言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

自分から仕掛ける?

2015-03-31 09:32:13 | 生き残るということ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


3月も今日で終わり、明日からは新年度に入ります。

春霞のかかった花見どきの天候ですね。
暖かくなりました。
昨日は前橋も25℃近くまで気温が上がり、今日も同じような気温です。

でも来週は、予報では曇りの日が多いようで、もしかしたら菜種梅雨?


夜明けも早くなり、今では5時半も過ぎると明るくなってきますので、それにつれて起床時刻も30分以上早くなってきました。

現金なものですね。
寒いときはできるだけ布団の中で温もっていたいと、なかなか出ないんですが、この頃ではさっと布団から抜けられます。


本題です。

本を読んでいたら、こんな言葉がありました。

なかなか口説いてくれない男には『あなたはいま、アタシとチューしたいと思ってますね』と自分からしかけて何度も成功した。

室井佑月さんの「ラブゴーゴー」にあった言葉です。

これは恋愛のことを言っていますが、恋愛と商売はよく似ているところが結構あります。

どちらも心理学を応用するとうまくいくことが多いようですね。


さて、なぜ上記の言葉を引用したのかというと、これはわたしがよく言っているように、お客様が来てくれない、客数が減ってきたというお店があるのなら、じゃあこちらから出かけていけば、ということなんです。


出掛けたくても出掛けられない人もいるし、忙し過ぎて出掛けられないという人もいます。

前者は交通機関もなくなった地域のお年寄りに代表される買物弱者であり、後者はオフィスグリコや出前に頼る会社員などです。

商店街やスーパーでは、前者の買物弱者向けに販売車で出かけていって購入してもらうという営業方法をとるところが増えてきていますし、またネットスーパーのように宅配するところも多くなってきています。

後者で代表されるのは、「モノタロウ」や「アスクル」などの企業向けに部品や備品を配達する業態ですね。


あなたのお店でも、どんな業種であれ、そういった形態をとれるシステムを構築することで、新しい業態が生まれる可能性があります。


一番最初にやった人が、やった者勝ちです。

最初は苦労しますが、その苦労は後で財産になり、後追いしてくるところに一歩でも先んじる経験になるはずです。



さて、連載中の『人妻弁当』は今日は第9回目です。

ここからどうぞ。



「さてそれはまあ、今度の新しい役員さんたちにまかせておいて。なあ増野さん、こないだからちょっと話してる例のこと、今から本田さんと練ってみようよ」

やっと本題に入りそうだ。

すでに本田の腹の中には、ビールがたっぷり入っていた。


「何でしょう」

「うん。ほら本田さんが以前ちょっと話してたことがあったろ? 店同士が集まって、もうひとつお互い扱ってる商品を持ち寄ることができる店を作るって」

「ああ、はい、あれですね」

「そうなんだ。俺たちちょっと考えてみたんだ。本田さんがお弁当屋さんをやったらどうかって言ってくれた時があったろう? 今まで自分たちが扱ってきた商品を持ち寄って作るわけだから、まったく新しく店を作るよりも、予算をつぎ込まなくていいんじゃないかって」

「ええ、コラボ弁当屋さん、のことですね」

「そう、そのコラボ弁当!」

「具体的に聞かせてくれないでしょうか」

田島が身を乗り出していった。

「以前もどこかの講演で話をさせていただいたんですが、空き店舗ーーそれも飲食店を以前にやっていたところをですね、そこをまず借りることですね。みなさんたちだったらみんな知り合いですからそのあたりは簡単ですよね。貸す方も、みなさんだったら安心だということもあるわけですから」

「それなんだけど、1軒、心当たりがあるんだ」

増野が言った。

「2年ほど前まで洋食屋をやっていた店なんだけどね。その店の清さんという人が、店やめたくなかったんだけど、倒れちゃったんだよ。本人は治ってからも再開したいようだったけど、やっぱりこのご時世だろ。いったんやめちゃうとね、なかなか」

「その店が空いているんだ」と田島が言った。

「清さんも愛着があるから、今でもきれいにしてあるんだよ。それでね、こないだ本田さんのこともあって、ちょっと清さんに聞いてみたんだ。そしたら俺たちに貸すんだったら、うれしいって言ってくれてね、それで」

「それで、じゃあやろうよってことで、具体的に進めたいから、本田さんを呼んだわけさ」大艸が後を引き取った。

「清さんもアドバイスぐらいはできるし、自分の名前があるとほら調理師免許が活かせるし、って。もうトントン拍子に話が進んじゃってさあ」

どうだろ、と全員の視線が本田に向いた。

本田も、自分が言い出したことでもあり、頷いた。


                    つづく



それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

部外者が必要?

2015-03-30 10:25:32 | 生き残るということ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


昨日はいろいろ多忙で、このブログのアップが夕方になってしまいましたが、今日はまた平常通り朝のアップになります。


わが家の前の土手のさくらも3分から5分咲きりになり、やっと彩りが出てきました。

昨日なかった北風が、今日はあります。
ですから、気温のわりにはちょっと冷んやりとしています。


さて、本題です。

東京では昨日、一昨日と、満開に近いさくらの下での宴会が盛んだったようですね。
そのようなニュース映像も特集で流れていました。

今年の特徴は何といっても外国人、それも世界各国の人々がさくらのお花見ーーというよりかは宴会、ですかーーにやってきているということだそうです。

日本への外国からの旅行者が増えているところに持ってきて、日本文化が世界中に発信されたおかげで、その面白い風習まで紹介され、お祭り好きの人たちがそれに乗ったということですかね。

お花見という習慣そのものが珍しいらしくて、それに宴会が伴うということ自体が面白がられているようです。


我々ならまったく普通のことと思っていることが、それを知らない人たちには奇異に映り、さらには面白がられる、という現象は、お花見宴会に限ったことではありません。

もしかしたらそういった習慣や風習、さらには食べ物など、自分たちではまったく普通だと思っているものも、もしかしたら他人、他国の人から見れば面白いものに見えるかもしれませんね。

その情報を発信すれば、面白がってくれる人も現れるのではないでしょうか。


しかし自分たちでは普通のこことと思っているものが他人には奇異に映ると言われても、その中にどっぷり浸かっている人たちでは見出せません。


それにではどうするか?

その中に他人を入れてみるということですね。


観光振興でも、商店街の振興でも、今言われていることは、3つの部外者を入れてみるといいということです。

その3つとは、よそ者、若者、そしてばか者です。

よそ者には、その風習や習慣が奇異に映り、今までにないことを若者がやりたがり、それを真に受けて調子よく始めるばか者。


企業でもそうですが、マンネリを打破するには、その3つの部外者を入れてみるのが一番ですね。



さて次は、連載中の『人妻弁当』、今日はもう8回目です。

それではどうぞ。


このお弁当屋さんの正式な名称は、『かあさんの台所』という。

本田の提案で作られたが、ネーミングは参加した女性たちからの提案で決めた。

最初は、かっこ良く「キッチン何とか」というような名前がたくさん挙げられたが、何となくしっくり来ないねえという、実際に店を運営する人たちの意見が多く、お母さんたちが自宅の台所で作るようなお弁当屋さんを目指すんだから、そのままの名前の方がいいんじゃないのという意見が採用された。

でも結果的にこのネーミングが評判を呼び、さらには『人妻弁当』などという別名までつけられることになったのは、先見の明があったのだろう。


また運営方法なども本田の提案を骨子に、お母さんたちが自分たちで肉付けしていった。

そして運営途中で欠点が見つかったらその場でみんなで話し合い、すぐに直していこうということも、お客さんたちから支持を受ける要因にもなった。



しかし最初この「母さんの台所」を始めようと集まったのは、男たちだったのだ。

それはこの物語とは別のところで述べているので、詳しくは述べないが、ざっとあらすじをたどってみよう。


それは、あの満天通り商店街の総会が、みんなの予想外の、本田にとっては予想通りの展開となった直後から始まった。


例の総会が波乱のうちに終わってから1週間後のことだった。

本田は旧役員からまた呼ばれていった。

名目はお疲れさん会を開きたいということだったが、あの総会のことを考えると、もしかしたら吊るし上げに逢うのではないかと、半ば以上は恐怖のうちに、おっかなびっくりという感じで訪問したのだ。

しかし、商店街にある居酒屋の予約席に落ち着き、
「まずは本田さんお疲れさんでした。ありがとう」
と言ってビールを差し出された時に本田の危惧はすぐに雲散霧消した。

そのときの四方山話で盛り上がった。

「いや、まあね。ちょっと腹が立ったときもありましたよ、実際のところ」

村上が言った。

「この野郎、勝手なことを、ってね」

「でも本田さんの言う通りなんだよ」

大艸がその後を継いで言った。

「俺たちも、心の中じゃ何となくわかってたんだけどなあ。でも第三者に言われて、なんだかやっと目が覚めたっていうか、覚めさせられたっていうか。自分の心の中を誰かに言ってもらって、ちょっとはほっとした部分もあったし………」

「ああ、その通りだな」

3人も相づちを打った。

そうして会も半ばを過ぎた頃だった。


                    つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

PRの仕方?

2015-03-29 18:12:19 | 繁盛店・繁盛会社をめざそう

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


曇後少し雨という予報ですが、今のところはまだ晴れ間が多く、陽も射しています。

昨日もまさに春という感じの天候で、鼻がつまり、くしゃみも連発。
ああ、やだ。

わが家の前の土手のさくらも、ちらほら開いてきています。
これからの温かさで2、3日すると一気に満開なんでしょうね。

しかし毎年町内会で吊るす提灯が、まだ見当たりません。

大震災のあった年以外は、いつも吊るされていたんですが………。
知らない間に吊るされていたりなんかしてね。


さて、本題です。

あなたはもう自社、自店のPRの大切さはご存知だと思います。


じゃあどのようにPRしていますか?

大切さはよく分かっているんだけど、その仕方が分からないという方がけっこう多くいらっしゃいます。

逆に、PRなどというものは知らなくても、傍目から見ると上手にPRしているところも見られます。
もちろん数は少ないでしょうが。


とにかくPRの大切さは知っているわけですが、PRと言うとすぐにマスコミへのアピールということになり、マスコミが宣伝の代わりをしてくれると単純に思っていませんか。

確かにたくさんの商品、企業、サービスなどその都度マスコミが報道してくれて、その結果宣伝もしないで大ヒットという現象も起きていますが、それはほんの少数だということを肝に命じてほしいなと思います。


どんなものでもPRしてくれるとは限りません。

またそのPRの仕方も千差万別で、マイナスのPRになることもあります。

したがってPRのためのマスコミへのニュースリリースも、ただやたらとしてもなかなか取り上げてくれません。

やはりそこにはそれなりのリリースの仕方があります。


あなたはどんなこともPRしていきたいですか?



さて、『人妻弁当』第7回目です。

ここからどうぞ。


「あのう、ですねえ。ぼく、実は本田さんに頼まれたんです。この商店街に新しくこういうお弁当屋さんができたから、ちょっと様子を見に行ってくれって。まあ言ってみれば偵察、というか、そういうことなんです」

「なあんだ、本田さんも嫌な人ねえ。自分で確かめにくればいいじゃないの、ねえ」
と、喜久代さんは奥の厨房の方に向き直り、みんなの同意を求めた。

何だか形勢が悪い方向に向きかけたので、林颯太は、慌てた。

どうしよう、言っちゃった。

本田さんにも怒られる。

「じゃああんた、名前なんて言うの?って、さっき書いてもらったよね?  ええと、あ、林君、だ。林君、本田さんに言っときなさい。美人ばっかりのお弁当屋さんで、ぼくもいっぺんにファンにになっちゃいました、って。いい?」

「あ、はい。きっとそうします!」

林颯太は喜久代さんに最敬礼した。

「きっとよ! じゃないとあんた、ただじゃおかないからね! 私らこけにしたら、そりゃ恐いわよ~、ねえ?」

喜久代さんは奥に向かって相づちを求めた。

もちろん全員がわざと睨みながら、頷いた。

「分かりました!」

林颯太は、そそくさと走っていった。

その後ろから、喜久代さんたちの大きな笑い声が追いかけていった。


                       つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

向く方向が違う?

2015-03-28 09:54:09 | スキルアップ
向く方向が違う?
こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



今朝はちょっと薄い雲が張っていて、陽もあまり射していませんが、昨日の余波でしょうか、温かみがります。

昨日は前日とは打って変わって温かく、ちょっと動くと汗ばむぐらいでした。

昨日は太田に一日出向いていましたが、太田市役所のさくらは既に咲いていました。

太田や館林はさすがに早いですね。


さて本題です。

高校入試、大学入試も一段落し、新聞の折り込まれてくる学習塾のチラシも少なくなりましたが、今年はものすごくたくさんの学習塾関係のチラシが折り込まれてきたような記憶があります。


徒数がだんだんと減る中、学習塾は増えているような感じで、そのシェアをアップさせようとみなさん必死なわけですね。

ですからほとんどが自塾のシステムの説明で、だいたいが一人ひとりの個性を尊重して、その人に合った学習を、などという文言になっています。

しかしどんなにそのシステムの良さを説明されても、入ってみなければどうなるかわからないのが、学習塾です。


私事になりますが、わたしの娘も大学受験をする際に、前橋では有名な塾に入れましたが、そこが娘には合わず、数ヶ月で退塾させました。

そういったこともあるので、今こうして入ってくるたくさんの塾のチラシを見て、そのシステムの良さを謳っているところでも、合う合わないということがあります。

したがって塾選びは、選ぶ方にとってもなかなか難しいものなんですが、それを解決させてくれる塾は今のところ見出せません。


どこも似たり寄ったりの内容に終始してます。

たくさん入ってくるチラシだから一つぐらい「おや?」と思わせてくれる内容になっているものがあってもいいのになあ、と感じています。

なぜそうなるのでしょうか?


答えは簡単です。

他塾のチラシをみなさん見ながら自塾のチラシを作っているからです。

他塾を意識し過ぎなんですね。

はっきり言って見詰めるべき、本当の方向が間違っているんです。

なぜもっと受験生、そしてその母親に目を向けていないのでしょうか。

向く方をちょっと変えるだけで、もっと違った内容にできるんじゃないかと思うんですけどねえ。



さて、連載中の『人妻弁当』も今日で第6回目です。

こちらからどうぞ。


「実はね、これもほら変なコンサルタントが言うのよ。できるだけお客様の立場に立って考えること。困ったり、選択を迫られたら、お客様の立場に立って考えること、ってね。それで、ほらお客さんも、朝になって急に起きられないってときもあるじゃない、急病でね。そんなときは電話さえもらってりゃキャンセルできるからね、気軽におつき合いしてくださいね」

「こちらこそお願いします」

「ほら、うちなんか近所にお年寄りたくさんいるじゃない。まあ自分だってもうすぐなんだけどね」

「いやおばさん、まだ若いですよ」

「またあ~。あんたホントにお世辞、うまいわね。明日のお弁当大盛りサービスね」

「あ、ありがとうございます。でも大盛りより、おかず多めの方がいいかな、なんて」

「あれ、もう図々しくなってきた」

二人とも大笑いになった。

厨房から、そのやり取りを聞いていた全員の、それに輪をかけた大爆笑が聞こえてきた。

「ほらお年寄りの話しね。役所から言われてるの。毎日お弁当を頼まれていない人も、一応見回ってくれないかって。そういったボランティアもやってるのよ。みんな仲間だからね」

「なるほどね」

「あ、ところでさ、あんた名前と住所、それに電話番号、いいかな書いてもらって。一応ね、ほら顧客リストって言うの? あれ作らなくちゃならないのよ。ほらそうすると毎日作る数がつかめるし、ロスも少なくなるのよ。それに、なんかさあイベントするときなんか、お知らせしたりしたいから」

そういって喜久代さんは、用紙とペンをサラリーマンに渡した。

サラリーマンが各項目に書き込んでいく。

「ふ~ん、林颯太さんねえ、いい名前ねえ。え、けっこうここから遠いじゃないの?  なんでここまで来てくれたの、わざわざ?」

「実は、ですねえ。喋っちゃっていいのかなあ………」

「え、なんなの?」


つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

のこぎり商い?

2015-03-27 08:13:41 | 生き残るということ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


昨日はほぼ快晴でしたが、風は相変わらずに強くて、それも北からの風なので、寒かったですね。
だから気温のわりには寒い1日でした。

でもその冬の寒さも昨日までで、今日は、予報では前橋でも20℃ぐらいまで気温が上がるということで、それはそれでいいんですけど、それに伴って例の花粉も一気に押し寄せてきそう。

近所のさくらの蕾もちょっと色づいてきているので、来週には開花しそうな気配。
今日からの温かい気温で一気に行くんでしょうね。


さて、本題です。


昨日テレビの特番で、博学を競うクイズ番組をやっていました。

その中で出てきたのが近江商人のクイズで、近江商人は「三方良し」の商いということで、商売の鉄則を早くから行っていたということで有名ですが、もうひとつ昨日出て来たのが、この「のこぎり商売」という言葉です。

これは地域の商品を遠くまで持っていって販売し、帰るときにはその地の商品を持ち、その帰る途中、または近江地域で販売していたという、往復の商売を行っていたので有名になったということでした。

いわゆるロスがないわけですね。


現在でも上手な運送業者はそのようにして、帰りにも空っぽにならないように、現地業者と提携するなどして工夫しているところもあります。


また競合他社の商品も同じ便に載せて輸送し、そのコストをおさえているというコラボも既にたくさん行われています。

このように、いかに行きも帰りも空っぽにならないような工夫は、他の商いでも考えられるところです。

そうすることでお客様に迷惑を書けないでコストダウンを図れるというメリットもあるわけで、こういったやり方はさらに進めていくべきではないでしょうか。


あなたの商いでそうしたコストダウンは図れませんか?

競合店同士でも、お互いのメリットを見出せれば、それは可能ですよね。

たとえば、そのお店の業種にふさわしいイベントを共同で行い、その業種そのものを大いにもり立てるということもできますよね。



次は連載中の『人妻弁当』の第5回目です。
ここからどうぞ。


その帰り、そのサラリーマンはまた店に寄った。

朝と同じように喜久代さんが応対した。

「あ、お帰りなさい! ちゃんと仕事してきた?」

「あ、え、まあ」

「あらごめんなさいね、つい自分の子どもみたいなこと言っちゃって」

「うれしいですよ、今そんなこと言ってくれる人いませんから」

「あら彼女いないの?」

「うん………」

「おや、いそうじゃない? 照れちゃって、このぉ~」

「やめてよ、おばさん。恥ずかしいよ」

「ごめんごめん。あ、ええと風呂敷とお弁当箱に分かるように名前か同じ印を付けてくれます?明日からそれを目印にセットしておきますから。お箸はどうする? 明日は自分のを持ってくる?」

「あ、ないから今日使ったので」

「うちのお箸は悪いけどみんな同じものね。だから誰が使ったのか分からないけど、いい?あ、でもちゃんと洗ってますから、それは心配ないしね」

「はい、それでいいです」

「わかりました、と。あと何か言ってなかったかしらね?」

「休みは日曜日? 土日ですか? 祭日なんかは?」

「あ、そうそう、休みねえ。へへん、ちょっと威張らしてね。うちは休みなし、なの。ほら日曜日でも仕事する人はいるし、ここに買物に来てくれるお客さんもいるから、けっこうそのときもうちのお弁当売れるのよ、おいしいからねえ、へへ」

「確かに」

「お世辞じゃないわよね」

「本当においしかったですよ」

「そうお? ま、お世辞でもうれしいけどね」

「お世辞じゃないって、おばさん」

「じゃまあ正直に取っとくわ。ということで、休みなしなの、うちは。あんたは?」

「あ、ぼくは土日、祝って休みだから、他の日は必ず作ってください。でもいらないときは?」

「ああ前の日に言ってくれれば作りません。当日でも、できる限りは対処するわ。それがうちの店のモットーよ」

「へえ、今どき珍しいですね」


                    つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

お客様同士のオフ会?

2015-03-26 09:45:03 | 繁盛店・繁盛会社をめざそう

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



東京では一昨日さくらの開花宣言が出たというのに、こちらはまだ寒い。
昨日も一昨日もずっと寒くて、そのわりには花粉がひどくて。

今日からやっと本格的な春もようになるという予報ですが………。
でもまだ朝のうちは冷たいですね。


さて、本題です。

客商売のコミュニケーションにはふたつありますね。
ひとつはいわずと知れた、お客様とオーナーとのコミュニケーション

これはもう言わずもがなですが、もうひとつ大切なものに、従業員(アルバイト、パートさんまで含めて)とお客様とのコミュニケーション

むしろこちらの方が大事ともいえます。

それさえきっちりとできているのなら、ある意味繁盛店とは言わなくても、きちんとお店の経営を維持できていけているはずです。

そしてそこから繁盛店と言われる範疇に入っていくには、もうひとつのコミュニケーションが必要ではないかなと思います。


それは、お客様同士のコミュニケーションです。


最初はお店の中での交流から始まりますが、ついにはお店を離れたところでも、そのお店を仲立ちにしてできたコミュニケーション=一種のオフ会としてお客様同士の交わりが成立するようになると、やがてはお店が繁盛店に向かうことなるのではないでしょうか。

まず最初にお店が仲立ちして、そういったオフ会を始めてもらうにはどのようにしていけばいいでしょうか。



さてつぎは、『人妻弁当』の第4回目です。

ここからどうぞ。


「その他にもまだメニューのことなんかあるんだけど、今お客さん忙しいでしょ、だからまた帰りに見えたときに説明しますね」

「ええ、まあけっこう急いでます」

「あら、ごめんね。悪かったわ。じゃあこのランチョンラップ、面倒ねえ、風呂敷でいいじゃない、ねえ? これサービス」

「え、いいですよ、そんな」

「ううん。だからっていうわけじゃないけど、会社のみんなにも宣伝してちょうだい、ね。ごめんね厚かましくて。本田さんから、あ、コンサルタントの人ね、本田さんから、最初の人には必ずそう言うように声をかけなさいって、言われてるのよ。迷惑だったら聞き流してね」

「はい、聞き流しました」

「え? ーーあんた、正直ねえ」

「嘘だよ、おばさん。ちゃんとみんなに宣伝しとくよ」

「おばさんからかっちゃだめよ。でもありがとね。じゃあハイこれ、今日のお弁当。ええと今日は悪いけど現金でいただきますね。お弁当が500円と、その他のものを入れてと、ええと消費税込みで3132円ですけど、悪いわね、今日は高くついちゃって」

「いや、いいです」

「はいこれ、ありがとうございました」

「うん。じゃあ行ってきます!」

「行ってらっしゃい! がんばってね」


                     つづく

それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

便利を利用?

2015-03-25 10:13:26 | スキルアップ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



よく晴れていますが、寒い。
北風がまだ収まっていなくて、風が冷たい。

寒いのに花粉は衰えないで舞っている。
やっとこさピークも終えるという時期かな。
でも後一ヶ月は苦しめられそう。


さて、本題です。

知り合いが今Jindoを使って自分のお店のホームページを作成しているところということで、昨日その経過報告が電話でありました。

まだまとまっていない中途半端なできなんですが、それでもキーワード入力すると、その中途半端なホームページが見られるということでした。

ドメインはやはり最後にJindoが入るのでオリジナルというところまでは行きませんが、それでも本当に便利な世の中になったもので。

まったくの無料でホームページが作れるんですから。

わたしのホームページも早くJindoなどで作り替えなくちゃと思っているんですが、なかなか緒につくことができません。

なまけ者だからと言ってしまえば元も子もないんですが、その通りで。

実に自分自身が嘆かわしい性格だなあと、我ながら感心する始末。


まあそんな中、今週中には一つ、これもまあ中途半端なできではありますが、アマゾンのキンドルに電子出版の本(?)を上梓します。

タイトルは、「コピーライターになりたいか」というもので、わたしがかつて、50回にわたりメルマガで配信したものを少し手直しして出すものです。

その後そのアップがすんだら、今度はこれも書きためたホラーやファンタジー中心のショートショート集も出すつもりで今編集しています。


肝心のビジネスものがないじゃないかと思われますが、それもまた今編集中でして、これは少々時間がかかりそうです。

というのはこのブログもそうですが、数年間毎日書いたものから分類しながら、集めなくてはならないので、たいへんです。

助手の方などがいれば、その方に頼めばいいんですが、何分にも個人事務所なもので、なかなか、ねえ。

先立つものもまだ少ないし。


でも、本当に便利な世の中になりました。

しかしそれにつれて、アナログの面白もこれからまた見直されてくるはずですので、ニッチな好みにはなりますが、市場としては、なくならないと思います。



さて、月曜日から始まった第3話、『人妻弁当』も第3回目です。

ここからです、どうぞ。


「ああ、洗ってなくていいんですよ、全然、そのまま。むしろ食べ残しもそのまんまにしてもらった方がいいんですよ。その方が嫌われているおかずなんかよく分かりますからね。うちの甥なんかそりゃもう好き嫌いが多くってねえ、よくおかずを残すんですが、まあやつには食べ残したおかずでもまた入れてやりますけどね、は、は、は」

喜久代さんは大きく口を開けて笑うと、そのサラリーマン風のお客もつられて笑顔になった。

「それで次の日もいるかどうか聞きます。いらないときはいらないって言ってももらえば作りませんから。お金はお弁当を渡すときにもらいます。これは毎日ですけど、何ヶ月間か利用してもらえるようになったら、月ごとの計算でその月の終りにいただけるようにもできます。うちはまだここ始めてそんなに日にちが経っていないので、まだそのお客さんはいません。いずれそうしてほしいというお客さんにはそうしようとは思ってますけどね」

「なるほどなあ、面白いシステムですね。これって、皆さんが考えたんですか?」

「あ、いえね、このやり方は、この商店街を見てもらうことになったコンサルタントさんのアイデアです。それに単純に乗っかったってわけです。売れない売れないって、指くわえて見ていたって始まりませんからねえ。何かやらなきゃってことで、ここにいるみんなが集まったってわけ。おばあさんばっかだけどね」

「あ、いや、そんなこと………」

「そんこと、あるでしょ。ははははっ!」

サラリーマンも笑わざるを得ない、喜久代さんのあっけらかんとした笑顔だった。

「あ、ごめん。時間ないのに。まあそういうわけだから、ね。今日お弁当いります?」

「あ、もちろんそのつもりで来たわけで………」

「そりゃそうだわねえ、お弁当屋に雑誌買いに来ることないもんね。ごめんなさいね。じゃあ今日のところはうちのお弁当箱使ってくださいね。洗ってこなくていいですから。それでついでにお弁当箱と包むもん、それにそうだそうだお箸も持ってきてくださいな。あ、そこにうちで売ってるお弁当箱やランチョンラップ、あ、風呂敷のことね、
いろいろありますから、見て良かったら買ってください」

「あ、面倒だからそうします」

と言ってサラリーマンは、店頭に陳列されている弁当箱と風呂敷、そしてお箸を適当に選んでそれに詰めてもらうことになった。


                       つづく

それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

ブランディング?

2015-03-24 09:23:24 | スキルアップ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


昨日は2週間ぶりに桐生へ行きましたが、一番花粉がひどい時で、コンサル中もくしゃみや鼻づまりが!

緊張しながらやっていると、目のかゆみは不思議と感じないのですが、鼻はそうはいかないようで。
約3時間、がんばりましたが。

昨日もそうですが、今日も“寒のもどり”で、寒い。
早春の気温と北風ですね。
あと数日続きそうです。

東京では昨日さくらの開花宣言が出ましたが、わが家の前の桜並木の蕾はまだまだ堅そう。


さて、本題です。

昨日伺った企業はメーカーで、BtoBがもちろん基本で、そこは老舗企業で技術もあるので順調なんですが、新しいチャレンジとして数年前からBtoCにも一歩足を踏み入れ、これからの展開を図ろうという社長のかけ声から、2年前からわたしもその販促のお手伝いとして伺っています。

5月が更新期なんですが、幸いにももう1年契約をいただき、さらに突っ込んだご提案をさせていただこうと考えています。


テーマはBtoCのブランディングなんですが、ブランディングというのは一筋縄ではいかない難しさがあります。

そのためわたしも今までに経験したものと合わせて、もう一度一から探ってみようと、文献をあさったりなんかしています。


ブランディングというか、そのBtoCをブランド化するには、やはり時間がかかります。

しかし焦って広告をバンバン出すとかしてしまうと、逆効果にもなってしまいますので、そこのところの見極めが必要で、どこでブレーキをかけるのかということも必要な作業であります。


企業のブランディングでひとつだけいえることは、PRに力を入れるということですね。

そのPR力でブランディングは決まるといってもいいでしょう。

好意的にPRを行ってもらえるようにしなければなりません。


これからの1年、自分も勉強しながら、その企業の消費者向けのブランディングを行って行きます。

苦しいところもありますが、ものすごくワクワクすることでもあります。

そういったワクワク体験をさせていただく企業様には感謝しています。

お互いでwin winになればいいですね。



さて、昨日から始まったストーリー第3話ですが、今日はその2回目です。

人妻弁当
それではどうぞ。


「はい、大空くん。今日のお弁当!」と大きな声で言って、大空専用のランチジャーが、友子さんから手渡される。

「オーケー、じゃあな、おばさん!」

「オーケーじゃないよ! あ・り・が・と・う、でしょ。挨拶は挨拶。きちんとしなさい!」

「ワリィ~。ありがとさ~ん」

大空は語尾をいい終える前には、もうすでに車に乗っている。

そして来たときと同じように、大きなエンジン音を響かせて、大空は出かけていった。


朝の8時を過ぎると、常連客に混じって、噂を聞いて弁当を買いにくるお客も来るようになる。

そういった見ず知らずのお客には、まずていねいにその店のシステムを説明する。

この弁当屋はただ毎日弁当を作り、店頭で販売しているというのではないのだ。


「いらっしゃいませ。うちはお客さんのお弁当箱とかランチジャーとかを預かって、それにお弁当を詰め手渡すというような形なんですけど、いいですか?」

「え、そうなんだ?」


今日もまた一人、新しいお客様がやってきた。

リーダー格の喜久代さんが説明を始める。

初めてのお客様にはこれを納得してもらってから利用してもらうことになっているので、最初は必ず戸惑ってしまう。

一応システムを書いた大きな掲示があるが、お客様はたいていそんなものは見ないで、いきなり注文を始める。

それが当たり前のことだから、始める際にはこういったお客様には、できるだけ笑顔で親切にシステムを説明することを徹底している。

イラスト入りの説明リーフを相手に渡し、それぞれの箇所を指さしながら説明する。

もどかしいが、こういうシステムをとったことにはわけもあるので、それは絶対に必要なことなのだ。

「ええ、それでお帰りの時にまた寄ってもらうんですけど、そのときに空になった弁当箱とかランチジャーとか、また預かるわけです」

「………?」

                   つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

あれにもこれにも?

2015-03-23 09:36:21 | アイデア・事例

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



あ~あ、だり~い!
すみませんねえ、週の始まりの月曜日の朝から、こんなことで。

ここ数日、朝夕欠かさずにヤク(?)を服用しているので、身体がだるくて。
夜はあまり眠れないのに、昼間は時おり眠くなるという、この季節特有の朧な身体具合です。

こうなってくると、いつもそうなんですが、何をするにも億劫になりますね。

こんな時は…………?


というところで、本題です。

この季節いつもお世話になるのが鼻炎用のカプセルと目薬。

欠かせないし、どこに行くにも必要なので、バッグに入れて持ち歩いてはいますが、これらをまとめてひとつにする容器があればいいなと、無印などをその都度眺めていますが、どれも帯に短したすきに長し、ですね。

このように、たったひとつの目的にためだけに必要な容器、というものを考えるのは日本人は得意なんですが、そこから発展して、こういう使い方も便利だからと、そのための入れ物をそれにくっつけたりします。

それははっきり言っていらないのに、と思うこともよくあります。

要するに、“蛇足”ですね。


それとはまた違って、作った際の目的とは別な使い方をユーザーの方がやる場合もあり、いつの間にかそれの方がポピュラーな使い方に転化するということも、結構あります。

製作者側の意図とは違う使い方をされているものはありませんか?

“モノ”はたったひとつの使い方を想定して最初は作るべきで、後の使い方はユーザーまかせの方が、こちらからこのような使い方もできますよと示唆するよりもいいのではないでしょうか。

あれにもこれにも使えますよ、と最初からユーザーに提案すると、結局どっちつかずの、あまり役に立たない“モノ”になってしまいます。



さて、今週からまた新しいノンフィクション的フィクションが始まります。

今回のタイトルは、『人妻弁当』です。

先週までお送りしていた『ある商店街の小さな一歩』からスピンアウトした物語ともいえます。

それでは第1回目をどうぞ。



朝6時。

普段でも閉じたシャッターが多い中、そのうちの1軒の店が、大きな音を商店街の中に響き立て、勢いよく上に上げられた。

しばらくすると、灯と一緒にリズミカルな、俎を包丁でたたく音も、外にまで漏れ出てきた。

その音を耳にするだけで喉が鳴りだしそうだ。

時おりはシャキ、シャキっと新鮮な野菜を刻む音も聞こえる。

それとともに、中年女性の声が店の外にまで灯と一緒に出てくる。

喜久代さんの声だ。

この中のリーダー的な位置にいるのは、あながちその張り切った声にあるといっても言い過ぎではないと思う。

喜久代さんの声に対して、漫才のようにツッコミを入れるのが、最年長の香世子さんだ。

二人のやり取りの合間には、友子さんや照美さん、郁子さんの声が混じる。

それでここにいる全員だ。

もちろんすべて商店街でお店を営んでいる女将さん連中だ。

だから誰が呼んだか、この弁当屋の弁当をいつの間にかちょっとした愛情もこめて“人妻弁当”と呼ぶようになった。



そのうちに、うまそうな匂いが商店街の通路にまで漏れだしてくる頃になると、その元気な声もしばらくは途切れる。

シャッターが開いてから1時間ほど経つと、若い男がひとり、ふたりとやってくるようになる。

みんな工員風だ。

店の前に自転車を止めて中に入っていく。

そしてしばらくすると、弁当のような荷物を手にさげて出てくる。

それと入れ替わりに、マフラーを取り外したような爆音を響かせて、また若い二十歳にもなっていないような作業着姿の男が店の前に乗り付けるーーまだ商店街の中はクルマも自由に通れる時間なのだーーと、一応エンジンを切ってやはり中に入っていく。

「おばさん、おはようっす! 今日のおかず、何?」

すかさずく喜久代さんの声が響く。

「お子ちゃまハンバーグ! あんたにぴったりだろ」

「やめろよ、俺、お子ちゃまじゃないからな! この通り自分で稼いで食ってんだ。いい加減子ども扱いはやめてくれよ、おばさん」

「よし、じゃあそのおばさんをやめて、お姉さんて言えばいつでもやめてやるよ」

「そりゃ無理だよ、おばさん。だっておばさん、なんだから」

大空と書いて、無理矢理のぞむと読ませる名前をもつ若い男は、喜久代さんの本当の甥だ。

だから「おばさん」はおばさんだから、それもしょうがないというところだが、大空の言い返しはどうしても小さな声になってしまう。

ちょっと困った顔つきだが、そこにはうれしさも混じっている。

「うちからしたらまだまだねえねえだよ、大空は。あんたうちのおっぱい、ちゅうちゅう吸ってたときだってあるんだから」

「もうやめてくれよ、いい加減そんな話は!」

そこでみんなの笑い声が、大きく外に飛び出す。


                        つづく



それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

細かなことほど大事?

2015-03-22 10:13:01 | 生き残るということ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


3月、お彼岸どきの日曜日。
そんなことには関係なく、慌ただしく生きています。

太田商工会議所での店舗支援コーディネーターは、来年度もまた引き続き委嘱されました。
ありがとうございます。

他の商工会議所様や商工会様でも、こうしたご要望があれば、お話しさせていただきますので、お気軽にメールかお電話をください。

メール→k1948f@nifty.com
電話→027-261-6617(留守の際は携帯に飛びますので)

と、久しぶりにアピールしたところで、本題です。


夜に通るとよく分かるのですが、案外店頭看板や社名サインの灯が切れているところがけっこうあります。

そういうお店や会社ってどうなんでしょうか。

照明からして、わが店は今お客様があまりいません。
わが社は、今苦境に立っています。
って、証明(ダジャレじゃないですよ)しているようなものじゃないでしょうか。


そんな細かなところに気が回らないこと、そのこと自体がお店を片向けているのだということ。


細かなことにも常日ごろから気を回して万事徹底していれば、それは仕事自体にも、同じように気が回せて、いろいろなことに対処できるはずなんですが。

「そんな小さなことに今気を回している暇はないんだ! それどころじゃないんだよ!」って、怒鳴られそうですが、そのような細事を元から放っておくから、社業も傾くんだよっていうことが分からない。

それどことじゃなくなったからそんな細かなところは放っているんだと怒らないで、逆に(あ、また言ってしまった。これはわたしの口ぐせ)その細かなところから今だからこそ改善していったらどうでしょうか。


案外そういうことから改めて始めてみると、社業の何かを気づくことがあるかもしれませんよ。

いくら焦っても商売には相手があることだから、如何とも仕方がないことですが、社内の細かなことなら今でも気をつけることはできるるわけですから。



明日からまた新しい物語が始まりますので、ご期待ください。


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

おわび広告?

2015-03-21 10:01:11 | 販売促進コンサルタントの日記

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


最近の空模様ははっきりとしないことが多いですね。

今朝も陽は出ているんですが、カスミがかかった晴れで、雲もけっこう多くて、すっきりしません。
花粉症の鼻と目と同じです。
この2、3日厳しいですね。


さて、本題です。

今マスコミを賑わしているのに、耐震の基礎になる免震ゴムのデータ改ざんがあり、トップ以下の面々がおわびでマスコミのの前に頭をさげています。

ことは最終的に命に関わってくるものであり、なぜそんな馬鹿なことをしたのかと傍目八目的には言えますが、当事者の立場からすると、基準データが出なかったけど、これぐらいなら許されるんじゃないかという、ちょっとした気のゆるみがあったのではないでしょうか。


まあそれをここで言及するというのは他にまかせておいて、わたしが取り上げたいのは、次に出てくるであろう「おわび広告」のことです。


たぶん4大紙に全面広告で出してくるんじゃないのかなあって思いますが、それって効果があるんでしょうか。

たぶん4大紙の広告営業を喜ばすだけのことで、迷惑を実際にかけている相手には決して届くものではないのではないでしょうか。


そんなことならその予算を使って、迷惑をかけた企業と個人1社ずつ、一人ずつに直接おわび行脚をしたほうがよほどいいんじゃないかなって思います。

「おわび広告」は、“おわび”であっても、それは相手には伝わらないで、さらに悪い方向へ=信用できないというレッテルを確たるものにするだけではないかと思います。


同じ広告業界にいたものとしていいますと、「おわび広告」は広告業界にとってはうまい汁でもあります。
人の不幸は、蜜の味、であります。

さらに信用を落とすであろう「おわび広告」は、藪蛇になりかねません。


同じ身を切るのなら、全社員が直接おわびをしに行った方が絶対に誠意は伝わるはずです。





それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

PBが多すぎる?

2015-03-20 09:37:16 | 生き残るということ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



起きた時はまだ曇っていましたが、徐々に雲も薄くなってきています。
陽も覗かせてきています。
温かくなりそう。

そしてまた“奴”が…………。
昨日も雨模様でしたが、けっこう厳しかったですね、鼻の方が。
点鼻薬1本使い切りそうな。
というのは大げさですが。


さて、本題です。

今朝の日経MJのトップ記事はイオンの伸び悩みについての論及でした。

あまりこうしたGMSの動向には関心が薄いのですが、その中でちょっと目についた小見出しがありました。

PB多く 楽しめず」というコピーです。


まあやっぱりねえ、という感じです。
というか、これはもう導入した時点で分かり切っていたことではないでしょうか。


それも導入の過程で計算済みのはずが、やはり売場に魅力がなくなってきているのは、さらにその先を見る人がいなかったということと、売上とコスト面ばかり、言ってみれば自分たちの内側しか見てこなかったツケが今になって来ているということでもあります。


お客様の方を見てPBを導入するのならいいのですが、導入の動機はどうも利益面だけに絞った感がありますので(まあこれは私見でしかありませんが、ね)、結局お客様の方にそっぽを向かれて来ているということではないでしょうか。


このことはわたし自身何年か前に、PB商品に頼るマーチャンダイジングの、消費者サイドからのつまらなさを何回かブログやメルマガなどで指摘しましたが、やっとここに来て、そういったことも出てきているようですね。


まあどのように展開していくか、傍目八目的に見ていきたいですね。


さて、新しいノンフィクション的フィクションはまた来週月曜日から始めますので、ご期待ください。





それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

POPは生もの?

2015-03-19 08:44:29 | 売上アップ
POPは生もの?
こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。



昨夜から雨になったようですね、朝起きたら道が濡れていました。
今は曇り空ですが、また午後になったら雨になるという予報が出ています。

気温もそれなりに温かです。


さて、本題です。

あるスーパーに定期的に行くのですが、その店のPOPにはオープン時から変わらないコピーが相変わらず並んでいます。

その典型がこれです。
もちろん写真を出すとどこか分かっちゃいますので出せませんが、コピーはこうなっています。

        『サラダにどうぞ。
          トマト
            ○○○円 』

その他も似たり寄ったり。

もう笑っちゃいますよね。

トマトのコピーに、よりにもよって「サラダに」なんて。

これもトマトだけでも10数種の種類がならんでいて、それぞれに使い道が違うのであれば、そのばかばかしい「サラダに。」も何とか使えますが(にしても、もっと言い方があるはず)、数種類のトマトが陳列されているだけで、すべてに「サラダに。」じゃ、もう笑う以外ないですね。


POPははっきりって生き物です。生ものです。
それが示している生鮮品と同じ仲間なんですよ。

なのに、陳列販売している生鮮品は毎日入れ替わっても、POPは変わらない、というのはPOPに力を入れていない証拠です。


別に売行きが変わるわけじゃないし………、という思いがあるのなら、最初からそのような陳腐なコピーはつけないことです。

POPではない、ただのプライスカードとしての機能だけでいいんじゃないのかなあ。

そんなことを思いながらmy奥さんの買物に付き合いました。



さて、『ある商店街の小さな一歩』第25回、最終回です。

ここからどうぞ。


「何でしょう」

本田が尋ねた。

「うん。ほら本田さんが以前ちょっと話してたことがあったろ? 店同士が集まって、もうひとつお互い扱ってる商品を持ちよることができる店を作るって」

「ああ、はい、あれですね」

「そうなんだ。俺たちちょっと考えてみてさ、本田さんがお弁当屋さんをやったらどうかって言ってくれた時があったろう。今まで自分たちが扱ってきた商品を持ち寄って作るわけだから、まったく新しく店を作るよりも、予算をつぎ込まなくていいんじゃないかって」

「ええ、コラボ弁当屋さん、のことですね」

「そう、そのコラボ弁当!」

「具体的に聞かせてくれないでしょうか」
田島が身を乗り出して言った。

「以前もどこかの講演で話をさせていただいたんですが、空き店舗ーーそれも飲食店を以前にやっていたところをですね、そこをまず借りることですね。みなさんたちだったらみんな知り合いですからそのあたりは簡単ですよね。貸す方も、みなさんだったら安心だということもあるわけですから」

「1軒、心当たりがあるんだ」
増野が言った。

「2年ほど前まで洋食屋をやっていた店なんだけどね。その店の清さんという人が、店やめたくなかったんだけど、倒れちゃったんだよ。本人は治ってからも再開したいようだったけど、やっぱりこのご時世だろ。いったんやめちゃうとね、なかなか」

「その店が空いているんだ」
と田島が言った。

「清さんも愛着があるから、今でもきれいにしてあるんだよ。それでね、こないだ本田さんのこともあって、ちょっと清さんに聞いてみたんだ。そしたら俺たちに貸すんだったら、うれしいって言ってくれてね、それで」

「それで、じゃあやろうよってことで、具体的に進めたいから、本田さんを呼んだわけさ」大艸が後を引き取った。

「清さんもアドバイスぐらいはできるし、自分の名前があるとほら調理師免許が活かせるし、って。もうトントン拍子に話が進んじゃってさあ」

どうだろ、と全員の視線が本田に向いた。

本田も頷いた。



新生満天通り商店街の歴史は、ここから、もしかしたら始まったのではないだろうか。



                       おわり


いかがだったでしょうか、今回のストーリーは。
よろしければご意見をお聞かせいただければありがたいと思っています。

また次週からこの物語のスピンオフとも言えるストーリーをご紹介します。
お楽しみに。


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

立て直しはできる?

2015-03-18 09:47:57 | 繁盛店・繁盛会社をめざそう
立て直しはできる?
こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


薄曇りですが、陽は出ています。
昨日から引き続き温かさもあり、動くと汗ばみます。

昨日は今年一番の温かさで、前橋でも22℃近くまで上がりました。
今日もまだその温かさが持続しそうです。


さて、本題です。

近所に、といっても車で5、6分ぐらいはかかりますが、産直の店があります。

オープンしてから1年と数ヶ月。
経営は、某大手の農機具や建築資材などを生産しているメーカーです。

まあそこが片手間に、自社の敷地に産直の店を出しているという体で、真剣にそこで販売して、その店単独で黒字経営をしようと努力している風には、まあ外からですが、見られません。

そのメーカーの敷地内で広い場所が余っているので、事務所の傍に作ったというような感じです。


もしこれが小売り専門の事業者が経営しているのなら、とっくに閉店しているようにも感じます。

それほど、いつ行ってもガラガラです。


また、特に夕方行くと残った期限切れ間近の商品が半額になっています。
my奥さんはこれが目当てで1週間に一度ぐらいは出掛けて行くんですが………。

けっこうたくさんの商品に半額シールが貼られています。

定休日が水曜日で、火曜日の夕方に行くと、赤いシールが目立ちます。

でもそれがすべて売り切れるとは思えませんし、翌日までの賞味期限の商品はすべて廃棄するわけでしょうが、たまたまならいいでしょうが、毎回そういった半額商品がたくさんできるということで、そこに卸している業者さんも不本意ではあると思うんです。

でもいつも商品があって、期限切れが近づくと半額になる。

わたしがその店への卸を担当しているなら、早々におつきあいをお断りしてしまうはずです。

だって、半額で販売されてしまえば利益がその分なくなるわけだし、さらには廃棄された商品のコストだって考えると、全然利益は出ないわけですから。


そのお店では、たとえば日本全国の名産加工品も(もちろん生鮮品だけは近隣だけですが)、けっこう陳列されているんですが、売れているような感じには到底見えません。


働いているパートさんにもちょっと問題ありですね。

全然笑顔がないし、愛想がないんです。


しかしそんなことよりも、一番のマイナス点は、立地です。

メインの道路からはずっと奥の方ですので、通りがかりで見つけられるという店でもないので、やはりその認知度の低さが一番の問題でもあります。


このお店の繁盛策はと聞かれれば、それでもできることはたくさんあります。

わたしが見る限りは、いいところもけっこうたくさんあります。

1.○○○。
2.○○○。
3.○○○。
・・・・・・・

ご相談受け付けています。
(なんて、ね)



さて連載中の『ある商店街の小さな一歩』です。
今日は第24回目です。

それではどうぞ。


「実はちょっと相談があるんだ、本田さん」

生ビールで乾杯をしてからしばらくは、昨日の話題で当たり障りのない話を続けていたが、ちょっと話が途切れたところで田島が急に改まり、本田の正面に向き直って話しはじめた。

すると、それを合図にか、どこに座っていたのか、他の、本田からは見えないテーブルに座っていたらしい2、3人が、こちらのほうのテーブルにやってきた。

あらためて彼等を見ると、それは青果店を営んでいる大艸と、鮮魚店の増野、それに雑貨店の村上だった。

いずれも前理事たちだ。

本田は、もしかしたら昨日突然やめさせられた前理事たちの仕返しか、と一瞬思って身構えたが、彼等の顔つきから見るとそうでもなく、それぞれの顔には微笑があった。


「本田さん、昨日はどうもおつかれさまでした。それにありがとうございました」

田島以外の3人はまだ立ったまま、本田に軽く礼をした。

「あ、いや、そんなこと………ないです」

本田はちょっとうろたえたがすぐに気を取り直して、「いや、もしかしたらみなさんにここでとっちめられるのかなって、あちらから立って見えたときには怖かったですけど、顔を見て安心しました」

「わっははははっ」

5人が、その言葉でいっせいに笑い出した。

「いや、まあね。ちょっと腹が立ちましたよ、実際のところ」

村上が言った。

「この野郎、勝手なことを、ってね」

「でも本田さんの言う通りなんだよ」
大艸がその後を継いで言った。

「俺たちも、心の中じゃ何となくわかってたんだけどなあ。でも第三者に言われて、なんだかやっと目が覚めたっていうか、覚めさせられたっていうか。自分の心の中を誰かに言ってもらって、ちょっとはほっとした部分もあったし………」

「ああ、その通りだな」

3人も相づちを打った。

「さてそれはまあ、今度の新しい役員さんたちにまかせておいて。なあ増野さん、こないだからちょっと話してる例のこと、今から本田さんと練ってみようよ」

やっと本題に入りそうだ。

すでに本田の腹の中には、ビールがたっぷり入っていた。


                        つづく


それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)

情報の受け取り方

2015-03-17 09:34:11 | スキルアップ

こんにちは。
小さなお店と小さな企業のための販促コンサルタント、藤田です。

今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。


今日も薄曇り。いや昨日より、は晴れの部分が多いかな。
春霞がかかったという形容がぴったりの、朝から暖かさを感じさせる春日和です。

というところで、例の花粉クンも一緒に大量発生。
空気清浄機をかけているところだけ、何とか快適に。

温かい日中に出しておいた観葉植物を部屋の中に取り込んだとたんに、敏感な娘がくしゃみ連発。

いやはや………。


さて、本題です。

世の中には情報が溢れています。

インターネット、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、口コミ………。

しかし同じ情報なのに、それを人は自分のものとして受け取るときに、どうして違ってくるのでしょうか。


恩田陸さんの小説「象と耳鳴り」には、下記のような言葉があります。

同じ街を歩いていても、年齢や職業や趣味が違えば、見ているところ、歩くところもまったくちがう


あ、そうなんですよね。

言ってみれば、その人の個性によって、また考えていること、生活に違いなどによって、同じ単一の情報でも、違うものになってしまうんですね。


わたしなどが行うアドバイスもそうですね。

同じアドバイスでも、まったく逆にとってしまう人もいます。

またユーモアをこめて言っても、ユーモアととられないで、皮肉ととる方もいます。

難しいですね。


それではそういった情報の取り方の違いからくる齟齬を、できるだけなくすにはどうしたらいいでしょうか。


それはもうたくさん話し合う以外にないですね。

そうすることによってお互いの基本的な立場、立ち位置が理解できたところで、その情報のやりとりをするぐらいに持っていかなければ、なかなか“阿吽の呼吸”での理解は難しいと思います。


長年一緒に暮らしてきている夫婦の仲だって、同じ情報を同じように受け取っても、それを発信するときには違ったものになっているんですから。



さて、そろそろ終わりに近い『ある商店街の小さな一歩』は第23回目です。
それではどうぞ。



新理事長や他の役員が決定し、方針が決まったところで時間も相当使ったので、閉会になった。

次回の会合にも本田と前理事長の田島やその他前理事たちは、オブザーバーとしてしばらく出席することになった。

本田は企画や販促のアドバイザーとして、その他は議事進行やその他運営についてその都度アドバイスすることになっていた。

その日は時刻も、すでに夜中に近かったので、お開きになった。


翌日、田島から本田に電話があった。

「本田さん、昨日は、というか、今日は遅くまでありがとうございました」

「いえ、だいたい私が目論んでいた方向になんだか踏み出していくような気がして、ちょっとうれしいですね。少し興奮してよく眠れなかったです」

「はは、自分で爆弾を投げこんでおいて。よく言いますよ」

「いや、あ、まあそうか。そういうことになりますかね」

「ったく。こんなときは関西弁では、ようやりまんなあ、ほんま、とでも感心するところですかね」

「まいりました。田島さん、朝から厭味ですか」

「いえ、滅相もない。それで、昨日のお礼といえば聞こえはいいですが、ちょっと今晩は飲みませんか。おごりますから」

お酒の誘いだけではなさそうだ、と本田は思った。

田島の口調の裏には何かあるな、と電話口で感じた。

「わかりました。それじゃ遠慮なくごちそうになります」



                   つづく

それでは、また明日。

今日も一日、『スマイル!』で、がんばろう!


セミナーやご相談、コンサルティング、ネーミング、コピーライティングなどのご連絡はこちらまで。
   ↓
k1948f@nifty.com
までどうぞ。


ご相談は24時間365日いつでも対応しています。

お気軽にメールをください。


▼下記は現在配信中の、無料メールマガジンです。

お店や会社経営のちょっとしたいいヒントがたくさん載っています。

消費者目線のマーケティング


「あっ、そうか! ちょっとした『気づき』が繁盛店に変える」

あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。

藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

群馬県前橋市
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.com
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)