こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある学習塾の変身<第1部>(その3)」
本田が最初にアドバイスしたのは次のようなことだった。
「遠藤さんはせっかちなタイプなんですが、ここはひとつ長い目で見てほしいんですが、できますか。途中で成果が出ないからと言って投げ出してしまえば、出発点にもどってしまいます。いや出発点よりさらに前にもどってしまうでしょう。それまでやってきたことが無になってしまい、さらにはそれに費やした時間さえまったくの無為のものになってしまうのです」
「自分自身でも困ってるんですよ。家内にもよく言われますから。この性分をとにかく少しずつでもいいから直していきたいですね。そのために本田さんからの提案を真摯に受け止めて、何とか実行していきたいんです」
「分りました。それを一度確認しておきたかったんです」
「よろしくお願いします」
「じゃあ、最初にお聞きしますね。遠藤さんはいったい今回の目標はどういうことなんでしょうか。まずそれをはっきりさせましょう」
「ですから、生徒を増やしたいんです」
「あれ、先ほどは個別学習で、じっくりと生徒を育てていきたいとおっしゃってたじゃないです」
「ええ、そのために生徒を増やさなければならないでしょ?」
「どうしてですか?」
「どうしてって、増えなければ、個別指導できないじゃないですか」
「おかしいなあ。じゃあ今いる生徒さんたちへの個別学習は?」
「それはやっていますよ」
「きちんと?」
「ええ、きちんと」
「じゃあそれでいいじゃないですか」
「え、だって本田さん、学習塾は生徒を増やさないとやっていけないんですよ。まず増やさなければダメですよ」
「ちょっと違うような気がしますよ。目標は個別学習じゃないですか。逆なんじゃないでしょうか」
「逆?」
「ええ、今の個別学習ですか、このシステムでは生徒数が少ないからできるんであって、たくさんいれば、先生の手が回らないんじゃないですか。生徒全員を前にしての授業形式なら、たとえ10人一度に増えても全然困らないでしょうが、個別学習だと、一人ひとりにアドバイスしなければならないわけですよね」
「………そう、ですね」
「だから生徒を増やしたら、逆に個別学習では先生の手抜きになると思いませんか。それともまだ先生に余裕はありますか。ちょっと拝見した限りでは、一杯いっぱいのような気もしますが」
「でも、生徒を増やさないとすると、経営的にむずかしくなります」
「なぜ、キチンとそういうシステムだからこれぐらいいただくんです。その代わりに生徒一人ひとりに対応した学習が可能ですので、他の学習塾よりも生徒一人ひとりの成績アップには責任を持ちます、だからその分月謝は高くなっています。それを承知していただいて入塾していただくのが筋だと思いますが」
「それじゃ他の塾に、安くされて、みんな生徒を持っていかれますよ!」
「なんだ、スーパーの安売りと同じですね、それじゃ」
「スーパーの安売りと一緒にしないでください!」
「だってあそこがここまで下げたからうちも下げなきゃ、みんな持っていかれてしまう。なんて、まったく一緒の発想ですよ」
「………!」
「頭に来ました?」
「いや、ええ、すこし」
「少しどころじゃないでしょ。結構顔、赤くなってますよ」
「怒ってますよ、いったい何のためのコンサルなんだ、って」
「やっと本音を出してきましたね。これからですよ、本当の話し合いは」
さて塾長の遠藤氏を本気で怒らせてしまった本田は、いったいこれから何をしようとしているのか。
(第1部 おわり)
<第2部>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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本田が最初にアドバイスしたのは次のようなことだった。
「遠藤さんはせっかちなタイプなんですが、ここはひとつ長い目で見てほしいんですが、できますか。途中で成果が出ないからと言って投げ出してしまえば、出発点にもどってしまいます。いや出発点よりさらに前にもどってしまうでしょう。それまでやってきたことが無になってしまい、さらにはそれに費やした時間さえまったくの無為のものになってしまうのです」
「自分自身でも困ってるんですよ。家内にもよく言われますから。この性分をとにかく少しずつでもいいから直していきたいですね。そのために本田さんからの提案を真摯に受け止めて、何とか実行していきたいんです」
「分りました。それを一度確認しておきたかったんです」
「よろしくお願いします」
「じゃあ、最初にお聞きしますね。遠藤さんはいったい今回の目標はどういうことなんでしょうか。まずそれをはっきりさせましょう」
「ですから、生徒を増やしたいんです」
「あれ、先ほどは個別学習で、じっくりと生徒を育てていきたいとおっしゃってたじゃないです」
「ええ、そのために生徒を増やさなければならないでしょ?」
「どうしてですか?」
「どうしてって、増えなければ、個別指導できないじゃないですか」
「おかしいなあ。じゃあ今いる生徒さんたちへの個別学習は?」
「それはやっていますよ」
「きちんと?」
「ええ、きちんと」
「じゃあそれでいいじゃないですか」
「え、だって本田さん、学習塾は生徒を増やさないとやっていけないんですよ。まず増やさなければダメですよ」
「ちょっと違うような気がしますよ。目標は個別学習じゃないですか。逆なんじゃないでしょうか」
「逆?」
「ええ、今の個別学習ですか、このシステムでは生徒数が少ないからできるんであって、たくさんいれば、先生の手が回らないんじゃないですか。生徒全員を前にしての授業形式なら、たとえ10人一度に増えても全然困らないでしょうが、個別学習だと、一人ひとりにアドバイスしなければならないわけですよね」
「………そう、ですね」
「だから生徒を増やしたら、逆に個別学習では先生の手抜きになると思いませんか。それともまだ先生に余裕はありますか。ちょっと拝見した限りでは、一杯いっぱいのような気もしますが」
「でも、生徒を増やさないとすると、経営的にむずかしくなります」
「なぜ、キチンとそういうシステムだからこれぐらいいただくんです。その代わりに生徒一人ひとりに対応した学習が可能ですので、他の学習塾よりも生徒一人ひとりの成績アップには責任を持ちます、だからその分月謝は高くなっています。それを承知していただいて入塾していただくのが筋だと思いますが」
「それじゃ他の塾に、安くされて、みんな生徒を持っていかれますよ!」
「なんだ、スーパーの安売りと同じですね、それじゃ」
「スーパーの安売りと一緒にしないでください!」
「だってあそこがここまで下げたからうちも下げなきゃ、みんな持っていかれてしまう。なんて、まったく一緒の発想ですよ」
「………!」
「頭に来ました?」
「いや、ええ、すこし」
「少しどころじゃないでしょ。結構顔、赤くなってますよ」
「怒ってますよ、いったい何のためのコンサルなんだ、って」
「やっと本音を出してきましたね。これからですよ、本当の話し合いは」
さて塾長の遠藤氏を本気で怒らせてしまった本田は、いったいこれから何をしようとしているのか。
(第1部 おわり)
<第2部>へつづく。
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