私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

再び“阿里登  伊波婆許曾爾”を、

2016-05-28 10:44:17 | 日記

 胸の中に、しかと抱きしめた吾が愛しのあなたが、今、ここにいる。何と幸せなことよ。貴方がいなかった昨日までは、あなたが何処にいようと、例え、追われるようにして離れてしまった故郷であっても、あなたが在る家にでも、すぐにでも飛んでいきたいものだと思っていたのですが、それが

         在りと 言はばこそに< 阿里登  伊波婆許曾爾>
     家にも行かめ 国をも偲はめ<伊幣爾母由加米  久爾袁母斯怒波米>

 これだけで、もう後は言葉にはなりません、再び しかとその胸を抱き寄せます。それ以上の言葉は、もう、そこには必要ありません。その心は甚く衣通姫に響き渡るように伝わってきます。
    
    「今は違います。貴方が、ここに、私の前にちゃんといるのです。もう、決して離れ離れになるようなことはしません。愛しの我が妻よ」

 と。

 それからの二人の運命は、古事記には、ただ

 “即共自死”

 と、たった4文字で書いているだけです。それだけでは、あまりにも、この結末は淋し過ぎます。私の、ありったけの言葉???で、その最後を描いてみたいと思います。どうなりますか???お叱りは覚悟の上です。