私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

罪より恋が重し

2016-07-06 06:52:02 | 日記

 我慢に我慢を重ねても、やはり恋心の方が重たかったのです。とうとう軽王は想いに至るのです。

   “然感情既盛 殆将至死”椰主人

 しかし、愛しいと思う心は 死なんばかりに燃え上がった時に思われます。

  “徒空死者 雖有罪 何得忍乎”

 徒に空しく死するより たとえ罪ありといえども どうしてこの恋心を抑えることができようか<ナンゾ ジノビエンヤ>」 と。

 そして、その心は、直接行動としてすぐ現れるのでした。

                    “遂竊通<ツイニ ヒソカニ タワケテ>”

 その時に詠まれた皇子の歌があります。

 「あしひきの 山田を作り、山高み 下樋をわしせ 下泣きに 我が泣く妻 片泣きに 我が泣く妻 こそこそ やすく肌触れ<椰主区津娜布例>」

 です。「易く、安心して、お前と私のお互いの肌を触れ合おうじゃあないか。」と云う意味です。何と楽しげな、その結果などについて何の心配もしてないような、満足しきった、何と、おおらかな歌でしょうか。私の好きな歌の一つでもあるのです