振興組合のメンバーによる振興策の最初の「母さんの台所」は、何とか今やっと軌道に乗ってきた。

これからだ。

その手応えも充分にある。

もう少しのところだ。




                              第1話「復活弁当」おわり




(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(7)

2012-05-14 10:48:13 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(7)



いつもなら閉じられている店のシャッターが、数年ぶりで開けられた。

そこに入っていったのは、満天通り商店街で青果店を営んでいる大艸と、理事長であり精肉店を営んでいる田島、それに役員で鮮魚店を営んでいる増野、そして同じく役員で雑貨店の村上の4人の商店主たちと、販促コンサルタントの本田だ。

そこは3年ほど前に閉店した大衆食堂だった。

閉じられたまま3年も経っているので、中はもちろんほこりがたくさん積もっていると思いきや、暗い店内のテーブルやカウンター、椅子などの上には、
うっすらとあるかなしかのほこりが積もっているだけだった。

「清さんは律儀な人だったから、毎年閉めていても1年に一回は掃除していたんだな」

増野が言った。

「ああ、ここを閉めた日は最後は涙を流して、ひとつひとつ触りながらお礼を言ってたっけ」

大艸が言った。

「でも、去年倒れちゃったからなあ。それまでは何とか再開したいって、いろいろがんばっていたけどなあ」

村上が言った。

「ここを使わせてくれって奥さんに言ったら、びっくりしてうれしがっていたよ」

満天通り商店街の現理事長でもある田島が言った。

「みなさんそれぞれ、歴史がありますから。閉店したからって、なかなか店を手放すことはできないですよね」

本田が最後に言った。

「それじゃ、まあちょっと調理場を見せてもらおうか」と田島を先頭に調理場の方へ進んだ。

電気は切ってあるので、それぞれ懐中電灯を点けて奥へと入っていった。

田島が調理場の隅から隅へと懐中電灯を移動させながら照らしていった。

きれいに片付いていた。

ステンレスの調理台の上には、大きさの違う寸胴が3つ伏せられている。

鍋や釜類もきちんとその場所におさめられ、まるで次に使われる時を待っているようにそれぞれの場所にあった。

「すぐにでも使えそうですね」

本田が言った。

「ああ、明日からって言ってもできそうだな、これなら」

田島が言った。

「大丈夫だ、これなら。いつでもOKだ」

大艸が言った。

「じゃあ早速電気とガス、それに水道に連絡して、使えるようにしてもらおう」

田島が言ったのを汐に、5人は外に出た。

これから始まる新満天通り商店街の第一歩が、これだと確信しながら。


<8>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(6)

2012-05-07 10:32:47 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(6)


「さてそれはまあ、今度の新しい役員さんたちにまかせておいて。なあ増野さんよ、こないだからちょっと話してる例のこと、今から本田さんと練ってみようよ」

やっと本題に入りそうだ。

すでに本田の腹の中には、ビールがたっぷり入っていた。


「何でしょう」

「うん。ほら本田さんが以前ちょっと話してたことがあったろ? 店同士が集まって、もうひとつお互い扱ってる商品を持ちよることができる店を作るって」

「ああ、はい、あれですね」

「そうなんだ。俺たちちょっと考えてみてさ、本田さんがお弁当屋さんをやったらどうかって言ってくれた時があったろう。今まで自分たちが扱ってきた商品を持ち寄って作るわけだから、まったく新しく店を作るよりも、予算をつぎ込まなくていいんじゃないかって」

「ええ、コラボ弁当屋さん、のことですね」

「そう、そのコラボ弁当!」

「具体的に聞かせてくれないでしょうか」

田島が身を乗り出していった。

「以前もどこかの講演で話をさせていただいたんですが、空き店舗ーーそれも飲食店を以前にやっていたところをですね、そこをまず借りることですね。
みなさんたちだったらみんな知り合いですからそのあたりは簡単ですよね。貸す方も、みなさんだったら安心だということもあるわけですから」

「1軒、心当たりがあるんだ」

増野が言った。

「2年ほど前まで洋食屋をやっていた店なんだけどね。その店の清さんという人が、店やめたくなかったんだけど、倒れちゃったんだよ。本人は治ってからも再開したいようだったけど、やっぱりこのご時世だろ。いったんやめちゃうとね、なかなか」

「その店が空いているんだ」と田島が言った。

「清さんも愛着があるから、今でもきれいにしてあるんだよ。それでね、こないだ本田さんのこともあって、ちょっと清さんに聞いてみたんだ。そしたら俺たちに貸すんだったら、うれしいって言ってくれてね、それで」

「それで、じゃあやろうよってことで、具体的に進めたいから、本田さんを呼んだわけさ」大艸が後を引き取った。

「清さんもアドバイスぐらいはできるし、自分の名前があるとほら調理師免許が活かせるし、って。もうトントン拍子に話が進んじゃってさあ」

どうだろ、と全員の視線が本田に向いた。

本田も頷いた。
 

                                     つづく

<7>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(5)

2012-04-30 11:51:16 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(5)


このお弁当屋さんの名前は「母さんの台所」という。

本田の提案で作られたが、ネーミングは参加した女性たちからの提案で決めた。

最初は、かっこ良く「キッチン何とか」というような名前がたくさん挙げられたが、何となくしっくり来ないねえという実際に店を運営する人たちの意見から、お母さんたちが自宅の台所で作るようなお弁当屋さんを目指すんだから、そのままの名前の方がいいんじゃないのという意見が採用された。

でも結果的にこのネーミングが評判を呼ぶことになったのは、先見の明があったのだろう。

また運営方法なども本田の提案を骨子に、お母さんたちが自分たちで肉付けしていった。

そして運営途中で欠点が見つかったらその場でみんなで話し合って、すぐに直していこうということも、お客さんたちから支持を受ける要因にもなった。



しかし最初この「母さんの台所」を始めようと集まったのは、男たちだったのだ。

それはこの物語とは別のところで述べているので、詳しくは述べないが、ざっとあらすじをたどってみよう。



それは、あの満天通り商店街の総会が、みんなの予想外の、本田にとっては予想通りの展開となった直後から始まった。



例の総会が波乱のうちに終わってから1週間後のことだった。

本田は旧役員からまた呼ばれていった。

名目はお疲れさん会を開きたいということだったが、あの総会のことを考えると、もしかしたら吊るし上げに逢うのではないかと、半ば以上は恐怖のうちに、おっかなびっくりという感じで訪問したのだ。

しかし、商店街にある居酒屋の予約席に落ち着き、「まずは本田さんお疲れさんでした。ありがとう」と言ってビールを差し出された時に本田の危惧はすぐに雲散霧消した。

そのときの四方山話で盛り上がった。

「いや、まあね。ちょっと腹が立ったときもありましたよ、実際のところ」

村上が言った。

「この野郎、勝手なことを、ってね」

「でも本田さんの言う通りなんだよ」大艸がその後を継いで言った。

「俺たちも、心の中じゃ何となくわかってたんだけどなあ。でも第三者に言われて、なんだかやっと目が覚めたっていうか、覚めさせられたっていうか。自分の心の中を誰かに言ってもらって、ちょっとはほっとした部分もあったし………」

「ああ、その通りだな」

3人も相づちを打った。

そうして会も半ばを過ぎた頃だった。



                                  つづく

<6>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(4)

2012-04-23 11:06:18 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(4)

「ほらお年寄りの話しね。役所から言われてるの。毎日お弁当を頼まれていない人も、一応見回ってくれないかって。そういったボランティアもやってるのよ。みんな仲間だからね」

「なるほどね」

「あ、ところでさ、あんた名前と住所、それに電話番号、いいかな書いてもらって。一応ね、ほら顧客リストって言うの? あれ作らなくちゃならないのよ。ほらそうすると毎日作る数がつかめるし、ロスも少なくなるのよ。それに、なんかさあイベントするときなんか、お知らせしたりしたいから」

そういって喜久代さんは用紙とペンをサラリーマンに渡した。

サラリーマンが各項目に書き込んでいく。

「ふ~ん、林颯太さんねえ、いい名前ねえ。え、けっこうここから遠いじゃないの? なんでここまで来てくれたの、わざわざ?」

「実は、ですねえ。喋っちゃっていいのかなあ………」

「え、なんなの?」

「あのう、ですねえ。ぼく、実は本田さんに頼まれたんです。この商店街に新しくこういうお弁当屋さんができたから、ちょっと様子を見に行ってくれって。まあ言ってみれば偵察、というか、そういうことなんです」

「なあんだ、本田さんも嫌みな人ねえ。自分で確かめにくればいいじゃないの、ねえ」と喜久代さんは奥の厨房の方に向き直り、みんなの同意を求めた。

何だか形勢が悪い方向に向きかけたので、サラリーマン林颯太は、慌てた。

どうしよう、言っちゃった。

本田さんにも怒られる。

「じゃああんた、名前なんて言うの?って、さっき書いてもらったよね? ええと、あ、林君、だ。林君、本田さんに言っときなさい。美人ばっかりのお弁当屋さんで、ぼくもいっぺんにファンにになっちゃいました、って。いい?」

「あ、はい。きっとそうします!」

林颯太は喜久代さんに最敬礼した。

「きっとよ! じゃないとあんたただじゃおかないからね! 私らこけにしたら、そりゃ恐いわよ~、ねえ?」

喜久代さんは奥に向かって相づちを求めた。もちろん全員がわざと睨みながら、頷いた。

「分かりました!」

林颯太は、そそくさとお弁当を手にして、走っていった。

その後ろから喜久代さんたちの大きな笑い声が追いかけていった。




                               つづく



<5>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(3)

2012-04-16 10:39:50 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



空想商店街 「復活弁当」(3)

「その他にもまだメニューのことなんかあるんだけど、今お客さん忙しいでしょ、だからまた帰りに見えたときに説明しますね」

「うん、けっこう急いでます」

「あら、ごめんね。悪かったわ。じゃあこのランチョンラップ、面倒ねえ、風呂敷でいいじゃない、ねえ? これサービス」

「え、いいですよ、そんな」

「ううん。だからっていうわけじゃないけど、会社のみんなにも宣伝してちょうだい、ね。ごめんね厚かましくて。本田さんから、あ、コンサルタントの人ね、本田さんから、最初の人には必ずそう言うように声をかけなさいって、言われてるのよ。迷惑だったら聞き流してね」

「はい、聞き流しました」

「え、あんた、正直ねえ」

「嘘だよ、おばさん。ちゃんとみんなに宣伝しとくよ」

「おばさんからかっちゃだめよ。でもありがとね。じゃあハイこれ、今日のお弁当。ええと今日は悪いけど現金でいただきますね。お弁当が500円と、その他のものを入れてと、ええと消費税込みで3045円ですけど、悪いわね、今日は高くついちゃって」

「いやいいです」

「はいこれ、ありがとうございました」

「うん、じゃあ行ってきます!」

「行ってらっしゃい!」



                                つづく


<4>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
今日の分はちょっと短い感じですが、ご容赦ください。

あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(2)

2012-04-09 10:04:59 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



「復活弁当」(2)


朝の8時を過ぎると、常連客に混じって、噂を聞いて弁当を買いにくるお客も来るようになる。

そういった見ず知らずのお客にはまずていねいにその店のシステムを説明する。

この弁当屋はただ毎日弁当を作って店頭でを販売しているというのではないのだ。

「いらっしゃいませ。うちはお客さんのお弁当箱とかランチジャーとかを預かって、それにお弁当を詰め手渡すというような形なんですけど、いいですか?」

「え、そうなんだ?」

今日もまた一人、新しいお客様がやってきた。

リーダー格の喜久代さんが説明を始める。

初めてのお客様にはこれを納得してもらってから利用してもらうことになっているので、最初は必ず戸惑ってしまう。

一応システムを書いた大きな掲示があるが、お客様はたいていそんなものは見ないで、いきなり注文を始める。

それが当たり前のことだから、始める際にはこういったおきゃk須天にはできるだけ笑顔で親切にシステムを説明することを徹底している。

イラスト入りの説明リーフを相手に渡し、それぞれの箇所を指さしながら説明する。

もどかしいが、こういうシステムをとったことにはわけもあるので、それは絶対に必要なことなのだ。

「ええ、それでお帰りの時にまた寄ってもらうんですけど、そのときに空になった弁当箱とかランチジャーとか、また預かるわけです」

「………?」

「ああ、洗ってなくていいんでしょ、全然、そのまま。むしろ食べ残しもそのままにしてもらった方がいいんですよ。その方が嫌われているおかずなんかよく分かりますからね。うちの甥なんかそりゃもう好き嫌いが多くってねえ、よくおかずを残すんですが、まあやつには食べ残したおかずでもまた入れてやりますけどね、は、は、は」

喜久代さんは大きく口を開けて笑うと、そのサラリーマン風のお客もつられて笑顔になった。

「それで次の日もいるかどうか聞きます。いらないときはいらないって言ってももらえば作りませんから。お金はお弁当を渡すときにもらいます。これは毎日ですけど、何ヶ月間か利用してもらえるようになったら、月ごとの計算でその月の終りにいただけるようにもできます。うちはまだここ始めてそんなに日にちが経っていないので、まだそのお客さんはいません。いずれそうしてほしいというお客さんにはそうしようとは思ってますけどね」

「なるほどなあ、面白いシステムですね。これって、皆さんが考えたんですか?」

「あ、いえね、このやり方は、この商店街を見てもらうことになったコンサルタントさんのアイデアです。それに単純に乗っかったってわけです。売れない売れないって、指くわえて見ていたって始まりませんからねえ。何かやらなきゃってことで、ここにいるみんなが集まったってわけ。おばあさんばっかだけどね」

「あ、いや、そんなこと………」

「そんこと、あるでしょ。ははははっ!」

サラリーマンも笑わざるを得ない、喜久代さんのあっけらかんとした笑顔だった。

「あ、ごめん。時間ないのに。まあそういうわけだから、ね。今日お弁当いります?」

「あ、もちろんそのつもりで来たわけで………」

「そりゃそうだわねえ、お弁当屋に雑誌買いに来ることないもんね。ごめんなさいね、じゃあ今日のところはうちのお弁当箱使ってくださいね。洗ってこなくていいですから。それでついでにお弁当箱と包むもん、それにそうだそうだお箸も持ってきてくださいな。あ、そこにうちで売ってるお弁当箱やランチョンラップ、あ風呂敷のことね、いろいろありますから、見て良かったら買ってください」

「あ、面倒だからそうします」

と言ってサラリーマンは、店頭に陳列されている弁当箱と風呂敷、そしてお箸を適当に選んでそれに詰めてもらうことになった。


<3>へつづく。

(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

空想商店街 「復活弁当」(1)

2012-04-02 09:54:02 | 空想商店街
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーは基本的にフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


  満天通り商店街は、わたしの頭の中にある空想商店街である。
  今日も今日とて、ある商店の1日が始まっている………。
  もちろんどこの商店街とも似通ったような、
  今やどこにでもある地方のシャッター通りである。
  このシャッター通り商店街が、わたしの頭の中でどのように変わっていくのか、
  わたしにも皆目見当がつかない。
  さてさてどんなことになるやら。
  もしかしたら、商店街がなくなってしまうかもしれない。
  そんなことが起こらないように頑張っていかなくては。
  それでは今日もどうぞ。



「復活弁当」(1)


朝6時。

普段でも閉じたシャッターが多い中、そのうちの1軒の店が、大きな音を商店街の中に響き立て、勢いよく上に上げられた。

しばらくすると、灯と一緒にリズミカルな俎を包丁でたたく音も外にまで漏れ出てきた。

その音を耳にするだけで喉が鳴りだしそうだ。

時おりはシャキ、シャキっと新鮮な野菜を刻む音も聞こえる。

それとともに中年女性の声が店の外にまで灯と一緒に出てくる。

喜久代さんの声だ。

この中のリーダー的な位置にいるのは、あながちその張り切った声にあるといっても言い過ぎではないと思う。

喜久代さんの声に対して、漫才のようにツッコミを入れるのが、最年長の香世子さんだ。

二人のやり取りの合間には、友子さんや照美さん、郁子さんの声が混じる。

それでここにいる全員だ。


そのうちにうまそうな匂いが商店街の通路にまで漏れだしてくる頃になると、その元気な声もしばらくは途切れる。


シャッターが開いてから1時間ほど経つと、若い男がひとり、ふたりとやってくるようになる。

みんな工員風だ。

店の前に自転車を止めて中に入っていく。

そしてしばらくすると、弁当のような荷物も手にさげて出てくる。

それと入れ替わりに、マフラーを取り外したような爆音を響かせて、また若い二十歳にもなっていないような作業着姿の男が店の前に乗り付けるーーーまだ商店街の中はクルマも自由に通れる時間なのだーーーと、一応エンジンを切ってやはり中に入っていく。

「おばさん、おはようっす! 今日のおかず、何?」

すかさず喜久代さんの声が響く。

「お子ちゃまハンバーグ! あんたにぴったりだろ」

「やめろよ、俺、お子ちゃまじゃないからな! この通り自分で稼いで食ってんだ。いい加減子ども扱いはやめてくれよ、おばさん」

「よし、じゃあそのおばさんをやめて、お姉さんて言えばいつでもやめてやるよ」

「そりゃ無理だよ、おばさん。だっておばさん、なんだもの」

大空と書いて、無理矢理のぞむと読ませる名前をもつこの若い男は、喜久代さんの本当の甥だ。

だから「おばさん」はおばさんだから、それもしょうがないというところだが、大空の言い返しはどうしても小さな声になってしまう。

ちょっと困った顔つきだが、そこにはうれしさも混じっている。

「うちからしたらまだまだねえねえだよ、大空は。あんたうちのおっぱい、ちゅうちゅう吸ってたときだってあるんだから」

「もうやめてくれよ、いい加減そんな話は!」

そこでみんなの笑い声が、大きく外に飛び出す。

「はい、大空くん。今日のお弁当!」と大きな声で言って、大空専用のランチジャーが、友子さんから手渡される。

「オーケー、じゃあな、おばさん!」

「オーケーじゃないよ! あ・り・が・と・う、でしょ。工場で働いてるからって、挨拶は挨拶。きちんとしなさい!」

「ワリィ~。ありがとさ~ん」

大空は語尾を言い終える前に、もうすでに車に乗っている。

そして来たときと同じように、大きなエンジン音を響かせて、大空は出かけていった。


                                    つづく

<2>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
基本的に毎週月曜日の配信です。もちろん無料です。
今すぐにアクセスして、登録してください。

群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co

E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)