軽皇子の同母妹<ハラカラノイロ>は
“亦艶妙也<カホヨシ>”
であったのでどうにかして、
”太子恒念合大娘皇女<ヒツギノミコ ツネニ オホイラツメノミコニ ミアハシセム オボセドモ”
です。しかし、当時の社会では、同母兄妹が夫婦になるのは
“畏有罪而<ツミアラムヲ オソレテ >”
罪になります。どのような掟があったのか詳らかにはなってはいませんが、古事記では、同母兄妹の結婚は忌み嫌われ、してはならないとされ、允恭天皇の皇太子であった軽王は、結局、天皇になれず、伊予に流罪されております。
”黙之<ダマリセリ>”
心に深く、どうしても媛を、我が妻と思っていたのですが、じっと我慢して、長い間、黙っていたのです。
「さてどうなりましょうか???」。
しかし、堪えれば堪える程、皇子の心は、日に日に大娘皇女への恋しさが募るばかりです。我慢にも程があります。死ぬほど恋しさが増すばかりです。