言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

コピーライターになりたいか<50>「わたしの嫌いな言葉・フレーズ」

2012-03-26 10:42:55 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。

この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それではいよいよ最終回の第50回目です。


50.わたしの嫌いな言葉・フレーズ


いつまで続けられるかなと思っていたら、もう50回です。自分でも感心しています。

ということで、今回のテーマは「わたしの嫌いな言葉・フレーズ」です。
コピーライターを続けるために、どうしてもこだわっておきたいこということです。

1.『自分を誉めてやりたい』
ぼくのコピーライター歴は約30年。
われながらよく続いたものだと思っています。
でも、自分を誉めてやろう、などと、そのような言葉で自分をほめることは、しません。
コピーライターという仕事を選んだのは、自分です。
選んだ以上はその職業に誇りを持ち、力を落とさずに続けていくことが、当り前なんですね。

特にスポーツ選手がよく口にしますよね。
本人は何気なく言っているようなのですが、「自分を誉めてやりたい」なんて。
あの言葉を耳にするたび、ぼくは虫酸が走ります。嫌いなんです、その言葉が。

特に自分のことをあたかも他人が言うように自分を客観化して言うような言葉。
でもちょっと待てよ、自分でそれを選んだ以上は、自分に責任があるんとちゃうんかい(関西弁になってしまいました)。
自分が成し遂げたことを誉めるということは、嫌々ながらでもよくやったとか、というようにも思うんですね。
だからよくやったと、誉めたくもなるということですから。

でも、責任があれば、それは当然のことであって、何も誉めるようなことではないんです。
あんたがそれを選んでやったことなんだから、それが当然であって、何も自分から誉めるようなことではないのだ。
他人がほめる分でも、自分で誉めてはいけない。

自己陶酔。
自分の酔ってしまっている。いやだね。だからこんな言葉はコピーとして使いたくないんです。


2.『夢を与えたい』
何を偉そうなことを言ってるんだ。そう思いませんか。
これもスポーツ選手が、よく口にする言葉です。
最初、どこかのバカな選手が言ったのでしょう。
バカなインタビュアーが、「あなたのがんばりが多くの人に夢を与えましたね」なんて。

そうすると単純な人は、「ああ自分は人に夢を与えたんだ!」と感動するんです。

これは思い上がり以外の何ものでもありません。腹が立ちます。
お前に夢なんか与えてもらわなくっても大丈夫だよ、なんて反発してしまいます。

素直じゃないんですかね。自分ががんばって、それを見ていた人が夢を見ることはいいのですが、それを偉そうに自分が与えるなんて、思い上がりも甚だしいと、ぼくはいつも思っています。

君のがんばりは認める。(お前になんか認めてもらわなくてもいい、か)
でもそれは君の行為であって、見ている人がどのように感じるのかは、また違った次元の問題であって、君がそれを強制するのは間違っている。
自分のことは自分だけで感動していればいいことなんです。

コピーでは、こんなくだらないフレーズは決して使わないでください。
あなたがコピーライターであるならば。--コピーライターでなければ、別に使ってもいいでしょうけど、あまり感心しませんね。

3.『読み聞かせ』
これも、何を偉そうなこと言ってるんだ、といつも反発しています。
新聞などの家庭欄にも堂々とこの言葉が使われています。
子供に童話を呼んであげることを、一般的にそう呼ぶのだそうですね。
もっといいネーミングがあると思いますけどねえ。

「読んであげる」と言うのならまだいいと思いますが、読んで聞かせる、というのは、まるで封建時代の殿様と家来の関係のようです。
読むあんたは、子供に対してそんなに偉いのか。ということなんです、いつも感じるのは。
読みながら自分も勉強するのだ。そうじゃないでしょうか。
子供と、読んでいる大人の間にある差は、ただ年の差だけです。

大人は子供よりちょっと先に生まれてきた者、というだけのことです。
単純だから、錯覚しているんですよね、<読み聞かせ>する人たちは。
先に生まれてきたんだから、先に生まれた者の方が「上』なんだって。
あなたがいい(ちゃんとした)コピーライターとして自立したいのなら、決してそんな言葉で逃げないでください。
みんなが納得する言葉に置き直してください。

4.『子供の夢をこわすような行為はいけません』
悪いことは誰だってしたくはない。でもそれをやってしまう。人間だから。
マスコミ、特にコメンテイターやアナウンサーが、有名人が不祥事を起こした時によく使う常套句。
特にスポーツ選手が喧嘩をしたり、交通違反をしたりした時に、その批評として口にしますよね。

子供ってそんなにバカでも単純でもない。
子供をだしにして、逃げているのだ。
どうしてその行為そのものがいけないんだ、とはっきり言えないのだろう。

まだまだありますが、長くなるのでここらでやめておきましょう。
共通していえることは、すべてそれらが常套句だとか、言い古されてきている言葉ということです。

もしくは、自分を他人に置き換えて(客観的に)言っている言葉。
「わたしって、○○が好きな人なの」というような言い方。そんな言い方、表現方法でしか表現できない言葉が嫌いなんです。

あなたもコピーライターなら、こだわるって言葉はネガティブであまり使いたくないんですが、自分はこれは絶対に使わないというありふれた言葉、常套句をちゃんと胸に刻みながら、いいコピーを作ってください。

                                   おわり



今回でこの「コピーライターになりたいか」は終了です。
長い間の連載でしたが、一応これで終止符を打ちます。
愛読していただいた方にはお礼を申し上げます。
ありがとうございました。
またコピー関係では、これからも気づいたことや実例を参考にしながらこのブログで綴っていきますので、引き続きこのブログをお読みいただくとありがたいなと思います。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサーの藤田でした。

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コピーライターになりたいか<49>「良くしようと手を入れて悪くなる」

2012-03-19 10:01:12 | コピーライターになりたいか
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それでは第49回目です。いよいよラス前というところまで来ました。
来週配信分がラストになります。

49.良くしようと手を入れて悪くなる

良くしようと手を入れて悪くなる。
そんな経験ありませんか。

身近な例では、テレビ番組があります。深夜枠で放送されて面白いと人気が出ると、不振のゴールデンタイム(プライムタイム)の番組に代わって、乗り込んでくる。
しかし、ゴールデンにくると、とたんに面白くなくなる。

こんな番組。ずいぶんありますよね。
「やはり 野に置け れんげ草」なんですよ。
それはその時間帯だから、面白いのであって、さらにはその時間帯に見る視聴者が、そういったものを面白がる傾向があるからの面白さで、ごく一般的な人々が見ても、そのコアな面白さが理解できないのです。

さらに、もうひとつ。
一番の悪いところ。それは、せっかくの面白いプログラムに手を入れること。
30分番組だからこその面白さであったものが、1時間物になるからというので、中にもうひとつ面白いものを入れよう、さらには人気コーナーをもっと面白くさせようと、何かもうひとつアイデアを加えて、グレードアップさせる。それがほとんどの失敗を招く原因なのです。
そんな番組、あなたもきっと2、3、すぐに思い当たるでしょ。

もっと面白くしようとして手を入れると、失敗する。だいたいゴールデンに来て潰れる番組はそんなものです。余計なことをするな、です。
ことわざにあるじゃないですか。

    『蛇足』

まさにそれですね。

その番組やコーナーの面白さは、それだから面白いのであって、そこにもうひとつ何か「足」を入れてもっと面白くしようとすると、そのコーナーのコンセプトが違ってしまうんですね。
それを分っているディレクターなり、プロデューサーって、案外少ないんですね。

判っている人は、悩むでしょうね。
これはこの時間帯だから面白いのに。そんな時間帯に持っていってしまうと、面白さが半減してしまうんだよとか。
たとえば以前面白いという評判の「時効警察」ってドラマがありましたよね(ちょっと古いか?)。
あれを夜の8時台にそのまま持ってきたと考えてください。きっと評判は落ちると思います。
あのドラマが持っているコアな面白さの判る人はいると思いますが、
見る人が多くなれば、全体的に見る人の嗜好範囲が広まり、それと共に薄くなってしまうんです。

皿の上に出した濃い醤油を、水のたくさん入った大きいボウルに入れてしまうようなものです。
醤油の味は少し残りますが、全体に大味になってしまいますよね。
そういうことです。

また、15分とか30分とか短いから切れ味があるんであって、倍の長さにすると、その切れ味が鈍ってしまうということもあります。

「すべらない話」という人気番組。
あれだって特番で2時間もゴールデンタイムで何回もやりましたよね。
それぞれの芸人さんの話そのものは相変わらず面白かったけれど、そのあとにゲストの話やら表彰などという、やらなくてもいいようなことをやったおかげで、面白かった話がどこかへすっ飛んでいってしまった感がありました。
かといって、あのすべらない話を2時間聞いているのもちょっと苦痛かな、とも思います。
やはり深夜枠でやっているあの時間がちょうどいいのでしょう。

現在注目されている番組を、よほど力のあるディレクターでなければ、さらに面白くすることはできないでしょうね。


コピーだって、デザインだってそういうことなんです。
もっと良くしよう、これも入れればさらに良くなると思って、あとひとつふたつ情報を追加してみる。
そうなるとまるで別物のくだらないコピーになってしまう、ということが多々あります。



経験ありませんか。

自分ではこれが一番いいと思っているのに、上司に、これ入れればもっと良くなるから入れてみろ、なんて言われて、それをクライアントに持っていって、けなされる。
余計なことをしなければ良かったのにねえ。
かといって、上司の命令には逆らえないし。

そんなときはどうします?

自分でクライアントと話せれば、そのときに、じゃあ、このコピーちょっと取ってみましょうと言って、取ってしまいましょう。
それでOKが出ればしめたもの。

上司には、クライアントの意向ですと言えば、それでOKですからね。
でも、コピーの追加修正をクライアントに言われたら、ちょっときついですね。

そんなときには、自信のあるコピー案と、クライアントの言うコピー修正案2点を見せてみることをお勧めします。
よく分っているクライアントなら、きっとあなたの案を採用してくれるでしょう。
担当者がデクノボウだったら、それはそれであきらめましょう。
金を溝に捨てるのは、あちらさんなんですから。


とにかく、コピーにたくさんの情報を詰め込むのは、やめた方がいいです。
せっかくの言いたい部分が、その他の余計な情報で霞んでしまうからです。

しかし、最初作る段階では、ほとんどすべての情報を入れこんでみることが必要です。
そして、何回も読みながら推敲し、少しずつ削っていくんです。
もうこれ以上削ったら、情報は伝わらなくなってしまうところまで、ギリギリ切りつめます。

そしてもう一度、今までに削った情報が必要でないかどうか、検討してできあがるのが、本当のいいコピーではないかな、と思います。

それが凝縮された、素晴らしいコピーなのではないでしょうか。


<ラスト50>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
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コピーライターになりたいか<48>「なってどうする、コピーライター」

2012-03-12 09:14:24 | コピーライターになりたいか
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それでは第48回目です。

そろそろ約束の50回に近づいてきましたね。
これが終わったら、次は「ぼくの空想商店街(仮題)」というフィクションを連載しようと思っています。
自分が思う商店街の様々な形態を空想のままに書き綴っていくものです。
実現不可能なものばかりだと思いますが、それを参考に何か新しいものが動いてくれればいいなと思っています。



48.なってどうする、コピーライター

前回も、今回も否定的なタイトルですみません。

コピーライターを目指しているあなたは、コピーライターになっていったいどのようにしていきたいのかというヴィジョンを、持っていますか。
始めたばかりでは、まだ海の物とも山の物とも判らないものに対して、明るい幻想は抱けませんよね。
まあ逆にいいますと、幻想は持たないで、コピーライターを目指してもらいたいなあと、老婆心ながら、思っています。

どうして?

それは、一時は時代の寵児として扱われた一瞬があり、その一瞬輝いた時代に、子供時代を過ごした人たちにとっては、なりたい職業はと聞かれて、文科系ではヨコモジ系のコピーライターという職業もある程度注目されたからです。

でもその時代は一瞬でした。

糸井さんや中畑さん、それに真木さんなんかが注目された時代とは今は異なり、コピーライターの誰々という個人の名前が人の口にのぼらない時代になりました。

コピーライターという職業がそれだけ社会に認知されたんだといってしまえばそれまでですが、現代は一人のコピーライターの力でひとつのキャンペーンが成功するというような、単純な時代ではなくなったのではないでしょうか。

それよりも、CD=クリエイティブ・ディレクターの力で、コピーライターも活かされているということではないでしょうか。
今実務でがんばっているCDは、コピーライターが注目された時代にヒヨコとして育ち始めた年代です。
それから考えると、先の糸井さんなみの力の突出したような人が今はいないとも言えるのかな。

いやそうじゃないと、ぼくは思います。

企業の広告キャンペーンのやり方そのものが、まったく異質な形になってしまったからだと僕は思います。

時代は変わります。

唐突ですが、「時代と寝た女」と言われた山口百恵という歌手を知っていますか。
糸井さんたちが活躍した時代はちょうど彼女が活躍した時代とダブります。
そうなんです。あの時代は、特定の人に極端にスポットが当る時代だったのですね。

現代は?

現代は、そう、「個」にスポットが当る前に「個」が属している組織が注目されます。
お笑いの吉本興業であり、モ-娘。のハロプロであり、SMAP等のジャニーズ事務所であったり。
AKBは、まだ秋元康という個人に注目が集まっていますが、あれだって彼個人の力ではなく、プロデュース集団がひとつあったはずです。
「もしドラ」の作者もその中にいましたしね。

広告も、誰が作ったの? ではなく、どこが作ったの? どこが取扱ったの? ということです。
コピーライターはそういった組織の中の一人として、機能するようになってきているんですね。
そこでは職人的な作業、力はいらなくて、チームの中の一人として力を発揮できるように訓練されます。

いかがですか。ヒヨコのあなたは。

ここでやっと最初に戻ります。
なってどうするコピーライター、です。
コピーライターになってどうしますか。

概して、コピーライターという職業の人間は、一人でやりたがる人が多いようです。
あまり人と強調しないで、自分独自の道をいきたがる、というような。
わたし自身ももそうですから。
ある程度自分を殺して、チームの中の一員として機能しています。

あなたはいかがですか。

チームワークが大好き? 
そう、それはよかった。

これからはあなたのようなコピーライターがいいのだと思います。
自分の持てる力を、チームの中でうまく出していける人。
プロダクションや代理店ではそういった人が望まれています。
まず最初はプロダクションや代理店から始めなければコピーライターはやっていけません。

最初からフリーで、なんて。
仕事は多分、絶対に来ません。

組織の中でコピーライターとして、力を発揮していく。
たぶん、その中から自分の目指すところが出てくるだろうと思います。


なってどうするの、コピーライターに。

コピーライターになって、世の中を動かしてみたい。
ひとつでも動かすことができたら、次からは仕事の方からやってきます。



さて、前回と今回は、コピーライターになるための勉強というより、どちらかというと、ならない方がいいよ、というような感じになってしまいました。すみません。

次回はまた、駆け出しコピーライターのためのためになるものを提供します(?)。


<49>へつづく。

それでは今日はこれで。
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コピーライターになりたいか<47>「しょせんは宣伝文句だ」

2012-03-05 10:30:17 | コピーライターになりたいか
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それでは第47回目です。

47.しょせんは宣伝文句だ


過去46回にも渡って初心者向けのコピー指南を続けてきましたが、最終的に言えるのは、コピーはしょせんコピーであって、ただの宣伝文句だということです。

コピーなんて、どんどん使い捨てられていくものです。
どんどん新しいものが生み出され、使われたものはどんどんその場で捨てられていく。
幸いなことに有機的なゴミにはならないので、エコ的な意味では、いくら使い捨てられても地球は汚しません。
小説や詩のように、人の心の中にも、残りません。

寂しいですか。

空しいですか。

寂しいなとか、空しいなと感じるのなら、コピーライターには向きません。
早く商売替えすることをお勧めします。

そんなことにもめげずにどんどん、日夜コピーを作り続けていくことができる、心の強い人。
そんな人が、いいコピーライターと呼べるのではないでしょうか。

コピーとは、商品を売るための言葉であり、企業をイメージアップする言葉であり、あくまでも資本主義経済社会における経済行為の中のちっぽけなひとつの歯車でしかありません。

それなのに、コピーに芸術を求めたり、文学的なコピーを作ろうとする初心者が少なからずいます。
これを読んでいるあなたはいかがですか。

歯車ですから、とても重要なものなんですが、それと文学的だとか何とかとはまったく次元の違うものです。

初心者の陥りやすい思考として、この“文学的”、もしくは“芸術的”でありたいと願う間違った考え方があります。
歯車自体が、回転するたびに考えていたら物事は進みません。
とてつもなく大きい経済循環の中のたったひとつの歯車として、コピーは機能するといっても過言ではありません。

回転するまではいろいろ思考を巡らせて、さまざまな視点から、あらゆる情報を駆使してコピーを作り上げなければなりませんが、いざそのコピーを組み立てようとする段階からは、そこには宣伝の機能のみが入りこみ、文学的であろうとか、芸術性がどうのこうのというような余地は、あってはならないのではないかと私は考えています。

文学的でなくてもいいコピーは作れます。

それでは、いいコピーとはいったいどんなコピーでしょうか。

企業サイドに利益のあるものであることは当然ですが、コピーを発信する相手にとっても利益のあるもの。
時には企業サイドに不利になることであっても、消費者にとっては利益になることもあるでしょうが、回りまわると、それがいつか企業サイドにとっても利益になっている。
それもいいコピーではないでしょうか。


コピーをレトリックや比喩等、文学的な諸方法で修飾するのはいいとしても、コピーそのものが文学的であれとするのは、間違っています。
みなさんはどう思いますか。

しょせんは宣伝文句なんです。

そう言ってしまえば元も子のないので、そこはそれ、それだけで飯を喰っているのですから(だけではないんですけどねーーーキャッチを簡単に書いてそれだけでうまい飯を喰っているというのが一般的なコピーライターに対する見方ですよね)、いろいろな方法を駆使して、崩れないようにしながらうまく、いいコピーを作っていくんです。
そうじゃないでしょうか。

まあ、がんばりましょう。
(この言葉、あんまり好きじゃないですけど)

私が結局言いたかったのは、まあしゃちこばらずに、それでも真剣にコピーは作ってほしいということです。

さて、今日はここまでです。


<48>へつづく。

それでは今日はこれで。
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コピーライターになりたいか<46>「アイデアに溺れるな」

2012-02-27 10:18:37 | コピーライターになりたいか
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46.アイデアに溺れるな


アイデアあふれるコピーはいいけれど、凝り過ぎたコピーは嫌われる。
アイデアだけじゃ物足りないので、さらにアイデアをひねって、ひねって、ひねくり回して、結局できあがったコピーは、何を表現しているのかわからない、というコピー。

たまに見かけます。
初心者がよく陥りやすいコピーです。
何もそこまでひねくり回さなくてもいいのに、と感心するほどです。

で、不採用になればいいのですが、変にクライアントに感心されて採用され、そのまま実際に広告になってしまった場合は、悲惨です。
そして、採用された本人が、得意満面でいいコピーだと思っているのは、さらに悲惨です。

傍目八目という言葉がありますが、その通りに、第三者が見るといかにも作り過ぎたコピーだなとわかるものなのに、本人やクライアントが判っていない。
まあケガの功名で、それがうまく成功すれば、めでたしめでたしでいいでしょう。
まれにというか、よくありますからね。
コピーに関係なく、商品自身が持っているパワーで成功する広告が。

本当は商品が命なんですよね。
コピーは添え物なんです。
まあ商品があまりパワーを持っていないときには、コピーやデザインの力でそれを補って、プッシュしてあげればいいんですよね。

商品自身がパワーを持っている場合と、持っていない場合では、広告の表現方法は天と地ほどの差が出てきます。
極端な言い方をすると、商品そのものに非常にパワーがある場合は、商品そのものを出せばいいんです。
コピーは、ちょっとした添え物でいいんですよね。

いいえ、なくてもいいんです。
そんなときこそ、凝りにこったコピーをつけたがるのが、初心者。
コピーを商品の上に位置づけようと苦悶するんです。
そしてひねくり回して、あげくには同業者の嘲笑を買うことになってしまうんです。

よくコピーの判っているベテランなら、そんなときはさらりと、ちょっと商品に手を添えてあげるぐらいで、あまり存在感を示したりしないんです。

まずコピーを作る前に、その商品を見極めましょう。
よく見極めてから、コピーを制作するようにすれば、初心者でも、少しはサラッとしたものが作れると思うんです。

広告しようとする商品にパワーがないと感じたら、そんなときは、できるだけ生活シーンを思い浮かべて、その商品をそこにおいてあげるのです。
そしてその商品がそこで存在感を示すようであれば、それをうまくコピーにしてあげればいいんですよね。

そこにうまく収まる気配がなかったら・・・、しょうがない。
逆にその商品を中心にしたシーンを作ってあげましょう。
そこから思い浮かぶコピーを、余りひねくり返さないで出してあげれば、何とかうまくいくと思います。

今日はここまでです。

<47>へつづく。

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コピーライターになりたいか<45>「テクニックに頼るな」

2012-02-20 10:06:49 | コピーライターになりたいか
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45.テクニックに頼るな


コピーライティングのテクニックに限らず、今ビジネス関係のメルマガやブログ、さらにはリアルの書店を覗いてみても、“○○のためのテクニックを教える”というのが雨後の筍のごとく、ネットの中や書店の広いスペースを占領していますね、相変わらずに。

そんなにビジネスマンの皆さんは、テクニックに飢えているんでしょうか。
テクニックが劣っているんでしょうか。

でも、思うんですよ。テクニックだけ習ったって、所詮はテクニックだけなんです。
テクニックを駆使するための基盤というか、基本というか、元を形成するものに言及しているものが少ないんですよね。

基本をすっ飛ばして、どこかから引っ張ってきた他人の言葉、他人が創造したものをうまく組み合わせるためのテクニックに終始しているだけです。
まあ、コピーライターでなく、それがコピーライターに依頼できない企業主や商店主だったらいいでしょう。
そういった人たちを対象にしているのがほとんどなので、あまり目くじらを立てて言うのもなんですが、それをプロも利用しているというところに問題があるんです。

最近そういったテクニックだけに頼った広告がまかり通っているんです。
明らかにプロのコピーライターが作ったと思われる広告にも、そんな傾向が表れてきているように思えるんです。

ちょっとどうかな、と感じます。
それにそんなことがまかり通ってしまえば、これからのコピーライターのためにも絶対に良くないですしね。
プロのコピーライターなら、自分の集めた情報を自分で咀嚼して、それをテクニックで加工して作ってほしいんですよ。

中抜きーークライアントがもたらした情報を、そのままテクニックでまとめてしまう。
そんなふうな、コピーライターとして一番やらなければならない部分を省いてしまって、テクニックだけで言葉を編んでいるように思えるコピーが多いように思うのは、わたしだけでしょうか。


ということで、今日はテクニックに頼るなってことですが、テクニックそのものを否定しているわけではないんです。それは判ってもらえますよね。

テクニックは、プロのコピーライターなら絶対に必要な条件です。
テクニックがなければならないのは自明の理です。

私が言いたいのは、その前にまずコピーライターとしてやらなければならないことがあるんですよ、ということです。

それは、いつも言っているように、自分の言葉、語彙、ボキャブラリィをできるだけたくさんストックするということで、そこに自分が集めた情報を変換して、自分のコピーにするということなんです。
ボキャブラリィをたくさん持つことで、どんな業種のクライアントが仕事を依頼にきても、ちゃんと対処できるということです。

わたしにはその業種はちょっと、と思うようではまだまだプロではないということ。
もし、苦手もしくは初めての業種の場合は、それについてたくさん必要でない情報まで勉強しましょう。
そこから学んだことを自分なりの言葉に変換して、持ち前のテクニックでコピーを作りましょう。
決してクライアントの情報だけで作ったりしないでください。

今日は以上です。


<46>へつづく。

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コピーライターになりたいか<44>「賞に挑戦しよう」

2012-02-13 10:08:19 | コピーライターになりたいか
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それでは第44回目です。

44.賞に挑戦しよう


わたしは、プロになる直前に「宣伝会議賞」に応募し、コピーライターとして実際に仕事を始めたときに、それが奨励賞という形で2点同時に受賞することができました。

「宣伝会議賞」は、コピーライターなら誰でも知っている有名な賞で、金賞をとるとなんと100万円も貰える、コピーライターの登竜門として、コピーライターなら必ずといっていいほど挑戦しているコンテストです。

有名どころでは、糸井重里さんが駆け出しの頃金賞を受賞して、それをきっかけに飛躍しました(もちろん才能があったからですが)。

わたしも金賞ではありませんが、奨励賞を2点同時に、それもプロダクションに入ってすぐに受賞したものですから、一目置かれたし、それがとても励みにもなりました。
だいたいの自分の力どころが分るというか、それがひとつの尺度として生きてくるのです。

履歴書にも受賞歴として書けます。

まだ挑戦したことのない人はぜひともチャレンジしてみてください。
(毎年夏頃から秋にかけて課題が発表され、翌年の3月頃に発表があります。今年ももうすぐ発表になりますね)

また宣伝会議賞以外にも、コピーライターが試してみたいコンテストはあります。
その代表はラジオの文化放送でやっている「ラジオCMコピー大会」でしょう。
これは20秒のラジオCMを作るもので、募集はだいたい宣伝会議賞と同じ夏の終わり頃からで、発表は翌春です。
その模様は特別番組で実況中継されます。

上に挙げたふたつの賞が一番権威があって、箔がつくものです。

「ラジオCMコピー大会」にもぼくはチャレンジしたことがあります。
そしてたった1回だけですが、最終審査ーー実際に制作されて、番組の中で流されますーーに残りました。

最終審査になると、文化放送からはがきが来ます。(今はどのような連絡方法か知りませんが)
審査当日の居所と受けられる電話番号の確認です。
会社には内緒で応募していましたので、仕事を休むわけにも行かず、さらには、クライアント先にどうしても出かけなくてはならない用もあり、結局自分の作った作品を聞くことができませんでしたし、審査員からどのような批評をされたのかも分らず、賞をもらうこともできませんでした。

連絡がなかったので、落ち込みました。
しかしよく考えてみると、そこまで残ったということはたいしたものだとも思いました。
1クライアントにつき3作品がノミネートされます。その中のひとつに自分のものが選ばれたのですから。

それ以来挑戦はしていませんが、ぜひともまたチャレンジするぞと意気込んでいます。
入賞すればたぶん最年長受賞となるのではないでしょうか。


いかがですか。これも読んでいるあなたも、もしまだチャレンジしたことがないのなら、やるべきです。

最初にも書きましたが、あなたのコピー力の試金石になることです。
それに結果的に受賞しなくても、日頃の、思いきったコピーが作れないという鬱屈をはねとばすような、自分なりの面白いコピーが作れるのですから。

賞に挑戦するのも勉強、経験のひとつなんです。
自分の好きなクライアントが選べて、好きなことを書けるわけですから。
欲求不満の解消にもなります。
思いっきり自分の思いのたけを書きましょう。
自分が恋いこがれている人に書くラブレター、ラブメールのように、この際思っていることをぶつけるいいチャンスです。

これらの賞以外にも、探せば小さいながらもたくさんあります。
雑誌の「公募ガイド [雑誌]」でも探せます。
どんどんチャレンジして、自分の力を試してみましょう。
チャレンジすればするほど、きっとあなたのコピー力も上がるはずです。
ただ単に勉強しているのではなく、れっきとしたクライアントがいて、受賞すればそれが実際に使われるのですから。

 ★★ 落ちて もともと  落ちて もともと ★★

一発、やってやろうじゃないの。その意気込みがほしい。

それが次の力になるのです。

<45>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサーの藤田でした。

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コピーライターになりたいか<43>「流行りもの、使いますか、使いませんか」

2012-02-06 10:14:00 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
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この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それでは第43回目です。

43.流行りもの、使いますか、使いませんか


わたし個人的には、使わないとか、使うとかといったそんなポリシーはありません。
強いて言えば、あまり使いたくない、というところが本音です。
もっと言うと、コピーライターはその流行り言葉を生み出さねばならない立場にあると思うんです。

それでこその言葉の職人と言われるゆえんであるし、作り出したときの内心のガッツ感には、自分を誉めてやりたいという気持ちでいっぱいになるからです。
しかし、ときには誰か自分以外の人間が作り出した、そのときどきの流行り言葉や、言葉使いを使った方が、そのコピーやその広告で言いたいことが早く伝わるとか、よく分るという方便もあります。

またそれが、クライアントの要望であるという場合もなきにしもあらずです。

さらに、広告の種類によっては、使った方が面白いときもあります。

逆に安易に使うと、すべてが壊れてしまう場合もありますね。
自分の言葉ではないので、使いづらいときもあります。



では、基本的な使い分けはどうしているか。
そういった自分だけの使い分けの尺度を持っていた方がいいでしょう。

その広告が、シリアスなものであれば、使わない。
逆に、ユーモアやちょっと揶揄したいようなときにわざと使う、といった程度でいいんですが、このようにある程度は決めておいた方がいいと思います。

ぼくは、基本的には「わざと」使います。

たとえば、“見れる”(正=見られる)という、現在ではごく当たり前に使われるようになった言葉使いでも、ちゃんとした文章には絶対使いませんが、たまにはわざと、面白くしたいようなときには、使います。
そんなときは「見れる」に、ふりがなのように点をつけたり、“ ”とか、< >などでくくり、その言葉をいかにもわざと使っています、ということを強調します。

言葉遣いだけでなく、流行語なんかもそうですね。

流行語は、見る人を引きつけますが、底の浅さも露呈することになりますので、非常に気をつけて使っていかないと広告の重さがなくなり、ひいては広告主の二流化まで表現しかねなくなるからです。
せっかくの広告が、それを出すことによってイメージが悪くなってしまう、なんていうことも過去の広告にもありました。例は出しませんが。

要は、その広告の性質ですね。
そこのところはじっくりとクライアントと話し合い、どのような表現にするか決めてから取り組んだ方がいいと思いますね。

今回はちょっと簡単でしたが、ここまでで。


<44>へつづく。

それでは今日はこれで。
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コピーライターになりたいか<42>「真似るのにも、才能がいる。」

2012-01-30 10:46:49 | コピーライターになりたいか
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それでは第42回目です。


42.真似るのにも、才能がいる。

これを読んでも、すぐにはいいキャッチは作れません。
すぐに作れるとか、そんなノウハウものではありませんから。
どちらかというと、精神的なことが多いので、ちょっととまどっている人もいることだと思います。

わたしは本物のコピーライターになりたいという人、また自分の店や会社を少しでも、真摯に、前向きに考えて、優れたいいキャッチフレーズなり、スローガンなりを作りたいと考えている人向けにこれを書いているので、簡単にできるものが欲しいという人にはちょっと不向きだと思います。


なぜこんなことを唐突に………。

これからが今日の本題です。

『真似をするにも、才能がなければならない』からというのが今日のテーマです。

明治の昔、日本は近代化を急ぐあまり、西洋の様式をすべて真似て近代化をすすめました。
そしてそれはある程度、ハード面では大成功しました。
そしてアジアでは、ある時期すべてーー国力、教育、戦力等においてトップにたちました。
そしてご存じのようにソフト面は大和魂に頼った結果、1945年にその企てはついえました。
アジアの他の国も、ある程度欧米の近代化を見習い、真似をしながら近代化を図りましたが、日本ほど急速にできなかったのは周知の通りです。

なぜか。
それは、日本人は、彼等より真似をする才能が優れていたからです。
この才能が大事なんです。
真似をして、それをそのまま使うのではなく、そこにもうひとつの才能、『工夫する力』があったのです。

『工夫する力』

工夫する力がなくては、どんなにハウツー本を読んで真似ても、それ以上のものはできません。
工夫する力があればこそ、テキストにしたものより良いものができ、さらには、それがオリジナルに発展していくのです。

ハウツー本を見るな、読むなとはいいません。
うんと参考にするのは、とてもいいことです。
でも、それをそのまま鵜呑みにするのではなしに、それを基本に、そこに自分なりの独自の考え方を入れてこそ役に立ったといえるのです。

本当に自分の店、自分の会社を今以上いいものにしたいと考えているのなら、努力しましょう。
ハウツー本をそのまま移して、自分の店、自分の会社のPRに使っても、絶対にうまくいきません。
そしてうまく行かなかったら、これは駄目だったから、次のハウツーに、と果てのない他人頼りに陥っていくのは目に見えています。

コピーライターも然りなんです。

最初は真似でもいいですよ。
それを元に勉強するのであれば。

じゃあ才能がなければ、どうするんだよ、と反駁する人がきっといると思います。
コピーライターをやめましょう。
かんたんです。
だってどんな職業でも、その職業の才能がなければ駄目ですよ。
だから他の、自分の才能が活かせる職業を探すべきだと思います。

最初はほとんどの人は、自分のなりたい職業の才能が、あるとかないとかは判りません。
だからまず自分がなりたい職業につけばいいんです。
それをやっていくうちに自分の才能にきっと気づくはずです。
もちろんコピーライターの才能があると思えば、そのままコピーライターを続けていけばいいんです。
なさそうだったら、早目に見切りをつけて違う職業に手をつけた方がいいですよ。

才能って大事なんです。
そして誰もが何らかの才能を持っています。
いかに早く自分が持っている才能に気づくか。
それによって人生も変わってくれんじゃないですか。
きついことをいっているようですが、これは自分のきつい体験から、本心から言っています。

だからほんとです。
コピーライター諸君、『工夫する力』を養っていいコピーを作り出してください。

どうすれば『工夫する力』を養えるか。
それはもう、いつも言ってますが、いろいろな本(小説・評論・詩・童話・自伝等です。決してハウツーとは言いませんよ)を読む。
   新聞雑誌に目を通す。
   映画を見る。
   音楽を聴く。
   ラジオを聞く。
   人を見る。
   そしてたくさん、できるだけたくさん無駄だと思えるほどたくさん、書くことです。

今日はここまでにします。
 
<43>へつづく。

それでは今日はこれで。
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コピーライターになりたいか<41>「そんなに簡単に作っていいの? キャッチフレーズ」

2012-01-23 11:03:42 | コピーライターになりたいか
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それでは第41回目です。

41.そんなに簡単に作っていいの? キャッチフレーズ

 
書店の広告関係やビジネス関係の書棚をのぞくと、よくこんなタイトルの本が目に入ります。
『すぐにでもできるキャッチコピー』
『カンタン! キャッチコピー』
               等々。

企業の皆さん、店主の皆さん、本当にそんなに“カンタンに”、“誰にでもできるように”作っていいの? 会社やお店の商品を左右することですよ。

これは言っておきますが、あくまでも素人の人が参考にするものですよ。

でも、素人の人も、それを真に受けて、言うがままに作っていたら、結局他社や、他店と同じものになってしまいます。そうじゃないですか。
巷には、それらを参考にしたと思われる稚拙なコピー(キャッチフレーズ)が出回っています。
それらのほとんどは、そういった世に言うところのヒットキャッチからヒントを得て、ただキーワードを自分の会社やお店に都合のいいものに変えているだけです。

<例>
「△△社の元気の素は、◯◯◯です。」

 「わたしたちは◯◯◯をいつも鍛えています」

 ◯◯◯の中に、自社の、自店の売りを入れれば、さあ完成です。なんてね。

それでいいんだよ。と開き直ることのトップは、それはそれで幸せでしょう。
しかしそれで自分の会社なり、お店なりがオリジナリティを持つことができている、なんて考えていると大きな間違いです。
じゃあ次の新商品、お店にふさわしいキャッチフレーズは?

また物真似ですか。

それは類型化への第一歩、落とし穴です。

それで悩んでまた違うキャッチフレーズを真似る。

ドツボ、ですね。

どんどんオリジナリティから離れていきます。

苦しんで作ってみましょうよ。
苦しんで、苦しんで出てきたキャッチフレーズでいいじゃないですか。あなたはコピーライターじゃないのですから。



さて、それではプロのコピーライターの番です。

あなたはそれまでに出てきている気に入ったコピーを真似ていませんか。そのまま使うには、さすがに抵抗があって、ちょっと言い回しを変えたりなんかして。

そういうのもよく見かけますよね。
最初の頃よくいいましたけど、勉強中はいいんです。
どんどんいいコピーを真似て、真似て、真似まくってみる。それは自分のオリジナリティをつかむ近道でした。
また、一度はそうしないと、コピーの持ついいリズムがなかなかつかめないからです。

でも、一人前のプロになったら、今度はそれをお手本に勉強されるコピーを創造しましょう。

苦しいです。

それはそれは苦しいです。

でも、プロなんだから。

それで飯を喰っているわけですから。

それひとつで、名も知れなかった商品を世に送り出し、ヒットさせるのですから。

そんな大それたことをやってのけることができることもあるのに、それが教則本のパクリだったとしたら・・・。悲しくなっちゃいますよね。
逆にヒットすればヒットするだけ、良心の呵責に悩まされることになってしまいますよ、きっと。

ね。

クライアントのために、そしてひいては消費者のためになる商品を世に送りだすためには、やはり苦しまなくては。
そんなに苦しまなくても、ヒットコピーなんて、じゃんじゃん生みだせるよ、と豪語する人。いいですねえ、しあわせでしょう。人生、楽しいでしょう。
そういう人は、せいぜい楽しんでください。
そうでない人は、世のため、人のため、そして自分のために、苦しみましょう。サディズム的ですが、そこから楽しみが出てきます。



今回言いたいことは、まあどうしてもでないときはちょっと教則本を眺めてみるのはいいけど、苦し紛れに教則本には頼らないで、やはりプロならプロらしく、でないときは苦しみましょうということです。

教則本はあくまでも、あまりコピーの力を信じない人、素人の人が使うべきものだということです。

キャッチフレーズが、とにかく体裁良くあればいい、という人向けなのですよ、教則本というのは。
まあそういうことで役に立っているのであればいいんですけどね。


<42>へつづく。

それでは今日はこれで。
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コピーライターになりたいか<40>「スープの味は味わってみないと判らない」

2012-01-16 10:48:59 | コピーライターになりたいか
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それでは第40回目です。

40.スープの味は味わってみないと判らない


スープに限らず、料理全般、さらには口にするものすべての味は、どんなに懇切丁寧に文章で語られても、またその場で蘊蓄を垂れられても、結局味わってみないと分りません。

また、多くの言葉で伝えられれば伝えられるほど、なんだか本当の味からは遠ざかっていくような、そんなもどかしさを覚えることもしばしばではないでしょうか。

なんだかんだと百万言を費やしてがんばった言葉でも、口に入れられたそのたったひと口には負けてしまいます。
これはコピーライターにとってはとても辛いことです。

まあ、文章を生業(なりわい)としている人すべてに言えることですが。

それではテレビのように、見れば判るかといえば、それもまた無理です。
見て、語っても、そのひと口には勝てません。



今回は何が言いたいのか。
コピーはそのひと口には絶対勝てないということです。
じゃあコピーなんて必要じゃないかといわれますが、どっこいそうじゃないんです。

じゃあどうして必要なのか。
コピーの力は、人をして、そのスープを手に入れ、さらにその口にまで持ってくるために絶対必要なものなのです。
その力の差によって、スープの売れ行きが違ってくるところまで力量のあるコピーを作らなければならないのです。

そして、どれだけ短い言葉で、口に運ぶまでいたらしめるかというのが、コピーの力量の差ではないでしょうか。
長ければ長いほど、力がないと言っても過言ではないでしょう。

究極はたったひとつの言葉です。
なければ作るまでです。
まあ、究極まで行ってしまうと、それ以降コピーの力が不必要になってしまいますが、幸か不幸か、まだ究極にまで行っていないので、まだまだわれわれコピーライターには力を示す余地が残されています。

人をしてその口にまで持っていかせる力のあるコピー。
それを作るには、やはり百万言を費やしてみる必要があります。
百万も書けとはいいませんが、もう書くことがないというまで書いて書いて書きまくる。

その後が重要なのです。

推敲です。

どんどん削っていく。

必要だなと感じるものだけ残していく。

どんどん削っていく。

まだ必要なものだけを残していく。

さらにどんどん削っていく。

必要なものを残していく。

そして、最後に残ったものが、いいコピーと言えるものではないでしょうか。



ここで言いたかったのは、これです。
どんなコピーでも、まず必要なものは書いていくこと。
さらにはそこに、自身の感じなんかも入れていく。
もうこれ以上書けないというところまでやってみましょう。

そしてそこからいよいよ削り始めます。

書くことより、その書かれたものを削ることの方に力量の差が出ます。
コピーライターとして未熟な人は、残さなければならないものも削ってしまうこともしばしば。
どれだけ残さなければならないものを残すか。
その選択眼こそが、コピーライターとして一流かどうかの差になるのではないかと、極端にいえば、そうなります。

選択眼を、とにかく養いましょう。
そのためには、いいコピー、へたくそなコピー、両方よく読んで自身で身につける以外に手はありません。

さらに、以前にもいいましたが、小説を読み、詩を読み、評論を読み、時代を読み、映画を見、テレビを見、ラジオを聴き、インターネットサーフィン(もうこの言葉は死語ですかね)をすることですね。
とにかく経験を増やすこと。バーチャルでも何でもいいのです。


いい経験、悪い経験、増やしましょう。

<41>へつづく。

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コピーライターになりたいか<39>「言い過ぎないこと」

2012-01-09 10:59:50 | コピーライターになりたいか
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それでは第39回目です。


39.言い過ぎないこと


広告制作を依頼され、最初に打合せる時、必ずといっていいほど、クライアントは、商品の特性をあれこれ言い立てます。
クライアントにすれば、その商品ほどいいものは他にないという自負を持っていますから、それはそれは凄いものです。

そして、それらをすべてをコピーの中に入れてほしいというのが本音です。
下打合せで、これとこれは削りましょうとこちらから言っても、いやこれは絶対必要なことなんだとほとんど言い張ります。
でも、一消費者の立場で見ても、客観的に見ても、どうみても消費者のメリットにはあまりないものも結構多いというのが本音です。

じゃあ、それをどのようにして引っ込めさせるか。

その場で、「これはちょっと」と言ってもまあ駄目です。
そんなときは何度も言っていますが、それをテーマに1案、ムダですが作りましょう
いかにもそれを強調するように作りましょう。
良識のあるクライアントなら、それで、ああこれは駄目だ、と気づくはずです。

それでも、最終的にそれが採用されそうになったら、やはり、これはユーザーの心にはあまりヒットしませんよ、とやんわり言って、自分がこれだと思うコピーが採用されるように持っていくべきです。

それでも駄目だったら、もうクライアントに従わざるを得ないですね。
なんと言っても、クライアントがお金を出して、その広告を出すのですから。
その後にフォローできる体制だけは整えておいた方がいいでしょうね。
失敗した後の代替案も用意して。



さて、話がちょっと横にそれましたが、今回のテーマは「言い過ぎない」です。

クライアントとの打合せの時は、できるだけクライアントの言いたいことを聞きましょう。
もうこれ以上はないというまで、聞く方がいいでしょう。
それからがコピーライターとプランナーの仕事になります。
どの点を強調して、どの点を捨てるか。まず頭におくことは、ユーザー(消費者)がピンとくるのはどの点か


自分の考えはそれからです。

自分がユーザーなら、この商品のどこが一番気になるか。
果たしてその点が一般のユーザーも気にするところか。
それから何案か作成しましょう。

しかしその前に、アピールするところをすべて書き出し、一度そのすべてを入れて文章を作りましょう。


いかがですか。
そのままなら冗長になって、とても広告のコピーとは言えない、ただの文章になってしまっているはずです。
そこからがコピーライターのコピーライターらしい仕事になります。

どこを削って、どれを残すか。
必要なことが多くても、削れない場合は、箇条書き等にして残すとか、工夫の仕様はあります。
しかしできるだけ削りましょう。
削ぎ落とし、さらに削ぎ落とし、そうしてひとつのコピーができあがるのです。
それをクライアントから聞いたメモと比較しながら、見てみましょう。


まず、ユーザーが惹きつけられるものになっているか。

言いたいことはほとんど入っていたら、まずまずベターです。

しかしそれよりも、ちょっと言い足りないかな、と思うぐらいだったら、それがベストです。
いいコピーは、必ず、ユーザーが言い足りないところを自分の頭の中で完成させてくれますから。

まあそんないいコピーが書けるのは、なかなかありませんけどね。
ですからまずベストを目指すよりも、ベターを目指して、ちょっと力を抜いて書いた方がいいでしょうね。


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コピーライターになりたいか<38>「いいコピーは、すぐ腐る」

2011-12-19 10:25:16 | コピーライターになりたいか
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それでは第38回目です。

38.いいコピーは、すぐ腐る


奇妙なタイトルから今回は始まりました。
嫌な展開?
まあ、読んでください。

会議は踊ってもいいけど、ーーー(ちなみにこの言葉を知らないひとのためにちょっと蘊蓄を。知っている人は飛ばしてください。“会議は踊る”とは、1931年に作られたドイツ映画のタイトルで、1814年、ナポレオン敗北後の欧州秩序を話し合うために、90の王国・53の公国の代表がウィーンに集い、ウィーン会議が開かれた模様を、恋愛、政治、外交の駆け引き等で楽しく描いたものです。その題名の『会議は踊る』は、オーストリアの将軍・リーニュ公の「会議は踊る、されど進まず」という、会議を評した有名な言葉にちなんでいます。史実としても、この会議は主要国のみで話し合い、その他大勢の各国代表は晩餐会、舞踏会に明け暮れ、さらに会議自体も社交的雰囲気のなかで展開され、宮廷外交の駆け引きで内容が詰められていった、というテンポの遅いものだったそうです。フランスのタレイランは「一日の四分の三はダンスと宴会だった」とメモしています。そんな歴史絵巻をロマンスと音楽とダンスで彩りながら、ウィーン風に仕上げた映画が『会議は踊る』です。以上。
ーーーいいコピーは、すぐ腐ると困る。

特にわれわれコピーライティングを職業にしているものにとっては。と思う人もたくさんいらっしゃると思います。
この言葉は、ぼくの大好きな作家、沢木耕太郎氏の「夕陽が眼にしみる」の一節にあった、ノンフィクションの巨人、大宅壮一氏に触れて書いたものの中にあった「言葉は腐る」という言葉です。

「言葉は腐る」というのは、その時代に流行していたもの、その時代に書かれた、その時代の雰囲気を伝えるような言葉であり、それが時代を経ると、どうしようもなく古臭くなってしまうというような意味合いです。

その時代、その時代に、その時代を象徴するような言葉、文章を書き連ねてきたコピーライターとしては、耳の痛い言葉です。
しかし、そこから考えて、腐る言葉こそ、コピーライターは生み出していくべきではないか、とも考えるようになりました。

言い換えれば、いいコピーは、その時代を象徴するものが一番、その時代には光っている言葉なんですから。

だからコピーライターは、時代を経ると腐ってしまうような言葉をこそ、作るべきではないのだろうかと。
時代に左右されない言葉、文章は文学であり、決して商業によって生み出されたものではないからです。

逆にいつまでも残るコピーなんていうのは、コピーとしては良くない、つまらないものではないだろうか。

以前、ぼくはこのメルマガでも書いたことがありますが、コピーは詩に似ているけれど、詩とは全然違う性質のものだ。
コピーで“文学する”必要はないのだ。コピーで“文学”をしようとするのは邪道だ。
コピーはコピーライティングという、商業のひとつの分野であり、決して芸術分野の文学の一端ではないのだよ、ワトソン君。

だから広告のコピーというものは生なものなんだから、腐ってこそ本望というものです。
いつまでも生き続けているコピーなんて、逆にいうと、つまらないものなのではないでしょうか。

新鮮だからこそ、良いコピーは腐るものなんだということ。

血のしたたるような、フレッシュなコピーはすぐ腐る。

いいコピーこそすぐ腐る
腐ってこそ本望。
それをコピーライターの名誉と考えよう。
そんな、すぐ腐るコピーをこそ生み出し続けてほしいものです。

決して自分のコピーをいつまでも残るものにしないこと。

残るのなら、心の中に、印象としてだけ残るものを。

いつまでも、実際に使われるようなコピーは作らない。
それを胆に銘じて作ってみてはいかがでしょうか。

逆に、そう心掛けることによって、いいコピーが作れるのではないかな、とも思う次第です。

いかがでしょうか。

さあ、思いっきり、腐るコピーを作ってみませんか。

こう書いていて、今、思い出しましたが、あれは確か糸井重里さんだったかの、20世紀末の年賀状か、もしくはどこかのデパートのお正月のコピーで、つぎのようなものがありました。


        あけまして、こんばんは。


世紀末の新年ということを、これほど短い言葉で表現したものを、ぼくは他には見かけませんでした。
これこそすぐに腐るコピーではないでしょうか。翌年には絶対使えない究極のコピーです。

しかし、それが使われた年にはものすごく輝いて見えるコピーです。

そのとき一瞬ものすごく輝いて、次にはもう使おうとしても使えないコピー。

腐るコピーとは、そういうものです。

生なコピーだからこそ、もう使えない。二度と使えないもの。

コピーライター冥利に尽きる、いいコピーですね。
(まあ、AD2100年の新年にはまた使えますけどね……)


<39>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサーの藤田でした。

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コピーライターになりたいか<37>「37.コピーにも自分らしい香りを」

2011-12-12 10:13:03 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。

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(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それでは第37回目です。

37.コピーにも自分らしい香りを



あるとき、アウトドア用品のTHE NORTH FACEが店頭で桧の香りを出したところ、それに誘われてお客様が増え、売上も伸ばしているという新聞記事がありました。

そのお店独自の香りを持つということをそのまま、まさに香りで呼びこんでいる面白い例ですが、あなたが作るコピーにも、どこかにその企業なり、商品なりの香りをつけるということはとても大事なことです。
自分の香りではなく、その企業、商品の香りです。
自分の香りは、自分が一人立ちして、フリーランスでやり始めたときには、自分の香りがどこかに香るコピーを書くといいと思います。

さて、それでは「コピーの香り」とはどういうものでしょうか。

ひとことでいえば、そのコピーを目にしただけでどの企業か、どの商品かが、消費者には分るというものです。
企業や商品につけられる独自のキャッチフレーズやスローガンとはまた違います。
それは決められた言葉であって、「香り」ではありません。

「コピーの香り」とは、たとえ、伝える言葉が違っても、あ、この言葉使いはあの商品だな、あの企業だなと想起してもらえるようなコピーのことです。
これは非常に難しい、高度なテクニックと年季が要ります。

かつては、化粧品のCMに採用されるモデルには、化粧品会社のトップに近い人の好みが如実に現れていました。そのモデルの顔だちを見るだけで、あ、この化粧品のメーカーはどこどこだとピーンときたものでした。

しかし、現在では、そういった特徴がまるっきりなくなってしまいました。
モデルが出てきても、すぐにはどこのメーカーか区別がつきません。これはモデルの顔だちが似通ってきたことと、何年か経つと、違うメーカーのCMにもちゃっかりと出るようになったからではないでしょうか。
モラルのなくなったモデル。なんか洒落のようですが、そんな感じがする昨今です。
事務所がいけないのでしょうね。自分はA社に出ていたから、ライバルのB社には使えないという、はっきりとした見識が欲しいものです。
ビールなんかのCMも、そうですね。何年か経ったら、ライバルのビール会社のCMに出ているなんているタレントもいますよね。

さて、話がそれてしまいましたが(よくそれますね、ぼくは)、モデルの顔だちひとつでもその顔やスタイルを見れば、どのメーカーのものか何となく分かってしまうようなCM。それがそのメーカーのCMにおける香りです。コピーでいえば、かつての伊勢丹や一時の西武にはその香りが溢れていました。

伊勢丹は名コピーライター、ぼくの一番尊敬する故土屋耕一さん、西武は当時売れっ子で一世を風靡した糸井重里さん。
どちらも、伊勢丹や西武というよりも、コピーライターの独特の香りを持っていました。
そしてそのコピーライターの持つ香りが、そのまま伊勢丹、西武の香りになっていました。

目のつけどころというんですか。今の世の中の、どこに目をつけるか。そこが勝負どころですね。どこに目をつけるか。何に視点をおくか

そういったところにひとつのポリシーがあったから、あの人たちが書くコピーには香りがあったのでしょうね。

あなたのコピーの香りは、まあさておいて、まず自分が担当しているクライアントの企業なり、商品なりがいつかオリジナルの香りを放つようになるコピーを作ってあげてください。
難しいと思いますが、作品を積み上げることで、何かが見えてきます。いや、香ってきます。
そうなったら、もうあなたは一流のコピーライターだと言えるでしょうね。


<38>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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コピーライターになりたいか<36>「そのコピー、ひとりよがりじゃない?」

2011-12-06 10:39:02 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。
(本当は昨日の配信なんですが、今日になってしまいました)

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それでは第36回目です。

37.そのコピー、ひとりよがりじゃない?


小説やエッセイなら、その人の考え方、思考法としてひとりよがりはいいと思いますが、広告におけるコピーの(いやデザインもそうですが)ひとりよがり、思い上がりは戒めたいものです。

ちょっとコピーライティングにも慣れ、周囲からもいっぱしのコピーライターとして認められてくる頃によく落ちるクリエイターの習性といいますか、だいたいが陥る習いです。
自分のコピーが世に認められてきたのだから、このコピーだっていいんだ、とばかり強引に押し進める傾向に陥りやすいのです。
そうなってきたらクライアントのことは頭から消えていきます。
自分のコピーの才能に自分で酔っていき、いよいよひとりよがり度を上げはじめるのです。

だいたい1年ぐらい自分でコピーを書かせてもらっていると、そう思いこみ始めます。
本当に賢い人はそこで自分を戒めて、再度コピーの原点に立ち戻って考え、もう一度初めから新鮮なコピーに取組み始めるのですが、たいていのコピーライターは、いよいよ舞い上がり、自分のコピーこそ最高なんだと思いこむ傾向にあります。

自分のコピーこそ最高なんだと思ったときこそ、振り返ってみるべきなんですね。いや、その時を合図にして、そんな時だからこそ、反省してみたいものです。

反省してみる、というのはまず第三者になってそのコピーを眺めてみるということです。たとえクライアントからベタ誉めであっても、いや、それだからこそ、他人の目で自分のコピーを眺めてください。どうですか。

ちょっと嫌みっぽくなっていませんか。
それでも、いいなあと、惚れ惚れとしますか。たいていは、いいなあと思って書いたコピーほど、他人の目で眺めてみると、どこか抜けていたり、何か足りなかったり、さらにはしつこかったりと、自分では見えなかった欠点が見えてきます。
今まで自分が携わってきた広告を見直してみてください。

臭いコピーはないですか。きっとあるはずです。
ああ、今なら、ここををこのようにした方がよかったかなあ。と、思いませんか。

たまには、今なら顔が赤くなってしまうような、コピーに行き当たったりしませんか。
そう思うのは正常なんです。ひとりよがりの人は、それさえ気づかないでしょう。
ひとりよがりの人は誰か他人に、知り合いの異性とかに指摘されて初めて気づくかも知れません。

とにかくコピーは一度作ったら、必ず他人の目で、一番いいのは、消費者、使う人の立場に立って、コピーを眺めてみることです。
そうすることによって、ひとりよがり度は限りなく小さくなっていくものです。
良くできたと思うコピーこそ、一度でも必ず他人の目で眺めて、ひとりよがりになっていないかどうか、チェックしてみてください。
それが自分のコピーの完成度を上げていく秘けつかも知れません。まあ、完璧な完成されたコピーなんて、死ぬまでできませんが、それでも完成度の高いコピーに近づくことはできます。

ひとりよがりは、しょせんひとりよがり。
誰も、たとえそのコピーが良さそうでも、ひとりよがりだって、ばかにされかねません。誰もが納得するコピーなんて書けないし、そんなコピーは多分駄作でしかないでしょう。

ひとりよがりでなく、人を納得させるコピー。
紙一重の違いですが、その紙の厚さは半端ではなく厚いものです。

いいコピーを書きたいですね。
 



<37>へつづく。

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